ダーティペア
テレビ | OVA | |
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年 | 1985年 | 1987~88年 |
話数 | 全26話 | 全10話 |
監督 | 滝沢敏文 | 谷田部勝義 |
舞台は22世紀の銀河系宇宙。ケイとユリはWWWA(スリー・ダブリュー・エー)のトラブルコンサルタントで、要請を受けて事件解決に向かうのが仕事。だが問題解決はするものの行く先々で大きな被害を出してしまいがちなので、正式なコードネーム「ラブリーエンジェル」ではなく「ダーティペア」と呼ばれることが多い。それでも2人は今日も元気いっぱいに銀河を所狭しと大暴れ活躍するのである。
実は放映時に1話から録画して大好きになった作品。面白いかどうかも分からないまま取りあえず留守録したのが始まりでした。もうケイとユリの活躍が面白くて、面白くて、最後まで全話録画して大切なコレクションになりました。しかし放映時は何故か24話で打ち切られてしまって、残り2話が見られなかったんですよね。放映時の24話分は長らくVHSビデオテープで大切に保存していましたが、DVD-BOX入手で未見だった25・26話も見ることが出来てついにテレビシリーズコンプリート! BOXにはOVA10話分も入っていて、大好きなダーティペアの大活躍をさらにたくさん見られて大感動でした。
だがファンの気持ちはDVDでは収まらぬ…数年後、ついに念願のBD-BOXが発売になり、もちろん迷わず購入! BDの画は期待以上に美しくて、大感激。願って待った甲斐はあった…。ファンなら迷わず買いです!
原作は高千穂遙の小説。小説は未読ですが、挿し絵が安彦良和なのは知っていました。だからアニメのキャラクターデザインが土器手司と聞いて、最初は私も安彦良和じゃないの~?と不安だったけど、これが大当たりでした。可愛くて元気で健康的でお話にぴったり。土器手ダーティペア最高! この時期のサンライズの絵は(安彦良和もそうですが)、基礎デッサンがとてもしっかりしているのです。誤魔化しのないしっかりした骨格に正確な肉付けがなされており、それがデッサンの狂いのない自然で自由自在なアクションを描き出す。棒みたいな手足が動くのとは根本から違うのです、骨と肉をしっかりまとった体の動きが伝える躍動感は素晴らしい。土器手司のキャラデザは基礎デッサンに忠実ゆえ女性の体を異様にデフォルメするようなこともなく、おかげで露出度の高い衣装でもいやらしさは全くなく健康的で爽やか。女性でも抵抗なく見ることが出来る。
内容もケイとユリのキャラが立ちまくりで、2人が掛け合いを始めるだけで話が生き生きと回り出す。キャラが立ってる分、台詞回しも気の利いたものが多く、会話を聞いてるだけでも楽しい。加えて毎回惜しげもなく面白いアイデアが投入され、動きまくりのアクションはもちろん、スペースオペラの楽しさにも満ちている。そして何よりもケイとユリが男性のための女性・男性の好む女性ではなくて、自分が自分であるための自立した女性として描かれているのが好きでした。女から見ても「かっこいい」「憧れる」「あんなお姉さんになりたい」と思わせてくれて、男に媚びない活躍ぶりが見ていて爽快だった。ダーティペアは女性にも楽しめるアニメなのです。
テレビシリーズ(全26話)
赤毛のケイは熱血型、青毛のユリは冷静タイプ。だけどケイが頭を使う場面もあるしユリが熱血を見せる時もある。正反対の2人のコンビが絶妙のバランスで問題解決に当たる。放映当時は24話で終わりでしたが、放映終了後に作られた2話も25話・26話と通しナンバーになっており、まとめてテレビシリーズということになっているようです。1話完結形式で、全体を通したストーリーがあるわけではないので、どこから見ても楽しめます(21話・22話のみ前後編になってます)。なお、BD-BOXに収録された26話にはOVA1話の予告が入っており、そのまま自然にOVAシリーズへ進めるようになってます。
OVAシリーズ(全10話)
BOXを買ってその存在を知ったシリーズ。ナンバリングは1話からになってますが、テレビシリーズから続けて見て問題なし。スタッフはそのままだし声優のお二人もテレビシリーズに引き続いてお馴染みのケイとユリを楽しませてくれます。ケイたちのコスチュームに若干デザイン変更ありますが、言われないと気付かないレベル。2人の乗物のラブリーエンゼルはピンクから赤になって形も変わってます。WWWAも建物引っ越したのかしら。でもグーリー主任も相変わらずでお話はいつものダーティペアです(笑。
おまけ:FLASHについて(1994~96年|全16話)
土器手ダーティペア終了後にキャラデザを一新して別のスタッフで作られたOVAシリーズ。DVD・BD共に抱き合わせで入ってたので見てみたけど、主役の名前は同じでも女の子2人のペアというコンセプトだけ引き継いだ別作品ですね。実際ブックレットでも設定をリセットして全く別の作品にしたとあります。絵柄には時代が反映されていて、土器手ダーティペアが80年代ならFLASHは90年代という感じ。デフォルメがきつくなるのは90年代の特徴なのですが、誇張された肉体や服の描き方に男性に媚びた部分も感じられ、放送で見たのがFLASHだったら多分ここまで好きになってはいなかっただろうと思いました。話も初代の女性観が薄れ、キャラデザインへの抵抗感を払拭してくれるほどではなかったし。改めて土器手ダーティペアは素晴らしかったなと再確認してしまうのでした。