スター・ウォーズ エピソード2 クローンの攻撃
年 | 2002年 |
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時間 | 143分 |
監督 | ジョージ・ルーカス |
あれから10年、アナキンはオビ=ワンのパダワンとなって青年に成長していた。アミダラ女王(パドメ)は任期を終え、元老院議員に。共和党が軍隊を持つ是非を問う投票のためにコルサントを訪れたパドメは何者かに襲われ、オビ=ワンとアナキンの警護を受ける。10年ぶりに再開したアナキンとパドメは互いを意識し合う。暗殺者を追ったオビ=ワンは黒幕に辿り着くが危機に陥る。共和国、ジェダイ、分離主義者、通商連合、裏で糸を引くシスの暗黒卿、それらにアナキンとパドメの恋が絡み、物語は激動の歴史の渦に巻き込まれていく──。
背景は複雑ですが、お話そのものはアナキンとオビ=ワンの冒険アクションを中心に進んでいくので、空中チェイスもクリーチャーとの戦いもライトセーバー戦も多人数の大規模な戦闘も存分に楽しめます。雨の惑星カミーノ、ジオノーシス等見どころもいっぱい。ロマンス好きな方にはアナキンとパドメの恋が用意されてますのでご心配なく。難しいことは考えずに単純に冒険を楽しむだけでもいいのですが、共和国やその背景にまで目を向けると更に話が深まって面白いです。
<ネタバレ>
エピ2は1と3をつなぐ話なので、その間の共和国の情勢と推移、アナキンとパドメの恋の行方など、エピ3に入るまでに必要な情報が詰め込まれた回です。パドメが襲われたのは軍反対派だからですが、なぜ反対されると困るのか。暗殺者を追うオビ=ワンの前にジェダイも知らなかった事実が姿を現す。シスの手が想像以上に伸びてきていることを知ったジェダイと元老院は軍を持つことを容認してしまう。だがそれこそがシスの立てた計略そのものだった。1で元老院への権力を手に入れたシスは今作で軍隊を手に入れる。共和国もジェダイもヨーダさえもシスの手のひらの上で踊らされていたのだ。シス、恐るべし。いや、ヨーダも本当は気付いていたのか。元老院最高議長の前に広がるクローン兵。そこで地を這うように響いてくるダース・ベイダーのテーマ。ぞくっとくるラストでした。
共和国がクローン兵を持つまでが2の横軸ならば、アナキンとパドメの恋がこの話の縦軸になります。若い2人がナブーの美しい湖水地方で交流を育む姿は微笑ましい。若さ故の恋の激情に苦しむアナキン、年上の理性で抑えようとするパドメ、でも運命には逆らえませんて。5のレイアとハン・ソロ同様、危機に陥って死を覚悟した時に愛を告白し合う2人。ジェダイと議員、禁じられた愛を貫く決心をした2人は湖水地方で2人だけの結婚式を挙げます。この先に待つ運命も知らずに──。
アナキンの中に潜む危うさも少しずつ描かれてます。母を助けられなかった時の怒りと悲しみ。チラリとだけど、独裁者を望むような思考を口走ったり。それでもこの時期はアナキンにとってジェダイとして一番幸せだった頃なのも確か。それを思うと切なくなります。
余談。
エピ4でオビ=ワンと話すルークが「クローン戦争?」と問いかける場面がありますよね。当時の字幕では「前の戦争?」と訳されていたので、長らく気付かなかったのですが、4制作時点で実はクローン戦争の構想は出来てたのだと思うと(まだそこまで詳細な内容でなかったとしても)驚きます。そーだったのか…。