シン・ウルトラマン
年 | 2022年 |
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時間 | 113分 |
監督 | 樋口真嗣 |
謎の巨大生物が次々と現れるようになった日本。禍威獣(カイジュウ)と呼ばれる巨大生物に対抗するため禍特対(カトクタイ/禍威獣特設対策室)が組織された。7番目の禍威獣が暴れていた時、空から巨人が降りてきて禍威獣と戦う。巨人は敵か味方か!? ウルトラマンと名付けられた巨人を追う禍特対だが、外宇宙から飛来した知的外星人はウルトラマンだけではなかった!? 禍威獣と外星人の企みに地球の運命がかかる!
コロナでしばらく遠ざかっていた映画館へ久しぶりに行ってきました! やっぱり映画館はいいなあ~映画は映画館で見るのがベスト。予告動画を見た時から面白そうだなと興味は引かれていたのですが、期待通り面白かったです。ウルトラマンだけど昔のウルトラマンじゃない、今の感覚でエンターテインメントとしてブラッシュアップしたところが新鮮で斬新、でも昔のウルトラマンが懐かしい人のことも忘れてない、そんな映画です。
庵野秀明が脚本担当してるのでシン・ゴジラっぽい雰囲気もあるのですが、こちらの方がエンターテインメント寄り。禍威獣がどんどん出てきて、ウルトラマンがどんどんバトルしてくれて、それだけでもう楽しめるのがいい。初めてウルトラマンが降臨した時のズドーン感は上がります。スペシウム光線も形は昭和そのままなのに凄い迫力で「これ見れただけでもよかった」と思わせてくれる。広角で煽りからの構図が多いのも迫力増しでよい。
肉弾戦で押す禍威獣もいいですが、知と策略で地球人を翻弄させる外星人もいい。そのおかげでアレが実現したり、禍特対のメンバーが巻き込まれちゃうすごく面白いシーンがあったりして、ネタバレを避けて臨んだおかげで意表を突かれました。それも含めて内容盛り沢山なので、2時間で数話分見たような気分になります。ただそのせいで山場が複数ある感じで、話のまとまりという点では外星人はもう少し絞った方がよかったかも。けど今作に関しては禍威獣や外星人をいっぱい見られた楽しさの方が話のまとまりを上回ってるところはあるので、そこはもう好き好きでよろしいんじゃないかと思います。
<ネタバレ>
と言ってもほどほどに努めさせていただきますね。外星人はザラブ星人とメフィラス星人。どちらも芝居上手で日本政府に巧みに取り入る。異星人そのままの姿で丁寧にコミュニケーションしてくるザラブもなかなかザワザワするが、人間の姿で交渉してくるメフィラスはその上を行く感があったなあ。ウルトラマンとメフィラスが人間の姿で飲み屋で(人類について)話してるのもじんわり来て、こういうシチェーション好き。しかしメフィラスがラスボスかと思ったら…?
ゾフィーが登場して、ゼットンが意外な形で登場。この辺は3話分が詰め込まれてる感もあるので、いっそ前後編の二部構成にした方がウルトラマンと禍特対のドラマももっと深く描けて(神永と浅見の関係も)、話の要点も絞れたような気がしますが、その辺は何が主題かによりますね。ドラマより禍威獣とウルトラマン・外星人が主題なら浅くてもサクサク進むのも悪くないです。
外宇宙の圧倒的な知識と科学力を見せつけられていったんは絶望した禍特対のメンバーが、ウルトラマンに頼るだけでなく自分たちの手でゼットンを倒す方法を見つけようと立ち上がるところはよかった。自分たちを救うのは神(ウルトラマン)ではなく自分たち自身なのだ、それって大切なことだと思います。やっぱり娯楽映画には希望を見せて欲しい。諦めなければ活路は見いだせると思いたいから。
最近のテレビのウルトラマンは見てないので、昭和のイメージで止まっていた私にはなかなか新鮮なウルトラマンでした。そして大人の目で見てもかっこいいと思えた。こういうリブートは嬉しいです。