パシフィック・リム:アップライジング

2018年
時間 111分
監督 スティーヴン・S・デナイト

「パシフィック・リム」から10年、世界が再興を進める中、ペントコスト司令官の息子ジェイクは違法な転売生活を送っていた。イェーガーを自作した少女アマーラと出会ったことで、ジェイクは環太平洋防衛軍に戻ることになりアマーラは訓練生に。そんな時、シャオ産業が開発した無人イェーガーが暴走して次元の裂け目を開き、再び怪獣が出現。ジェイクはジプシー・アベンジャーに乗り、訓練生たちと共に怪獣に立ち向かうのだが…。

前作「パシフィック・リム」から10年後の設定で、ペントコスト司令官の息子ジェイクが主人公として登場。前作のマコとは義理の姉弟関係になります。続編ですが、監督が違うせいか作品のカラーも少し変わった感じ。若者と少年少女が中心で、全体に若返った…と言うか、年齢層が低くなった…と言うか、スーパーロボットから戦隊ものになった…みたいな。

イェーガーのデザインもスマートになり動きもスマートに。前作は闇夜や雨の中のバトルが多かったですが、今作では明るい日中に引いたカメラワークで全体像を映してのバトルがほとんどで、ちょっとトランスフォーマーかパワーレンジャーみたいな感もあり。ただ画面が明るい分アクションも分かりやすいので、前作のようなズシッとくる重量感か、今作のようなスマートなアクションか、そこはもう好みで楽しめばいいところかなと。ギレルモ版が70年代ロボット(マジンガーZとか)なら、アップライジングは90年代ロボット(エヴァンゲリオン)という感じですかね。

ところで今作には前作の主人公ローリーは(中の人の都合で)出ていません。この辺作中で何も触れられていないので、あれからローリーはどうなったのか、マコとの関係はどうなったのか、一言でいいから説明があればよかったのですが。今作はキャラ一新で完全にジェイク中心の話になってるので、ジェイクと関係のなかった人間の話は入れにくかったのも知れないですけどね。

最終決戦で謎の東京が出てきます。中華っぽい謎の看板、異様に近い富士山、でも怪獣はニッポンを目指す!をやってくれたのを素直に喜ぶことにします(笑。ところでこの東京、ガンダムも出てきます。お台場!??

<ネタバレ>

話には捻りがあってこの手のものにしては作り込んでると思うけど、そのために前作キャラが犠牲になった感あり。マコが序盤でさっさと退場させられたのもだけど、お気に入りだった前作の博士コンビのキャラが変わってた上にニュートが裏切りポジションに置かれたのが残念でした…。博士コンビの頑張り&コミカル担当、よかったのになあ。

ニュートはあれからも怪獣の脳とドラフトを続けていて、その影響でプリカーサー(怪獣を送り込んだ異世界人)に支配されるようになり、シャオ産業の研究員の立場を利用して無人イェーガーに怪獣の第2の脳を組み込む。それがシドニーを襲った謎のイェーガー、オブシディアン・フューリーの正体。ニュートはシャオ産業が世界に配置した無人イェーガーにも怪獣の細胞を組み込み、彼らを動かして次元の裂け目を開かせた。

ハーマンは環太平洋防衛軍の研究者を続けており、今作では終盤指揮官の役目もします。ハーマンも前作とはかなりキャラも立ち位置も変わりましたね。シャオ産業の女社長は登場時は胡散臭そうに見えましたが、実は熱血正義側だったのを終盤で披露。あそこで前戦に出てくるか…(^^;。

英雄だった父が重荷になっていたジェイクはこの戦いで父とは違う自分を肯定できるようになる。アマーラが前作のマコポジションかな。今作が若返ったと言うか前作より軽く感じるのは、ペントコスト司令官やハーク・ハンセン、ハンニバル・チャウのような"大人の重鎮キャラ"がいないのもあるでしょうね。こういった大人キャラがいると場を引き締めたり若者を導いたりして作品のバランスを取ってくれるのですが、若者少年少女の群れだけだと突っ走るだけになっちゃう。まあそれも今作の味なんでしょうけど。