SHINOBI
年 | 2005年 |
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時間 | 101分 |
監督 | 下山天 |
時は江戸に幕府がしかれ、戦乱の世も治まった頃。駿府に退いた徳川家康は三代将軍を決める際、その運命を伊賀・甲賀の2つの忍者の里にゆだねた。そのため、密かに愛し合っていた伊賀の朧と甲賀の弦之介は互いに戦わねばならない運命に陥る――。
山田風太郎の「甲賀忍法帖」が原作らしいと聞いて、一度見てみたかった作品。甲賀忍法帖を読んだのは子どもの頃で、あまりの面白さにすっかり虜になってしまい、これまでにも何回も繰り返し読み続けてきた今も大好きな作品です。
で。あの胸ワクワクする忍者たちの超戦いぶりが今のSFXで見られる!?と期待してたのですが、その辺は…うーんん、やっぱり物足りなかったですね…原作に惚れこんでいる者としては。まず、エントリー忍者が原作では10人vs10人なのに、映画では5人vs5人と半分に減ってるのが物足りない。メンバー一覧です。
伊賀 鍔隠れ
朧、薬師寺天膳、夜叉丸、蛍火、蓑念鬼
甲賀 卍谷
甲賀弦之介、室賀豹馬、如月左衛門、陽炎、筑摩小四郎・・・
…待て。筑摩小四郎…!?って確か原作では伊賀側(しかも薬師寺天膳直下の部下…!)ではなかったっけ!? どうりでおかしいと思った。私、ずっと筑摩小四郎を風待将監だと勘違いして見ました…! だって原作で駿府城で家康の前で戦って見せたのは風待将監と夜叉丸でしょう!? 変だな~いつになったらクモ人間・風待将監の必殺技「人間クモの巣」が出るんだ~と思ってたら映画では人物設定が違ってましたのね(汗。で、風待将監は何処に!? あううう、映画では5人のエントリーメンバーから外されていたようです。。。 密かにお気に入りだった美少年・夜叉丸が青白~い青年になっていたのはもう言うまい…。
忍者たちの技はそれなりに原作に沿ってはいるんですが、これも微妙に違う。如月左衛門の移動技には思わずプレデターか!?と思いましたが、弦之介の瞳術がどう見ても加速装置(fromサイボーグ009)だったのは私の気のせいですかそうですか。朧の壊幻の瞳もアレでは北斗神拳ですじゃ…。映画版筑摩小四郎様には「うわらば」と言っていただかないと。
映像化が難しいと思われた地虫十兵衛がいなかったのは、やっぱり今の日本の技術ではそこまでの再現は無理だったのかなと思いました(地虫十兵衛の恐怖の蛇腹移動&必殺技、見たかったですう)。でも原作を知らない人にはこれでもけっこう楽しめるんじゃないでしょうか。原作を頭から取り払って見れば、なかなか頑張ってるんじゃないかなとは思ったので。
物語には原作にない設定が追加されているので、結末が原作と違っています。ただ、史実に沿うなら合っているとも言えるので、これはこれでまあいいかと。風景描写はきれいだったです。