ダーティペア 謀略の005便
年 | 1990年 |
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時間 | 59分 |
監督 | 滝沢敏文 |
惑星ドルツからザールを経て惑星デュパールに向かうDCL005便がデュパール宙域で爆発事故を起こした。だが乗客300名の遺族から保険・賠償請求が一切ないという奇妙な事態にWWWAに調査依頼が来る。それに加え科学者ドーネンシュターンの行方不明事件まで受けることになったケイとユリはまず005便の件から調査を始めるが、謎の組織に襲われ、そこにはドーネンシュタインの研究も絡んでいた…? 2つの事件に関係はあるのか、ダーティペアが謎の究明に乗り出す!
劇場版の後に出た土器手ダーティペア最後のOVA。今作の存在は大分後になって知ってDVDで購入したのが初鑑賞。テレビスタッフが再結集というだけあって、キャラデザはテレビシリーズや劇場版のかわいいタイプを引き継ぎ、ラブリーエンゼルの色やWWWA本部などの設定は全10話のOVAシリーズに準拠しているようです。服の色は2人とも白系ですが、影色はケイが緑、ユリが黄色になってますね。
久しぶりのダーティペアはやっぱり面白かった。ケイとユリのキャラはいつも通りの安定の面白さ。今回はサスペンス風味ですが、この2人が出てくればどんな設定でも自分たちのペースで引っ掻きまわして面白い展開にしてくれちゃうのがいい。
前提がやや複雑なのでちょっと整理。今回2人が受けた仕事は2つ。005便の謎とドーネンシュターン行方不明事件。ドーネンシュターンはドルツの人間だがザールに招かれてイグノール流動体の研究をしていた。ドルツとザールの仲はよくない。そのザールはドルツからデュパールに向かう005便のルートの中間にある。ザールで搭乗した2名の1人がドーネンシュターンではないかと思うケイとユリですが…。
謎解きとアクションを楽しみつつも、ちょっぴり切ないドラマも入った約60分。ブラッディカードもちょっとだけですが出てきます。
<ネタバレ>
デュパール宙域で006便の残骸を調べた後、ドーネンシュターンが行方不明になったザールへ向かったケイとユリ。そこで何者かに襲われ、ケイたちを案内していたザールの航空調査官ダニィがケイの身代わりになって毒を飲んでしまう。これがケイの怒りに火をつける。005便から採取された肉片がドーネンシュターンのものと証明され、ドーネンシュターンは005便の事故に巻き込まれただけに見えるも、それなら自分たちが襲われる理由がないしダニィも死ななくてよかったはず、と。
ザールの警察から襲撃犯はドルツだと情報を聞き出し、ドーネンシュターン失踪事件の依頼者ディックからのメッセージもあり、ドルツに向かうケイとユリ。そこで犯罪組織ルーシファの存在を知る。今ドルツではルーシファが勢力を増していると言う。ドーネンシュターンが研究していたイグノール流動体は動力革命を起こす可能性があり、新動力としてルーシファに目を付けられていた。
てことで005便もドーネンシュターン失踪も犯人はルーシファでした。005便の事故はルーシファがドーネンシュターンを誘拐するために仕組んだ偽装。300名の乗客は偽情報で、005便に乗ったのはドーネンシュターンと彼の妻と娘だけだったのです。一見別々に見えた2つの事件をまとめて捜査させたWWWAのコンピューターの計算力すごいな。
犯人が分かれば後はドーネンシュターンを救出してルーシファをやっつけるだけだっ。決戦の舞台はルーシファの軍事衛星へ。ところでディックはドーネンシュターンの妻リリアのお父さんだったのですね。どうりで依頼をかけるわけだわ…。しかしドーネンシュターンとリリアたちを救い出すもディックは帰らぬ人に。漢の最期だった…。事件解決時、ケイの目には自分のために命を落としたダニィと家族のために命を落としたディックが去来していく。2人ともいい男だったよね…。ほろ苦く切ない思いを噛みしめながら、これからもダーティペアは宇宙を飛び続けるのです。