メカゴジラの逆襲
年 | 1975年 |
---|---|
時間 | 83分 |
監督 | 本多猪四郎 |
前作で倒されたメカゴジラの残骸を回収しようとしたあかつき号が謎の恐竜に襲われる。それは学界を追われた生物学者の真船博士が存在を主張していたチタノザウルスだった。地球征服を諦めていなかった第三惑星人は真船博士を取り込み、再生したメカゴジラと博士の操るチタノザウルスで再び東京を襲おうとする。子どもたちの声に応えたゴジラが地球の危機を救うべく立ち向かう!
これも私のゴジラ歴のブランク期間に公開された映画で、BS12が流してくれたおかげで初鑑賞になりました。「ゴジラ対メカゴジラ」の続編ですが、冒頭で前作のバトルシーンをダイジェスト風に流してくれるので、前作を見ていなくても概要は掴めるようになってます。
メカゴジラの復活だけでなく新たな怪獣が登場し、ゴジラと闘いを繰り広げるのですが、作中ではチタノザウルスのことをずっと恐竜と呼んでいるのですよね…。恐竜と怪獣では立ち位置が違うと思うので、その辺がちょっと引っかかるけど(実際、真船博士の娘の桂はそのことに言及している)、子ども向けの中にも大人へのメッセージも含ませましたと言うことかな。
大人へのメッセージと言えば、今作は意外にも大人のドラマを中心にしたえらくドラマチックな構成になってる。第三惑星人の地球侵略とか怪獣バトルと言った子ども向け要素の裏で、過酷な運命に巻き込まれた真船博士の娘・桂のドラマが繰り広げられる。むしろそっちが中心で、ゴジラは冒頭に流される前作のおさらいと終盤にしか出て来ない。これは桂の物語と言ってもおかしくないほどです。大人には面白かったけど、子どもたちには分かったのかなあ? では恒例の登場怪獣のおさらいを。
メカゴジラ2
第三惑星人が再生。強化されているので作中では「メカゴジラ2」と呼ばれる。
チタノザウルス
小笠原で生き残っていた恐竜。造形は怪獣ぽいですが…。真船博士の開発した装置で操られる。
キングギドラ
桂がチタノザウルスの怪獣化を憂えるシーンで回想の形で登場。
ラドン
桂がチタノザウルスの怪獣化を憂えるシーンで回想の形で登場。
マンダ
桂がチタノザウルスの怪獣化を憂えるシーンで回想の形で登場。
キングシーサー
冒頭のダイジェストシーンに入っていた。
ゴジラ
子どもたちの声に応えて登場。
<ネタバレ>
桂は真船博士の研究を手伝っていた時、事故で死亡。だが第三惑星人にサイボーグ化されて蘇る。地球人に恨みを持つ父親に同調して第三惑星人に協力していたけど、父の研究に理解を示す若き生物学者・一ノ瀬の登場で気持ちが揺れる。一ノ瀬を心配したり、チタノザウルスを操ることへの疑問を感じたり、人間らしい心に目覚めていくが、第三惑星人によってメカゴジラの作動装置を埋め込まれてしまう。私が生きている限り、メカゴジラは止まらない…。「君がサイボーグでも好きだ」と言う一ノ瀬に、桂は哀しい決断をする。
ゴジラとは思えぬロマンチックなラブドラマに思わず泣いた(^^;。しかし、わけあり美少女が1人登場するだけで画面がこんなに華やぐものだとは、私も認めねばならないなあと思いました。けど、おっぱいは必要だったのか…? 作り物だってことは画面から分かるけど、子ども向け怪獣映画で正面からあんな堂々と…。まあこれも昭和ゴジラの最後を飾るエピの1つと思って収めるがよしですかね。
ゴジラの登場シーンは少なかったけど、桂のドラマが有終の美を飾ってくれました。桂はメカゴジラと一体化したキャラゆえ、ドラマパートが怪獣バトルと乖離することはなく、そこはいい脚本だったと思います。
今作を持って昭和ゴジラはいったん幕となります。子ども時代を楽しませてくれてありがとう、ゴジラ。次は1984年に会いましょう。