ナルニア国物語~第2章:カスピアン王子の角笛

2008年
時間 150分
監督 アンドリュー・アダムソン

テルマールのカスピアン王子が王位を狙う叔父ミラース卿に追われて角笛を吹いた時、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4兄妹は再びナルニアに呼び戻される。だがナルニアはあれから1000年以上の歳月が過ぎており、ナルニア人はテルマール人に滅ぼされかけていた。ピーターたちはナルニアに逃げ込んだカスピアン王子と力を合わせてテルマールと戦い、ナルニアに平和を取り戻そうとする。

前作から1年、再びナルニアに戻った4兄妹たち。が、ナルニアでは1300年が過ぎており、かつてピーターたちの居た城は廃墟になっていた。ということで、作中ではピーターたちにとっては1年後という設定ですが、映画公開は前作の3年後なので4兄妹の中の人たちもその分成長しているわけです。その影響もあってかお話も少し年齢アップした感じで、前作が児童向けなら今作はティーン向け?な感じになってますね。

ファンタジー描写もサンタクロースがお子様にプレゼント!な世界から指輪物語的な世界に近づいてきた感じ。テルマール人は人間タイプで、半獣半人とか動物がしゃべったりするような世界は認め~ん!とばかりにナルニア人を迫害して世を支配。おかげで動物の中にはしゃべることを忘れて野生になってしまったものもいる様子。この辺、現実しか見られなくなった人間を見てるようで、「見なくなったこと」で消えてしまうものもあるよな…と考えさせられもしました。

魔法から目を背けたテルマールではお家騒動も泥臭くて現実的。前王の遺児カスピアン王子の摂政をしていた叔父ミラースに息子が産まれたことでカスピアン王子が邪魔者扱いに。王子がミラースの追っ手から逃れるために吹いた角笛は前作でスーザンが持っていたアイテムです。アドベンチャーは豊富で、4兄妹がカスピアン王子に会うのに一冒険、テルマールとの合戦もスケール大きく何回も、あの手この手で楽しませてくれますが、そう言えば長年ナルニアが危機だったのにアスランはどこに?

<ネタバレ>

ルーシーはアスランの気配を感じ取っていたが、誰にもアスランは見えない。ルーシーはピーターやスーザンに「見ようとしないから」と言う。ピーターはアスランに頼らずに戦う決意をつけるが明らかに多勢に無勢ですね。作戦失敗して一度退却した後、ピーターたちはルーシーを信じることにする。ルーシーがアスランを探しに行く間、時間稼ぎのためにピーターはミラースと一騎打ちをする。しかしミラースの後釜を狙う輩もいて、ミラースの負けを悪用してナルニアに攻撃をかけるズルさ。あわやという時についにアスランが姿を見せるのですが、「見ようとしなければ見えない」も映画版のキーになってたようですね。

クライマックスの木が動きを取り戻してテルマール軍を攻撃、川の水が擬人化等はCG凄くて見どころ。「ロード・オブ・ザ・リング」でも見たようなスペクタルですが、映画としては後でも小説の出版は指輪物語より先だからそこは似てても気にしない。大きな落とし穴作戦は意表を突いていて面白かったです。

前作の兄弟関係に変わり、今作で微妙な関係を見せてくれるのはスーザンとカスピアン王子。淡い初恋、みたいな感じかな。これは映画版の味付けですが、すぐ成長してしまう子役を上手く生かしたティーンアレンジですね(カスピアン王子も原作では少年だけど映画では青年)。でも2人の恋は実る運命ではない。ラストでピーターとスーザンはナルニアからの卒業を宣言します。なかなかアスランが見えなかったのも2人がもう大人になりかけていたからかも。スーザンはカスピアン王子とキスを交わしてナルニアを去る。イギリスの駅に戻る4人ですが、この後の物語ではルーシーとエドマンドが冒険を引き継ぐようです。