クラッシャージョウ 氷結監獄の罠 | 最終兵器アッシュ
氷結監獄の罠 | 最終兵器アッシュ | |
---|---|---|
年 | 1989年2月 | 1989年6月 |
時間 | 60分 | 60分 |
監督 | 滝沢敏文 |
クラッシャージョウ劇場版のDVD・BDに同梱されていたOVAです。映画ディスクを買ったおかげでOVAまで見られちゃいました。映画を見た後、もっとクラッシャーの活躍を見たいなーと思うところへちょうどいい流れ。
こちらはキャラデザは安彦良和ではありますが、作画監督は別の人で安彦良和は作画にはタッチしていません。そのためか映画とは微妙に絵の雰囲気が違う。ジョウの髪型に80年代調がより濃く出てしまっていて(ヤマトかと思ったわ…)、19才設定なのに19才に見えずおっさんくさい;。脚本はOVA制作側が手がけたオリジナルですが、原作者の高千穂遙もチェックは行ったようです。
氷結監獄の罠
惑星オーロラの衛星軌道上にある囚人施設の小惑星デブリに事故が発生。このままではデブリがオーロラに落下し、オーロラの住人にもデブリの囚人にも甚大な被害が及ぶ。デブリ落下阻止の依頼を受けたジョウのクラッシャーチームは休暇返上で急行、さっそく作業に入るが、その裏にはオーロラのキリウス人民共和国の陰謀があった…?
惑星オーロラのキリウス人民共和国は独裁者ゲルスタン総帥への不満を訴えるデモが絶えない。デブリの囚人は主に政治犯で、デモで逮捕された反政府派が収監されている。総帥にとっては邪魔な存在のはずの思想犯を救助したいという依頼にさっそくタロスが裏があるのではと疑うが、ともかくも依頼された仕事を遂行することにしたジョウ。
さすがに動きは映画ほどではないですが、BDの画はきれいです。アルフィンにアニメ版ダーティペアっぽい作風を感じたら、作画陣に土器手司の名があり、ああなるほどと。今作はクラッシャーが普段請け負う仕事とはどんなものかを見せ、観客にクラッシャーの仕事の基本を伝える役目も担っているようです。「クラッシャージョウ」のロゴが時々挿入されて話を遮るのがちょっと邪魔。OVAだしCMが入るわけじゃないのに、あのロゴ入れる必要あるの?
<ネタバレ>
やっぱりキリウスは表向きには政治犯も救助するという美談を見せて世論を操作するのが目的で、その裏で事故に見せかけてデブリを破壊しそれをクラッシャーがミスしたせいにするつもりだったらしい。でも今作のポイントはそこではなくて(冒頭から察しがつくことだし)、小惑星をどうやって落下軌道から変更するか(その作戦はキリウスに邪魔されるが、なるほどそーやるのかーと言うのは見せてくれる)、氷の塊を利用して生存者を救い出す脱出作戦など、ハードな部分のアイデアと面白さにあると思います。
映画で描き切れなかった「クラッシャーの仕事」部分を補完してくれる面もあるので、ジョウのおっさんぽさ(笑)は気にせず楽しめばいいんじゃないかと。
最終兵器アッシュ
長期間カルミナス公国と戦争を続けてきたバンドーレ共和国はエルガーノ大統領の尽力で停戦を結んだ。だが抗戦派の軍人が最終兵器アッシュを狙って反乱を起こす。ジョウたちは大統領から密かに依頼を受けてアッシュの処分とタニア少佐(アッシュを操作できるただ1人の人物)救出のため惑星ダビドフに向かう。だがそこには対人兵器クローカーが大量増殖していた。ジョウたちは反乱部隊とクローカーの攻撃をかわし大統領の依頼を遂行出来るのか──。
タニア少佐は大統領命でアッシュを破棄しようとしていたが、タニア少佐の乗る巡洋艦で反乱が起き、巡洋艦は惑星ダビドフに不時着したという前提。ダビドフに向かったのはジョウたちだけではなく、バンドーレ宇宙軍のマルドー大佐も部隊を率いてダビドフに着陸、アッシュを奪還に向かう。ということで、ジョウとマルドー大佐、どちらが先にタニアとアッシュに辿り着けるかー!になるのですが、彼らの行動をややこしくしてくれるのがクローカーの存在。
ダンゴムシみたいなクローカーがうっじゃうっじゃ大量に湧いて出ます。こいつらはバンドーレが極秘開発してた対人兵器ですが、開発が終わった後も自己進化して増殖してました。クローカーはジョウもマルドーも区別しない。アッシュといい、クローカーといい、大量破壊兵器を持つと「使うのやーめた」になった後も騒動を起こしてくれて後始末が大変なようで…。
<ネタバレ>
冒頭で大統領がジョウに依頼をする下りがスパイものみたいで面白い。大統領の合い言葉も面白かったですね。タニアはそれでジョウを味方と知り、合い言葉を知らなかったマルドー大佐を抗戦派と見破る。大佐の敗因は部下を使い捨てにしたことであろう。だからああいう形で反撃されるのよー。ところでアッシュって発動したらアッシュ自身も破壊されるの?
どこから出てくるか分からないクローカーは、エイリアンかゾンビかラプトルか!みたいなノリで襲ってくるので、そういう系のアクションも狙いの1つだったようす。アッシュ発動のおかげでクローカーも惑星ダビドフもろとも一掃されたようですが、ダンゴムシみたいな形態は愛嬌あった。遭遇したくはないですが。
特に捻りやどんでん返しのないシンプルな話なので、アクション主体に楽しむのが吉のようです。今作では「クラッシャージョウ」のロゴは出て来なかったので、話に集中して見ることが出来ました。やっぱりあのロゴ邪魔!と文句言う人がいたのかしら…。