ミミック

1997年
時間 106分
監督 ギレルモ・デル・トロ

ニューヨークでゴキブリが介在するストリックラー病が蔓延。昆虫学者のスーザンは遺伝子操作でゴキブリの天敵となる昆虫「ユダの血統」を作り、ゴキブリを駆除して病気を一掃させた。「ユダの血統」は繁殖能力がなく死滅していたはずだったが、3年後に「ユダの血統」と同じ体液を持つ幼虫が発見される。牧師や子どもたちが何者かに襲われ、幼虫が見つかった地下鉄の廃線を調べるスーザンたちの前に姿を現したものは──?

のっけから脅かすわけじゃないですが、虫が苦手な方はご注意。人間大の虫が襲ってきます。アリとカマキリから作られた昆虫なのでゴキブリではありませんが、黒茶色でヌラ艶してるところはゴキブリっぽい。これはやっぱり昆虫と言うよりは"虫"のイメージですよねぇ。

一応、設定はSF。遺伝子操作で新種の昆虫を作るが、それが開発者の思惑を超えて進化した。わずか3年で無かったはずの繁殖能力を身に着け、ゴキブリ大から人間大に大きくなり、人間を捕食し、人間に擬態するまでになった。科学への過信と遺伝子操作がもたらす未知の可能性への警鐘──と行きたいところですが、今作のメインはそこではなくて、「人間大のヌラ艶したGっぽいモノに襲われる恐怖」の方であります。お化けも怪物も怪獣も血みどろも平気だけどGだけは生理的に嫌ーー!という方もいるのでは。この「生理的な嫌さ」が効いて、独特の怖さ(嫌さ?)がありますです。

ということで、エイリアンをGもどきに置き換えただけみたいとか、どっかで見たようなネバネバ卵とか、主人公勢の強運ご都合よすぎとか、細かいところは気にせずにヌラ艶に襲われる恐怖を楽しみましょう~本能に訴えてくる生理的な恐怖をを~。

<ネタバレ>
昆虫が人間に擬態するという発想は新鮮。黒茶色いやつらは人間の顔みたいな前足と折り畳んだ羽がマントのようになって、暗がりで見るとマントを羽織った男が佇んでるように見えるんですね。地下の廃線で繁殖し、時々外へ出て来て人間を襲っていたけど、擬態してるので見つかりにくかった。子どもが見つけた幼虫がきっかけでスーザンも気付く。ユダ開発が縁で一緒になったピーターと調べ始めるのですが、舞台が地下の廃線(昔の地下鉄跡)なので、迷路状の暗がりの廃墟での恐怖パニックになっていきます。しかしそこは昆虫学者、逃げ込んだ廃電車の中に入ってきたG…じゃないユダから臭腺を取り出して体になすりつけて仲間と思わせる作戦はなるほどと面白かった。

ところでチューイ少年が助かったのは、スプーンでユダたちが発しているのと似た擬音を出せたからかな。それも彼らの仲間と思わせられる方法の1つだったのかも。彼は殺された牧師の教会の向かいに住んでて、擬態したユダを何度か目撃しており、ユダが出す音を真似ていました。ただ、これで助かったのはチューイだけで、これも他の人間が助かるのに役だっていたらもっと面白かったのになと思いました。

カテゴリとしてはホラー系だと思うのですが、SFとしても面白い設定だと思います。昆虫は無脊椎動物の進化の頂点に位置する生物であり、適応能力がとても高い。昆虫はもっと注目されていいと思う。科学的に見たらどうよという所はあるけど、それでも昆虫に焦点を当てたSFをもっと見たい人には嬉しい作品。出来れば「怖い」じゃなくて、昆虫の美しさや魅力を多く見せる方向へ力を入れてくれる作品だとなお嬉しいですが、昆虫苦手な人にはそれでも難しいかなあ;。

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Author:TAEKO
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