スプラッシュ

1984年
時間 111分
監督 ロン・ハワード

NYで兄と青果市場を経営しているアラン。彼が小船から落ちて溺れかけた時、こっそり助けてくれたのは人魚の女の子だった。彼女はアランに会いにNYを訪れるが、アランは彼女の正体を知らない。マジソンと名乗った人魚の女の子はアランと一緒に暮らすことに。アランはちょっと風変わりな女の子だと思いながらもマジソンに惹かれていく。だがマジソンを人魚だと疑う科学者が正体を暴こうとつけ狙っていた…。

公開時に映画館で鑑賞。人魚、大好きです! 今作の人魚は海(水)の中では人魚、陸に上がって下半身が乾燥したら人間の足になるという設定。だから水がかからない限り正体はバレないし、アランも人間の女の子だと思って付き合う。でもマジソンは人間の町は初めてなので、いろいろトンチンカンなこともやってくれます。人間の暮らしにも慣れてないので、最初は素っ裸で登場しちゃったりとか、人目かまわずアランに迫りまくったりとか、食事を手で丸かじりしたりとか、でもどれも悪気なく一生懸命だから可愛いのです。

マジソンが海の中で人魚姿で泳ぐシーンは素晴らしい。CGではありません、ヒレの付いた人魚の衣装を身に着けて本当に海の中を泳いでいるのです! パンフの解説によるとこの人魚の衣装は装着に7時間もかかったそうで、マジソン役のダリル・ハンナは猛特訓してヒレ付きで一気に40メートル泳げるようになり、息を止めて2分間潜れるようになったとか。だから撮影も海中でセイフティ・ダイバーに酸素をもらいながら行われました。CGではなく本物の水の中での動きが見せる髪の毛の流れ方も美しいです。海中シーンがあまりに素晴らしいので、もうこれだけでも十分過ぎな作品。

人魚と人間の青年とのラブストーリーと言うだけでもロマンチックで素敵なのですが、脇役もいい。本能に忠実?なお兄さん! 子ども時代から悪知恵ぶりを発揮してくれますが、大人になっても変わってないところがもうね(笑。そしてお約束?の変な科学者。海中探索で人魚を見かけて、本物の人魚がいることを証明しようとマジソンを追いかけ回すのですが、それがまたコミカルでハラハラしつつも面白い。さて、アランとマジソンの恋の行方は果たして?

<ネタバレ>

アランは子ども時代に海で溺れた時、女の子を見たような気がしていた。実はそれがマジソンだった。大人になって溺れた時もマジソンはアランだったから助けたのでしょう。アランの財布を拾ったマジソンは彼の住所を知り、アランへの思いを果たしにNYに行く。ただしマジソンが陸に居られるのは6日間だけらしい。だがアランはマジソンに結婚を申し込む。ずっと一緒にいたいと。マジソンは悩むが結婚を受け入れる。6日過ぎて陸にいると海にはもう戻れないらしい。マジソンにとっては故郷よりもアランを選ぶという一大決意だったわけです。

だが人魚を探す科学者コンブルースが何回かのトライと失敗の末、ついにマジソンに水をかけることに成功。衆人の中でマジソンが人魚だとバレてしまい、引くアラン。アランの望みは普通に恋愛して普通に家庭を築くことだった。人魚なんて想定外。ここでお兄ちゃん活躍。さすが本能派、好きなら人魚かどうかなんて関係ないだろう! お兄ちゃん、素敵です、アレな癖がなければ~(笑。マジソンへの愛に真に目覚めたアランは彼女を救出することに。

コンブルースも反省し始めていた。人魚を捕まえたはいいが、政府の研究所に横取りされ、このままでは実験材料にされてしまうだろう。コンブルースはアランと兄に協力してマジソンを逃がすことに。ここでもお兄ちゃん名脇役ですね、本能派は言語の壁も越える?

岸壁に辿り着いたアランとマジソンの後ろに迫る軍の追っ手。ここでアランに1つの選択肢が与えられる。マジソンと一緒なら海の人魚の国に行ける、ただし人魚の国へ行けば人間の世界にはもう二度と戻れない──。マジソンを選ぶか、人間の世界を選ぶか。ここでアランが選んだのは、あの時アランのために人魚の国へ戻らない道を選んだマジソンの決意に報いるものだった。

ラストの選択は、自分の世界より愛を選べるかではなくて、相手と同じ大きさの愛を示せるか、ではないかなと思いました。どちらにしろ、あのお兄ちゃんなら分かってくれると思うので、後はお兄ちゃんに任せてアランとマジソン、お幸せに! 現代のおとぎ話とも言える作品。大好きです。^^