10 クローバーフィールド・レーン

2016年
時間 103分
監督 ダン・トラクテンバーグ

車を運転していたミシェルは事故に遭い、気がついたら見知らぬ部屋に監禁されていた。だが部屋に入ってきた男ハワードは監禁ではなく助けたのだと言う。彼が言うには外の世界は何かに襲撃され有毒ガスで汚染されており出ることは出来ないと。疑うミシェルだが、閃光から逃げてきたと言う若い男性エメットもおり、半信半疑ながらもハワードの私設シェルターで3人の生活が始まるのだが…。

題名を聞いててっきり「クローバーフィールド」の続編もしくは関連作だと思って見たのですが、怪獣出て来ないし、何やら閉じられた空間でのサスペンスふう展開になってきて、んん?と思いつつも見続ける。

話はミシェル視点で進むので、ハワードの言ってることが本当かどうか分からない。確かに足の怪我を治療してくれてはいるけど、善意で助けたなら何故足が鎖で固定されていた? ミシェルが事故に遭う直前に見たのはハワードのトラックではないか? 世界が正体不明のものに攻撃され大気が汚染されて外へ出ると死ぬという話もミシェルには荒唐無稽過ぎて信じられない。しかしそれでは閃光から逃げてきたと言うエメットは?

真相を確かめたいミシェルは策を講じ、ハワードから家の外へ出る鍵を奪い取ります。気付いたハワードを突き倒し、外へ出ようとするのですが、ドアのガラス越しにミシェルの目に入ったものは…!

ミシェルが頭のいい女性で、小さな手がかりも見逃さずに疑問や謎に立ち向かって奮戦するのがいいですね。全編ミスリードに溢れているので、見る側も何が本当なのか惑わされます。そしてついにタイトルの意味も含めて明かされる真実とは!?

<ネタバレ>

今作には「クローバーフィールド」を見た人なら二重に引っかかるトリックが仕掛けられており、見事その罠にはまって楽しませてもらっちゃったのが私です(^^;。題名にクローバーフィールドが入ってる以上、あの映画と何らかの関連はあるはず…!と思って見ていたので、最初はハワードの言ってることは本当だと思う。怪獣が現れて暴れているので今頃ミシェルが住んでいた街は壊滅状態だろうし、その影響で大気が汚染もあり得ると思った。だからハワードの話を信じないミシェルがドアを開けようとした時「ハワードの話は本当なのよ、あの女の人は怪獣にやられたのよっ、ドア開けちゃ駄目ーッ!」と心の中で叫んでいた(笑。

さすがにミシェルもゾンビのような女の人が死ぬのを見て、外へ出るのを思い留まる。これでしばらく3人の穏やかな生活になるのですが、ハワードの娘の話が嘘だと気付いた時から話が反転。ハワードには女性を拉致監禁する性癖があることが分かり、ミシェルはやっぱりハワードの話は全部嘘で、自分は助けられたのではなく拉致監禁されていると確信する。これで私の頭からも怪獣が吹き飛び、話はすっかり監禁サスペンスものに。

ミシェルは万一に備えて防護服を作りエメットと脱出計画を立てるが、ハワードにバレてエメットが殺され、ハワードをかわして外へ出たミシェルは鳥が空を飛ぶのを見て汚染の話も嘘だったと確信する。ハワードのシェルターも危機に備えてではなく、女性を監禁するためのものだったのだろう。ところが…!

何か飛んでくるんですよ、人間の飛行機じゃないものが、それこそ明らかにエイリアンの乗物が。それが緑の毒ガスを吹く。汚染の話本当だった! そして監禁サスペンスに気を取られてすっかり忘れていた怪獣さんがシェルター爆発にひかれてご登場! あああっやっぱりクローバーフィールドだったじゃないですか! 最初に私が思ってた通りだったじゃないですかー! 怪獣さん出てくれてよかったと思う反面、中盤すっかり騙されてしまった構成はお見事だったと思うのでした。

ハワードの農場がクローバーフィールド・レーン10番地になってたのがタイトルの由来。Wikipediaで確認したところ、直接の続編ではないけれど同じ世界観の関連作ということだそうです。私はNYの怪獣事件は別の場所でもこんな形で起きていたのねと楽しませてもらいました。