名探偵ピカチュウ

2019年
時間 104分
監督 ロブ・レターマン

ティムは疎遠になっていた父が事故で亡くなったとの知らせを受け、ライムシティに向かう。そこは人とポケモンが共に暮らす街だった。ティムは父の部屋で言葉を話すピカチュウと出会う。そのピカチュウは父のパートーナーだったらしいが記憶を失っていた。ティムは「父もきっと生きている」と言うピカチュウと父を探すことになる。父の事故に疑問を持つ新米記者のルーシーも加わり、彼らが辿り着いた真相とは──。

ポケモンには詳しくないのですが、評判がいいらしいので見に行ってきました。思っていたよりも物語がよく出来ていて面白かったです。物語好きならポケモンを知らない人でも楽しめるのではないでしょうか。取りあえずピカチュウ、ミュウツーさえ知っていれば、後は流れで「へー、ポケモンて色々いるんだなー」と楽しみながら見ていけるので。

ライムシティでは皆ポケモンをパートナーにしてるようです。ルーシーのパートナーはコダック。芹沢博士もとい渡辺謙がヨシダ刑事役で出てきたのには吹きそうになった。東宝さん、ハリウッド人材増やしてくれないとGODZILLAと被るじゃないですか(笑。ポケモンがいっぱいいる街はオモチャ箱みたいで楽しい。山が傾いたのには驚いたけど、私が知らなかっただけでけっこう前からいたポケモンらしい(ドダイトスって言うんですね、知らずにドダイトスの上に家建てたりしたら大変だな)。

ピカチュウの言葉が分かるのは主人公だけ。今作のピカチュウはおっさんキャラになってますが、実はこれらにはちゃんと理由があり、真相が分かった時に全ての謎は解けます。実はサスペンスなのに、出てくるキャラがポケモンだから真剣にやってても和んじゃうのがいい。

<ネタバレ>

二段仕込みのどんでん返しのおかげで楽しめました~。ミスリードを仕掛けてきた人が黒幕でしたね。ミュウツーのミスリード描写もなかなかで、最初の返しでピカチュウは自分は裏切り者だったと思い、いったんティムの元を離れてしまう。しかし事故現場を調べてミスリードに気付き、本当の黒幕が誰だったかに気付く。危機に陥ったティムの元にかけつけるタイミングがベタでもこれがいいのよー。ハワードの息子のロジャーもミスリード描写されていた(メタモンが化けたロジャーも混じっていたと思われる)ので引っかかってしまいましたが、本当は逆だった。物語好きにはこういう仕掛けがたまりません。

ティムの父に事故を仕掛けたのも黒幕だった。しかしミュウツーが事故にかけつけティムの父を救う。ピカチュウがおっさんだったのは、ミュウツーがピカチュウの中にティムの父の魂を隠していたからだった(つまりティムの父はピカチュウと融合していた)。ティムにだけ言葉が通じたのはピカチュウに入っていたのがティムの父だったからだろう。ピカチュウがコーヒー好きだったのもそれでだったのね(父はコーヒー好き)。確かにこの設定ならピカチュウの声や話しぶりを可愛くするわけにはいきませんね。

ポケモンパレードのバトル決着後、ティムの父は元の体に戻り、ティムは父と和解する。父ピカチュウとの出会いと冒険がこれまで父に背を向けていたティムをふり返らせた。お父さんと一緒に暮らす決心をつけられてよかったね、ティムくん。ライムシティもロジャーが建て直してくれそうですね。悪者だと思って済まんかった、ロジャーくん…。

今作はポケモンに詳しい人ならではの楽しみ方もあるでしょうが、ポケモンを知らなければ「イメージと違う」等の先入観や思い込みに惑わされることなく楽しめるので、それもいいかと思います。「父と息子の物語」として楽しむだけでも十分面白いですし。