スター・ウォーズ / スカイウォーカーの夜明け

2019年
時間 142分
監督 J・J・エイブラムス

クレイトの戦いから1年、レジスタンスは再び人員を集め惑星エイジャン・クロスに基地を築いていた。皇帝パルパティーンが復活したとの噂が広がり、ポーやフィンたちはファースト・オーダーのスパイからパルパティーンの情報を得る。修行に励んでいたレイはポーたちと合流し、パルパティーンがいると言われるエクセゴルを探す旅に出る。だがそこにはパルパティーンの罠が待っていた…?

「スカイウォーカーの夜明け(以下9)」見て来ました。壊れた「最後のジェダイ(以下8)」の後でどのように話を修復出来たのか出来なかったのかを確認するためだけに映画館へ行ったようなものですが、期待値を下げまくったおかげで思っていたよりは良かったかなという感じ。ただし8の後ではこうするしかなかったよな…な免罪符付きでの感想ですが。免罪符を取り払ってみたら突っ込みどころ満載で整合性もとれておらずとても褒められた出来ではないですが、よくここまで持ち直してくれたなということは言いたい。

パルパティーンの復活は正直、禁じ手だとは思います。これをやっちゃったら、6のルークとベイダー(アナキン)の努力が無駄だったことになってしまうので。しかし8でスノークを消されてしまったので、今さら新しいラスボスを登場させるには9では遅すぎるのは分かる。もう他にどうしようもなくなって、やむを得ず禁じ手だと承知の上で復活させたということかと。そのため後付け感が半端なく不自然この上ないですが、何とか続3部作の締めくくりは果たせたでしょう。

キャラが全員8とは別人に豹変していたのは笑う。8で脇役に成り下がっていたレイは主人公に復活し、ポーもフィンも唐突にしっかりキャラになり、8のポーたちは誰だったの?と言いたくなるレベル。ルークも師にふさわしいジェダイ・マスターになり、レイをちゃんと導く立場に。カイロ・レンもお子様からそれなりの敵役に。おかげで物語が能動的に進むようになり、レイとポーとフィンが3人で組む姿を見られたのはよかったな。

エクセゴルの場所を探すために色々な惑星を巡るのですが、その度に新キャラが出て来るのは覚えきれなくて困る。ただ、この新キャラたちにも意味があったことは終盤で分かるのですが。どの惑星も急ぎ足で通り過ぎてしまうので記憶に残りにくいのが残念。この9を7の続きの8と9に分ければちょうどよかったのでは?と思うような詰め込み具合でした。

今作で感心したのは、8を見なくても「フォースの覚醒(以下7)」の続きとして9を見てもおかしくないように作ってあること。8を無視しているわけではないが(さすがにルークの死は取り消せない)、8でファンが嫌だと思ったことは可能な限り取り除き、ファンが見たかったものに修正した感じ。修正しきれない所は新設定でカバー。8は番外編と位置付けて、このシリーズは7→9の二部作と思った方がまだ精神衛生上よいかも。

<ネタバレ>
8でレイの出自は何者でもないとされたが、9で実はパルパティーンの孫でした!とひっくり返されました。でもこれはいい落とし所だと思いました。これだとパルパティーンの孫とベイダーの孫の双璧の物語になる。何者でもない者ではオチにもなれない。残念なのは、これなら7の最初からこの構想で物語を組み立てて欲しかったこと。この構想で3部作全体に渡る入念な構成・作り込みを行えばかなり面白いものになっただろうし、8も全然違う物語として組めただろう。ラスボスも最初から筋を通して組めるから無理にパルパティーンを蘇らす必要もなくなるし、9の完成度も比較にならないほど上がっただろう。

9まで見れば分かるのですが、この3部作には全体を通す筋が何もなく、それぞれの監督が行き当たりばったりで中学生のリレー小説みたいな作り方になっていたのですね。これじゃ駄目です。十分な予算の取れる大作、ましてやスター・ウォーズでやることじゃない。おかげでシリーズものとしては破綻してしまい、9は8の尻拭いに終始することに。こうなったのは監督ではなく上の方の責任だろうから、責任者にはスター・ウォーズを壊してしまった自覚を持ち猛省して欲しい。

<8の歪みで生じた?突っ込みどころとか>

  • レイアがいつの間にかジェダイ・マスターになってレイにフォースの修行をつけてた(笑。後付けだろうけど、レイアもルークに修行してもらったことになってました。
  • ルークはエクセゴルへの道を示すウェイファインダーをランドと一緒に探していたことになってた。
  • ルークもレイアもレイがパルパティーンの孫だと最初から知ってたらしい。えっ!?
  • フォースの何でもありはもう突っ込む気も起きない。8の後遺症ってことで。
  • レイとローズ、結局最後まで交わらなかったね…。
  • 箒少年とカント・バイトの一件も話と無関係だったことに。本当に無意味だった。

終盤の展開はほぼ6の焼き直しでしたが、劣勢のレジスタンスに多くの人々がはせ参じた伏線がゾーリやジャナらの新キャラたちでした。新キャラたちはそれぞれの惑星でファースト・オーダーの圧政に苦しむ一般市民・民衆の気持ちを代弁する役割を担っていた。新キャラたちの仲間、そこからつながり広がっていった民衆たちをランドが率いて駆けつけたという次第。レンがベンに戻る時、父の記憶という形でだけどハン・ソロが出てきたのにはびっくり。

結末は一応レイの物語としての決着にはなっていたと思います。生まれに関係なくジェダイになるかシスになるかは自分次第というメッセージにもなっていたしね。ただ、9は頑張ってまとめてはきたけどそれも禁じ手に頼ってのことだし、3部作としては明らかに失敗しているこの3作を6の続きと言えるかは微妙。スター・ウォーズなら物語と世界観に最低限のレベルは保ってくれないと。やっぱり私にとってのスター・ウォーズは1~6で完結済みと再確認しました。7以降は別物と割り切って見させていただくことにします。

最後に一言。レイアのシーンが思いの他多かったのは嬉しかった。
ありがとう。キャリー・フィッシャー。