復活の日

1980年
時間 156分
監督 深作欣二

新型ウイルスが世界を覆い、南極にいる観測隊を残して人類は滅亡。残された人々はこの難局にどう立ち向かうのか。各国の観測隊が集まり人類の再起を賭けるが、冷戦の遺産が生き残った人々に新たな驚異となって立ちはだかるのだった。果たして人類は復活できるのか。

ムービープラスで流していたので鑑賞。小松左京のSF小説が原作ですが、タイトルは知っていても本も映画もまだ見たことがなかったので、この機会に録画してみました。新型コロナ騒動のまっ最中に見たため、現実とオーバーラップするところもあって、怖かった…! 今作で出てくるウイルスは密かに開発された生物兵器だったのですが、まずイタリアで騒ぎになり、「イタリアかぜ」と呼ばれるなんて、予言の書か!と思いましたよー。

細菌研究所から漏れ出たウイルスは強毒性で、ウイルスの正体もよく分からず治療法もワクチンもないまま世界は大混乱。もうそのまんまですね…。肺炎起こすところも似ててリアル。感染経路はよく分かりませんが(作中でも明らかにされてないけど空気感染?)、人類の愚かさを描くのが目的だと思われるので、禁止されても生物兵器作っちゃうバカ、それを争奪するバカ、隠蔽しようとするバカ、軍力に固執するバカ、そいつらのバカッぷりが伝われば細かいところはいいのだろうと。

邦画だけど俳優も舞台も世界スケールですごい大作。主人公は日本人ですが、物語は世界視野で進むので洋画見てるのとあまり変わらない感覚。アメリカ、ソ連(冷戦時代なのでまだロシアではない)が重要な役回りをするところも。なお今作においては冷戦時代の終盤という時代背景もポイントの1つかなと思います。

感染の広がっていく描写は身に迫る。吉住の別れた恋人を通して描かれる日本の惨状も医療崩壊がリアル。そしてついに日本と連絡が取れなくなる…。南極の観測隊は結集し、各国の代表が南極会議を開いてこれからを検討。しかし残された人々で人類再生をするには問題もいろいろあり、さらに大きな危険が彼らに迫ろうとしていた…。

<ネタバレ>

問題の生物兵器MM-88はアメリカ軍が密かに開発したもので大統領も知らなかった。しかも強毒過ぎてワクチンがない。持ち出した博士も危険を感じたからこそなのだが、そこへつけいろうとするバカがどうしても出て来る。バカに奪われたウイルスはやっぱりて感じで落ちてカプセル壊れて世界中に広まってしまう。イタリアかぜと呼ばれた謎の病気は細菌かウイルかも分からない状態で、効かないワクチンを打って誤魔化してもそりゃ感染は止まらないよね。無線機で訴える子どもが哀しすぎでした。感染者のいる潜水艦を上陸拒否する下りも辛い話だった。

MM-88はマイナス10度以上で増殖するウイルス。南極は極寒なのでウイルスがくるのを免れたわけです。南極では残された者で仮の政府が作られ、人類再生が行われるが、新たな危機が発覚。地震予知研究者だった吉住はワシントンD.C.の近くで巨大地震を予知。問題は軍力固執のバカが死ぬ前に核攻撃に自動反応する迎撃システムARSを勝手に発動させていたこと。そのため地震が核攻撃と誤認されシステムが動作する恐れが生じた。南極基地も攻撃目標の1つになっているので、もし地震が起こったら人類に残された最後の聖地が破壊されてしまう。

吉住はカーター少佐と共にARSの停止作戦に志願し、ワシントンへ。ここでエンタメ作品なら主人公らの活躍で無事ARSは阻止できました!めでたし、めでたし!になるのですが、そうはならないところが今作の容赦ないところ。人間の愚かさをとことん見せつけてくれます。あんなバカにはなりたくないと思うけど、現実のウイルス騒動でそういうバカは本当にいる、それもたくさんいることがよく分かり、改めて身につまされる作品だと思いました。

ラトゥール博士がワクチン開発に成功したり、ラストで吉住がマリトたちと再開できたのは、救いのない話の中でせめてもの光と受け止めました。こんな未来にならないようにしたいものです。

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