妖怪大戦争(2005年)

2005年
時間 124分
監督 三池崇史

両親の離婚で母に引き取られたタダシは母の実家・鳥取の田舎で暮らしていた。夏祭りで地元に伝わる「麒麟送子」に選ばれたタダシは祖父の声に導かれて天狗山に「聖剣」を取りに行き、妖怪たちと出会う。人間への怨念を燃やす魔人・加藤保憲の悪の企みを知ったタダシは、「麒麟送子」として加藤保憲を倒すために妖怪たちと一緒に戦うことになる。

子供の頃見た「妖怪大戦争」のリメイク版と聞いて、いつか見てみたいなと思っていた作品。日本映画専門チャンネルが流してくれたので録画して見てみましたが、うーん、これは…大人が見るにはちょっと(いや、かなり)くだらなさを感じるような…。作品の出来よりも話題性を重視したような作りで、話題性が旬を過ぎてしまったら何が狙いなのかよく分からなくなる、みたいな。思い出補正がないと苦しいかもです。

まず主人公が神木隆之介なので、当時話題だった子役を使ったというところに価値を置いている。敵役が加藤保憲という名前の人物なのですが、歴史上の人物(由井正雪みたいな)かと思ったら、角川書店から出た「帝都物語」の登場人物なんだそうな。角川映画なので自社の他作品のキャラを出したということですか。でも「帝都物語」を知らないと、誰それ知らんがなになってしまう(私も知らなかったので後でウィキペディアを見てハア?となりました)。他にも水木しげるが出ていたり鬼太郎とゴッチャになる描写があったり、有名人が何人も妖怪に扮しているので、それが鑑賞目的になってるようなところもあり、純粋に話を楽しみたい向きには物足りないところが多い。ここはやっぱり有名人や話題性に頼らずとも見られる作品作りをして欲しかったです。

なお1968年作品のリメイクと言っても、共通事項はタイトルと妖怪が出てくるところだけで、内容は別物になってます。舞台も現代だし、敵もダイモンじゃないし、1968年作品を2005年の技術で見られるというわけではないです。ただCGは頑張っていたところはあったと思う。メカロボット?みたいなのは面白かった。動きがギクシャクしていたのも造形には合っていていい味になっていました。

余談:鳥取の水木しげるロードが出てきます。ちょうど2005年に水木しげるロードへ遊びに行ったことがあるので、あまりにも映画の画面が記憶とマッチし過ぎて、映画なのに観光名所押しのご当地ドラマを見てるような錯覚に陥りかけました(^^;。

<ネタバレ>

単純なストーリーだけど、タダシとスネコスリのドラマを入れたりしてジュブナイル的な少年成長物語も入れ込んでいたもよう。ただ、主人公が大人へのステップを自覚する「白い嘘」がスネコスリのドラマと絡んでいないのが惜しい。加藤保憲と川姫の間にも何かドラマがあったようだけど、掘り下げが足りないのはちょっともったいない。

妖怪はあまりに多すぎて見応えあるを通り過ぎて、私にはキャパ超え状態でした。もはや誰がどの役かなんて探す気にもなれん…。水木しげるの妖怪大翁って最後に顔だけ出した人ですかね? タダシたちがカラスで移動するところは鬼太郎の世界観まんまで、面白いというよりは違和感の方が大きかった。観客が知ってるのを出せばウケるだろう的なものを感じてしまい、そんなことをするよりは今作独自のオリジナルな世界観を見せて欲しかったです。

ラストのオチ、溶鉱炉の中に小豆洗いの小豆(愛と平和を表す)が紛れ込んで加藤保憲(悪)を消しちゃうアイデアは面白い。こういう冗談のような決着の付け方は良いのですが、これもタダシは直接関与してないところで偶然起きちゃったことなので、せっかくのアイデアをカタルシスにまで持っていけてない気がします。人間が物を捨てることへの批判もどこかへ行ってしまったし、お金のかけ方が色々と惜しい作品ではありました。