レプリカズ

2019年
時間 107分
監督 ジェフリー・ナックマノフ

ウィリアムは人間の神経情報を人工頭脳に移植する実験をしていたが、なかなか上手くいかない。休日に家族と旅行に出かけたウィリアムは自動事故を起こし家族全員を失ってしまう。だが家族を取り戻したい一心でウィリアムは禁断のクローンに手を出す。クローンで体を再生した妻や子どもたちの脳に神系情報をマッピングして死んだ家族を蘇らそうとするのだが…?

映画館で見損ねたのでBDが出るのを待ってレンタルで鑑賞。私の好きなジャンルなので、もう存分に楽しませてもらいました。今作では死後数時間なら神経情報をコピーできるという設定のようで、実験に同意した検体が来る度に死亡者から生前の意識を複製して人工脳にマッピングする実験をやってます。これが成功したら死んでも複製して生きられるよ!てことになるのだけど、そう上手くは行かず失敗続きなのです。研究にはお金がかかるので、次を失敗したら研究打ち切りかも…という状況で事故発生。

ここでいわゆる研究者の暴走みたいなことになって、ウィリアムは自分の研究を使うことで家族を蘇らせられないかと画策。研究仲間のエドを巻き込んで、まずはクローンで体を作り、そのままでは脳は真っ白なままだから、そこに遺体から取った神経情報を入れて事故直前の家族を再生しようと奮闘。ここで意識のマッピングが成功するかどうかを「分水界意識」という表現を使ってたのが面白かったですね。

しかし人間の複製が成功するかどうか以前の段階でもやっぱり問題がいっぱい出て来るわけですよ。クローン体だって1日で出来るわけじゃないから、何日も妻が出勤しなかったり子どもたちが学校行かなかったら怪しまれるんじゃないのと心配したら案の定、先生は訪ねてくるわ、スマホには妻や子たちの未読メールやSNSが溜まるわで、今は秘密裏に進めるには難しい世の中ですね。

こういうことはもし上手く行っても何らかの形で破綻が来るのでは…と予想しちゃうのですが、ウィリアムの場合はどうだったのか。人間を複製することへの倫理観とか問題とかも考えながら結果を見届けました。

<ネタバレ>

ウィリアムが直面した最初の難題は、亡くした家族は妻と娘2人息子1人の計4人なのにクローン容器が3個しかなかったこと。つまり誰か1人再生出来ないということです。苦渋のくじでその1人を選び、更に家族の神経情報から再生できなかった下の娘の記憶を消すことまでやる。もう狂ってるとしか言えない状態ですが、それでも家族を取り戻したかったのね。

意識のマッピングは本人の体なら大丈夫だった!ということで無事成功、そのことからウィリアムは人工脳への意識マッピングにも活路を見出す。しかし研究所からクローン容器を盗み出して使うなんてことがバレないままでいるはずがなく、家族たちもクローンだと分かってしまい、ウィリアムたちは危機に。だがウィリアムは自分自身を人工脳にマッピングすることで危機脱出、研究を奪おうとした上司ジョーンズを逆にクローン化して仲間に引き入れる。研究組織を掌握したコピーウィリアム(体はロボット)はクローンジョーンズと組んで金持ち相手に意識コピー商売を開始、オリジナルウィリアムは下の娘も再生してめでたし、めでたし。え!?

思いっきりハッピーエンドを持ってきましたねえ(^^;。でもこれ「順列都市」と同じで、オリジナルが生き返るわけではないのです。再生したのはあくまでも複製なのであって、オリジナルの本人ではない。しかし複製と言っても人間なのは間違いないし、記憶も意識もオリジナルと変わらないのだから、周りから見れば生き返ったと同じ。でもウィリアムには死んだオリジナルの家族のことも忘れないで欲しいと思うのです。彼らをちゃんと弔ってあげて欲しい。これからでもいいから。家族を死なせた事実を背負いながら新たに生み出してしまったクローン家族へも責任を取る。それが道だと思う。そこが倫理の問題でしょうね。

気になるのがコピーウィリアムの今後。オリジナルのジョーンズはウィリアムの研究を兵器利用するつもりだった。それを医療利用に変えたのはいいことのように思えるけど、何やら不安もかき立てられる結末です。良い方向に使おうね、ね…?

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