シン・ゴジラ

2016年
時間 119分
監督 樋口真嗣
総監督 庵野秀明

東京湾で水蒸気爆発が発生、アクアトンネルが崩壊し、謎の巨大生物が上陸。それは成長変態し、町を破壊しながら東京湾に去る。米国から極秘裏に来日した特使の情報から巨大生物はゴジラと命名される。ゴジラは鎌倉から再上陸、日米の攻撃をものともせず都内で覚醒。ゴジラ討伐のため多国籍軍の核攻撃カウントダウンが始まる中、政府の対策本部はヤシオリ作戦に存亡をかけるのだった──。

ゴジラが久しぶりに日本で作られると聞いた時は正直不安でした。2014年にハリウッドがあれだけのゴジラを作っている。元祖日本で作るなら2014年版を超えるかせめて並ぶかしないと恥ずかしいではないか。しかし邦画でハリウッド並みの予算を使えるとは思えないし、安っぽいX星人とか出て来たらどうしよう…と悶々。そしてついに映画館の扉をくぐる日がやってくる…。

最初の印象。おお、取りあえずは頑張ってるな。あれ、ゴジ…ゴジ…?? 背びれはゴジラに似てるけどゴジラじゃない変なの(後に蒲田くんと呼ばれるようになる)が出て来た。まっまさかのVSもの!?と焦っていたら、それがゴジラに変態してうおぉ~となりました。一切前情報を仕入れないで見たので、アレがアレになってコレがこう来て、えええー!とすっごく楽しめました。何より心配していた邦画特有の安っぽさがなくて、それだけでも大安堵。しかも・・・

この作品はこれまでのどのゴジラ作品とも違っていました。人間ドラマは抑えて「もし日本に巨大不明生物が来たらどうなるか?」を徹底的にシミュレーションしたドキュメンタリーふうの異色作。政府の中ではどういう対応が行われるか、自衛隊はどういう手順で出動するのか、それらを具体的に客観的に事務的に、そして速いテンポでぐいぐい見せていく。今までに見たことのない斬新な演出でたたみかけてくる手法に私の不安は杞憂に終わりました。なるほど、これなら少ない予算でも高い作品レベルを保てる。

<ネタバレ>

今作のゴジラは海底の核廃棄物を食して進化した完全生物という設定。第1形態から第4形態まで4段階に変化します。
第1形態:尻尾。
第2形態:蒲田くん。
第3形態:蒲田くんが立ち上がって手が生えて二足歩行になったもの。
第4形態:ゴジラ(2回目の上陸時の形態)。口どころか尻尾や背びれからも光線出します。

どんな攻撃も効かないゴジラにヤシオリ作戦で反撃するわけですが、ハリウッドでは誰も発想しないであろう攻撃方法で魅せてくれたのに感動。まさか新幹線を武器にするとは! ゴジラめがけて走る新幹線爆弾には鳥肌立ちました。ビルすらも武器にして、ビル爆破でゴジラを押さえ込む。そして再び立ち上がろうとするゴジラめがけて走る在来線軍団! これまでは怪獣に破壊される側でしかなかった電車やビルが雪辱を果たすかのような爽快感。カウントダウンギリギリでゴジラを凍結出来て、核攻撃も回避できて一応の大団円を迎えるわけですが、色々な意味で固定概念を打ち破ってくれた新しい作品でした。

ゴジラとしてはかなりの異色作なので、昔からのゴジラファンには賛否両論あるかもしれません。しかし危機管理シミュレーションを主軸におきゴジラ以外の部分はリアルに徹することで、ゴジラファンだけでなく皆が共有できる作品になった。それがヒットに結びついたのだと思います。何よりも12年ぶりに日本でゴジラが作られたことは素直に喜びたいです。2016年の日本でやれることを頑張ってやってくれたのだから。

巨神兵東京に現る 劇場版

2012年
10分
脚本:庵野秀明
監督:樋口真嗣

日本映画専門チャンネルで録画入手。映画館では見られなかったけど、シン・ゴジラと一緒にBDに焼いて楽しんでます。東宝とジブリだから全然違うはずなのに、監督と脚本のせいかシン・ゴジラの兄弟作みたいに感じるマジック。中身はタイトルそのまんまです。