マトリックス リローデッド

マトリックス リローデッド BD

2003年
時間 138分
監督 ラリー・ウォシャウスキー
アンディ・ウォシャウスキー

コンピューター(AI)が人間の町ザイオンに25万体のセンチネルを送った。センチネルが到達するまで猶予はあと72時間。マトリックスに入ったネオは予言者からキー・メーカーを探せと告げられる。ネオはモーフィアス、トリニティーと共にメロビンジアンに捕らえられているキー・メーカーを救出に行くが、ザ・ツインズが強力な敵となって彼らの前に立ちはだかる。エージェント・スミスも加わり、ネオの戦いはますます激しさを増す。その行き着く先は──。

マトリックス3部作2作目。今作は3作目(レボリューションズ)と合わせて1つの物語になる構成なので、見るなら「リローデッド」「レボリューションズ」を続けて見るのがお勧めです。なお話は1作目からの続きなので、今作を見る前に1作目も見ておくこと。単体でいきなり「リローデッド」だけ見たら意味不明になりますのでご注意を。

コンピューターとの戦いも最終局面に入ったようです。コンピューター側は本格的にザイオンを潰す気で大量のセンチネルを投入。どう考えても勝てそうにありません。だがモーフィアスは信じる。我々には救世主ネオがいる! 予言の通りなら必ず勝てる! タイムリミットの72時間後、それこそが人類が機械に勝利し戦争が終わる時なのだっ!と。果たして勝つのは人類かコンピューターか!?

今作で初めてザイオンの全貌が明らかに。おおっこんなに人間いたんかー。でも青空は拝めないし、いかにも地下ゲリラって感じですね。ネオとトリニティーもすっかりいいい関係に。ネオももう何回もザイオンとネブカドネザル号を行き来していることが会話から分かります。ザイオンのホバークラフトシップはネブカドネザル号だけじゃないのね。船どうしが会合する時はマトリックスを使ってるようです。これも一種のリモート会議だな。

動きの方は1作目ほどの衝撃はなかったものの(ワイヤーアクションに目が慣れてしまって)、アクションはさすがで迫力あって楽しめます。100人スミスには笑った。いや、凄い。ネオもすっかりスーパーマンですねえ。バビューンと空飛ぶ時の気持ちよさ~。高速バトルではザ・ツインズとスミスまで絡み、壮絶なキー・メーカー争奪戦に。今作で明かされる真実というのもありますが、アクションだけでも十分に堪能できるので、分からないところがあっても気にせず楽しむが吉。

<ネタバレ>

ネオは不安な夢を見ていた。トリニティーが銃撃を受ける夢を。後でそれは未来視だったと分かるのですが、この時からラストへの予兆は出ていたのだな。ザイオンのモーフィアスの演説後の祭りシーンがちょっと長過ぎに感じたけど、それもネオのトリニティーへの愛の深さを表していたのかもしれない。今作ではタンクが出てこないのは残念。前作のラストでは元気そうだったのに、実は傷は深かったのだろうか…。代わりにリンクがネブカドネザルの要員になってます。

マトリックスにはシステムから逃れたプログラムたちも混じっているようで、彼らはエグザイルと呼ばれてます。マトリックス最古の危険なプログラム・メロビンジアンはエグザイルを収集していてキー・メーカーも彼に捕まっていた。しかしメロビンジアンの妻パーセフォニーが夫を裏切る理由が女遊びってさー、プログラムでも男と女の関係は大変なんですね!?(笑。

ザ・ツインズも強敵だったけど、スミスも変な方向にバージョンアップしたような妙な具合になってきてる。ネオに破壊された後、プログラムとしては削除される予定だったらしいが、逃げ出してエグザイルになった。もうエージェント・スミスではない、システムからも独立した"スミス"だ。彼は自分のコピーを作れるようになり、どんどん仲間を増やす。そして100人スミス(笑。それどころか侵入中のザイオンの人間を乗っ取り、スミスの1人が現実世界の人間の肉体に入っちゃいました。スミス、初めて本物の肉体を手にした時、どんな気持ちだったのだろう? 自分の手を引っ掻いて血が出るの実感してましたね…。

ところでスミスもメロビンジアンも予言者も言ってましたが、「理由」が今作のキーワードのようです。ネオが存在する理由、救世主になった理由、ザイオンを救うためにはそれを知らなければ──。だがアーキテクト(設計者)の部屋へ辿り着いたネオが彼から告げられたのは驚愕の真実だった。確かにネオは救世主だった。ただし人類のためではなく機械のための。ネオはマトリックスのシステムをリローデッド(再構築・やり直し)するための鍵だったのだ。しかもネオはこれまでにも5人現れており、今作のネオは6人目。システムが不安定になるとネオが生まれ、再構築をかけるという流れ。それを5回繰り返してきたと。

再構築をかけないとマトリックスは壊れ、マトリックスに繋がれている人々も死滅する。ここでまたネオは選択を迫られる。再構築か人類滅亡か。どちらにしろ"今"のザイオンは助からない。これまでの5人のネオには選択の余地はなかった。人類全体を滅ぼすわけにはいかなかったから。ネオが選択するシーンの白い背景は、「2001年宇宙への旅」を彷彿とさせるところもあり、SF的な、実にSF的な展開で好み。だがここでネオの夢が正夢になる。ネオが選んだのはトリニティーだった。この選択がもたらす結果は待て、次作!なのですが、これでネオが救世主になった「理由」も意味が違ってくる可能性が出て来たのではないでしょうか。

そしてスミス…(汗、あなたの問題も残ってたわね。ザイオンに向かうセンチネルの大群もタイムリミットが迫ってるし!

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