ゴジラvsデストロイア

ゴジラVSデストロイア [東宝Blu-ray名作セレクション]

1995年
時間 103分
監督 大河原孝夫

バース島地下の天然ウランが核分裂を起こし、島が消滅。バース島の異変でゴジラは体内の核分裂が制御不能になり核爆発を起こすのも時間の問題に。このままでは地球が滅びかねない。そんな折り、41年前にゴジラを倒したオキシジェンデストロイヤーから生まれた怪獣デストロイアが出現。ゴジラとデストロイアを戦わせることで、ゴジラのメルトダウンは防げるのか!?

VSゴジラの最期を描いた作品で、VSシリーズ最終回。当時のキャッチコピーが「ゴジラ死す」で、見る前からネタバレ状態でした(^^;。それでも「ゴジラ本当に死ぬの?」「どんなふうに死ぬの!?」と息子たちは興味津々。今作で登場した赤ゴジラも子どもたちに人気ありました。ゴジラの体を赤く発光させる仕掛けのおかげで着ぐるみの中の人は大変だったそうです(fromパンフレット)。

ベビーゴジラから呼び名がリトルゴジラに昇格したチビゴジもバース島異変の影響を受けて、これまでのぬいぐるみ感を脱却してやっとゴジラっぽくなってきました。もうチビじゃないですね、ジュニア(青少年)ですね。私にはこれくらいの方がむしろ可愛く見えます。放射熱線も吐けるようになって、ゴジラより一回り小さい体ながらも立派にバトルできるまでに成長してくれました。

そしてデストロイア。強敵な上、オキシジェンデストロイヤーが武器なのがやっかいなところ。今作は最終回を意識してか、1954年ゴジラとの関連性がかなり強くなってます。山根博士(オキシジェンデストロイヤーを作った芹沢の師)の関係者がメインキャストに入ってきてるので、事前に1954年ゴジラを見て登場人物の関係を把握しておくとより楽しめるかと。この人の41年後!を見られる楽しみも。

デストロイア

古代の微小生物がオキシジェンデストロイヤーの影響で怪獣化した。様々な形態に変化する。
微少体:3~5mmでミクロオキシゲンを吐いて魚を骨化させた。
幼体:2mくらいで甲殻類みたいな外観。
集合体:幼体が合体して巨大化したもの。外観は幼体を大きくした感じ。
飛行体:集合体が飛行する時の形態。
完全体:2足歩行できるようになり、飛行は大きな翼で。集合体より更に巨大に。

ゴジラジュニア

リトルゴジラがバース島の異変で変化したもの。見た目はもう立派にゴジラ。デストロイアとも果敢に戦う。

ゴジラ

バース島の異変で体内の原子炉が暴走し、生きる核兵器に。体が赤く光り、放射熱線も赤色に。赤ゴジラはバーニングゴジラとも言う。

<ネタバレ>

バース島がなくなって、生まれ故郷のベーリング海を目指し北上中だったジュニアは「オキシジェンデストロイヤー(デストロイア)でゴジラを消す作戦」のため、未希たちに誘導され、デストロイアと遭遇することに。果敢にも立ち向かうが、ジュニアが叶う相手ではなかった…。ゴジラの咆哮が悲しい。だがそのゴジラにも刻一刻と死が迫る。ゴジラが下手に攻撃できない体になっているため、自衛隊もメルトダウンに備えるしかない。

しかしこの作戦、もし成功したとしてもデストロイアは残るわけだから、その後どうするつもりだったのでしょうね? もっとも今作はゴジラの最期を見せるのが目的だから、メルトダウン(=ゴジラが勝つ)は確定事項なので、その他の可能性は考えなくてもよかったと言うことなのかな。結局のところ、メルトダウン寸前で暴走状態のゴジラにはオキシジェンデストロイヤーも効かなくなって(作戦失敗ということですね)、自衛隊もデストロイアを倒す側に。メルトダウンし溶けていくゴジラを見るのはやっぱり寂しいものがありました。しかしゴジラが溶けた後で──?

映画を見た後で息子たちと議論。
「最後に映ったゴジラ、ジュニアだよね?」
「ジュニア、生きてたんだね?」
「ジュニアがゴジラになったんだね?」
「じゃあまたゴジラ見られるよね!?」
子どもたちに夢を残してくれてありがとう。

人間にいいように使われがちだったチビゴジ→ジュニア、これからは新しいゴジラとして自由に生きていって欲しいです。人間に懐いている部分も残っているようなので、人間と新しい関係を築けるゴジラになってくれるといいですね。

平成のVSシリーズ、シリアスからだんだんエンタメ方向へ変わっていきましたが、幼児期の男の子たちに夢を与えてくれて、このシリーズがあってよかった。エンドロールではVSシリーズのゴジラが1984年版から順に流され、ちょっとウルッときました。ゴジラよ、永遠に!