ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃 [東宝Blu-ray名作セレクション]

2001年
時間 105分
監督 金子修介

1954年にゴジラが現れてから50年、当時の記憶は薄れつつあった。だがついにゴジラが再び現れ、日本各地でも謎の怪獣が確認される。それらは「護國聖獣傅記」にヤマタノオロチの元になったと記される3頭の聖獣、バラゴン、モスラ、ギドラだった。ヤマトを守る3聖獣はゴジラを迎え撃ち、激しいバトル合戦に。バラゴン・モスラ・ギドラはゴジラから日本を守れるのか!?

今作の世界では最初のゴジラが現れてから50年間ゴジラは出現してなかったようです。ということで、ゴジラが度々現れている2000とも対メガギラスともまた違う世界観のようす。しかも50年て!? 今作の公開は2001年、ちょっと計算が合わんぞ…? つまり数年先のお話ってことなんですね!? これもまた斬新な設定を持ってきたな…。ミレニアムシリーズは作品ごとにパラレルワールド化しているようで、それぞれの世界のゴジラと割り切って楽しむしかないようです。なお、今作の世界では自衛隊は防衛軍という架空の軍隊になっているようです。

タイトルだけ見ると懐かしの昭和ゴジラを彷彿とさせますが、中身は怪獣プロレスを更にパワーアップしつつも、子ども向き要素は削って大人も見られる作品にブラッシュアップしたシリアス作品。そして今作のゴジラは白目! 確かに着ぐるみ怪獣の弱点は眼の作り物っぽさだったとは思う。そこを白目にすることで作り物っぽさをなくし、怖さもリアルさもより強くなったと思います。ただちょっと見慣れない感はありますが…。

おなじみの怪獣たちも設定を一新。モスラはともかく、キングギドラが守り側になるのは珍しい。でもヤマタノオロチ伝承の元になったと言われれば納得できる気がする。昭和版のゴジラとキングギドラの関係が今作では逆になってバトルするのは面白い。

バラゴン(婆羅護吽)

新潟から出現。けっこうかわいい造形。ゴジラとの第1戦を飾るが…?

モスラ(最珠羅)

鹿児島の池田湖から出現。チラッと幼虫が現れた後、繭を作り成虫になってゴジラに向かう。小美人はいないが、オマージュと思われる少女2人がモスラを見上げるシーンがある。

ギドラ(魏怒羅)

富士樹海の氷の下から出現。でもまだ完全体ではなく…?

キングギドラ(千年竜王)

ギドラが覚醒して完全体になったもの。

ゴジラ

1954年以来日本には現れていなかったが、50年後に出現。白目。

<ネタバレ>

1954年のゴジラは防衛軍が葬ったことになっていたが、実は科学者の作った毒物で葬られたものであり、防衛軍の攻撃は通用せず、その事実は隠蔽されていたことが判明。50年も経っているので毒物に関する記録も残っておらず、今の防衛軍も詳しいことは知らないらしいが、このやりとりで観客にはオキシジェンデストロイヤーで葬られた1954年版から続く世界なのだなと分かるようになっていますね。今作のゴジラは戦争被害者たちの怨念の集合体との説もあり、だとしたら平和ボケした日本に喝を入れに来たのかな。

怪獣プロレスには気合い入ってます。組んで投げ飛ばしたり、噛み付き合ったり、存分に肉弾バトルをやってくれます。3頭が順番にゴジラに挑む勝ち抜き戦みたいな感じだけど、単調にならないよう工夫も凝らされており、やられたモスラがギドラに力を与えてキングギドラに覚醒させたり、やられてもエネルギー体になってゴジラを攻撃したり、見所も多い。それでも1頭で全部倒しちゃうゴジラはやっぱり強い。

防衛軍も今度こそは!の意気込みで活躍。3聖獣との戦いで消耗しているゴジラの口の中に飛び込んで内側から破壊するのは(ゴジラ映画では)新鮮だった。

今回のラストは「倒すゴジラ」を貫いたところはよかったですね。心臓だけが残るのは「ゴジラ復活への期待」もちょろっと残す形になって、今回の落とし所としては妥当だったと思います。

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