GODZILLA(2014年)

2014年
時間 123分
監督 ギャレス・エドワーズ

フォードの父は15年前に妻を死なせた原発事故の真相を探っていた。父を迎えに日本へ行ったフォードは待避地区で怪獣ムートーの目覚めに出会う。原発を喰らい事故を起こしたのはムートーだったのだ。目覚めたムートーは雄で、日本からアメリカへ向かい、ネバダで眠っていた雌のムートーを呼び寄せる。それを追うようにゴジラも出現。ハワイが、そしてサンフランシスコが、3体の怪獣の死闘で破壊と恐怖に覆い尽くされる──。

私は昭和のお子様向けゴジラで育ちました。物心ついた頃には既にゴジラは地球の味方で、悪い怪獣をやっつけてくれるヒーローでした。そんな昭和のお子様向けゴジラから「ヒーロー」「怪獣プロレス」の部分をすくい上げ、それを大人の鑑賞に耐える映画としてブラッシュアップしてくれたのがこの作品ではないかと思います。それがハリウッドのCG技術で迫力たっぷりに見られるのだから、昭和子ども向けゴジラ世代としてはこれ以上何を言うことがありましょうか。怪獣プロレス上等! ヒーロー上等! これぞゴジラ。ぼくらのゴジラが帰ってきたよー!

今作のゴジラは太古の昔からゴジラとして存在しているという設定。従来ゴジラより大きくてちょっと太めですが、どっしりした太股で2本足で直立して歩く姿はこれまでのゴジラと同じ。CGなのに着ぐるみのような動き方をしてくれる。必殺技も健在。背びれが光って熱線吐きます。ゴジラがある種の「神」であることもちゃんと分かって作ってくれているのも嬉しい。

しかし日本人の科学者が芹沢博士というところからも分かるように、実は1954年版へのリスペクトも行われています。今作の特徴は怪獣(ムートー)覚醒の原因が核実験ではなく、原子力発電になっていることですね。これは時代に合わせた現実的な変更だと思います。1954年のゴジラが水爆の申し子なら、2014年のムートーは原発の申し子か。ならば津波と共に現れるゴジラは自然災害の象徴、地球の申し子という立ち位置か。なるほど、2011年を経験した後に時代の抱える問題を入れたゴジラを作るならそうなるかな。意外に深いかも。

<ネタバレ>

昔の核実験がゴジラ退治のため(モナーク計画)になってたのは、今作のメインが原発の方だったからじゃないでしょうか。しかし核実験に全く触れないのも不自然なので、こういう形で区切ったのではないかと。その代わり、怪獣退治のための核ミサイルが逆にムートーによってサンフランシスコに持ち込まれて危機に陥るという、すぐ核を使おうとする行為の愚かしさを描くことで、核への皮肉をやってます。それも「核は使うな・ゴジラに任せろ」と訴える芹沢博士の言うことを聞かなかった結果として描かれてるので、アメリカ映画にしては頑張ったんじゃないですかね。

ちなみに主人公がムートーの卵を見て爆破したのは、正義感もあるだろうけど、母と父を殺されたことへの思いも入ってるかな、と思いました。フォードにとってムートーは親の仇だからね。あれはムートーに対して為す術がなかったフォードが反撃を試みられる唯一のチャンスだった。そのおかげでムートーに隙が生まれ、ゴジラの反撃につながった。偶然が生んだゴジラと人間の連係プレーというのがいい。

「怪獣プロレス」「ヒーローゴジラ」を楽しませながらも真面目でシリアスな作風は、「大人になったヒーローゴジラファン」が見たかったものを詰め込んでくれている。ゴジラは人間の味方ではなく、あくまでも自分のために動いているに過ぎず、それが結果としてムートーから人間を救うことになっただけ──という描き方もゴジラをよく分かってくれてて嬉しい。私にとってはゴジラとして満足できる作品でした。

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