ナルニア国物語~第1章:ライオンと魔女
年 | 2005年 |
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時間 | 140分 |
監督 | アンドリュー・アダムソン |
ペベンシー家の4兄妹、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーは戦争を避けて田舎のカーク教授のお屋敷に疎開してきた。ところがお屋敷内でかくれんぼをしていた時、末娘ルーシーが衣装ダンスの奥に不思議な世界を見つける。それがナルニア国だった。そこでは白い魔女が王国に終わらない冬をもたらしていた。4兄妹は喋るライオン・アスランに導かれてナルニアを白い魔女から解放するために戦うことになる。
映画館で見逃したのでレンタルで鑑賞した作品。原作は昔からある有名な児童文学で、衣装ダンスの奥にあるナルニア国で少年少女が繰り広げる冒険ファンタジー。映画はかなり原作に忠実に展開していると思います。全体に毒のない優等生的な作りですが、これは元が児童文学だからしかたない。下手に手を入れたら児童文学らしい良さが損なわれたかもしれないので、これはこれでいいと思います。活字の世界をそのまま素直に再現してくれているのが逆に新鮮で気持ちよかったくらい。原作がそんなに凝ってないので(捻りすぎたりしてない)、映画になってちょうどよく補完されている、という感じでした。
この話では4兄妹の関係もポイントなのですが、その辺映画だと細かい演技でよく表現してくれており、原作ではあっさり気味なドラマにもちょっと深みをもたらしてくれていると思います。子どもだけでなく大人も楽しめるように考えて作ってくれている感じ。
CGもよく出来ていて楽しめました。ケンタウロスや半身ヤギの半獣人など、空想の世界の不思議な生物を存分に楽しめるのがファンタジーの醍醐味。ケンタウロスは合戦の時両手が使えるから便利だなーとこの映画を見て気付く(笑。ライオンや動物たちも演技達者で普通~にしゃべってましたね。動物がしゃべっても違和感ないのはファンタジーだからかな。しゃべったり表情つけたりはCGだと思うけど、カスタマーレビューなどを見ると本物も混ざっていたみたいです?
<ネタバレ>
冒頭で空襲の場面が出てきますが、これは原作にない映画オリジナルと思われます。父が兵隊に行っていて次男のエドマンドはそれが寂しい。防空壕に入る直前に父の写真を取りに行こうと家に戻り兄のピーターとちょっといざこざに。兄として弟や妹たちを守ろうと頑張り気味なピーターとそんなピーターに反発するエドマンド。この微妙な兄弟関係が伏線となって、エドマンドを裏切りの道に導く。
この兄弟関係は映画版の味付けですが、兄妹に1人ひねくれ者がいるだけより心の動きとその理由付けが分かりやすくなり、ピーターとエドマンドの仲直りも、エドマンドの変化も、ピーターの成長も、兄妹が1つになるところも、より自然な描写になれてよかったと思います。ただキャラの性格付けはともかく、話の筋は原作を追ってるので、アスランの登場とか復活とか戦いとかその辺の流れは突っ込まない。サンタクロースがアイテムをプレゼントしてくれる世界ですし。
白い魔女を成敗した後、4兄妹は2人の王と2人の女王になり、4人でナルニア国を治める。そのまま大人になって役者も大人になっちゃうんですが、これがけっこう4人のイメージに合っていて、この姿での冒険も見たかったな。しかし大人姿は一瞬で、すっかり忘れていた衣装ダンスを見つけて元の世界に戻ったら姿も子どもに戻ってたのでした。
エンドロールの映像で分かるけど、実はカーク教授も昔に衣装ダンスの中の世界に行ったことがあるようですね。が、これはまた別の物語になります。ナルニア国物語は7つの章に別れてますが、全部読むとピーターたちの冒険もカーク教授が子どもだった時の冒険も含めて、壮大な一大ファンタジーになるのです。