ロボコップ THE FUTURE OF LAW ENFORCEMENT(ニューバトル/新たなる挑戦)

ロボコップ THE FUTURE OF LAW ENFORCEMENT DVD

1994年
時間 90分
監督 ポール・リンチ

公営企業になったオムニ社は都市の機能を管理する高性能コンピューター「ニューロブレイン」を開発。その頃ホームレスが何人も失踪する謎の事件も頻発していた。失踪したホームレスの死体から犯人の手がかりを掴むロボコップだが、その裏にはニューロブレインに絡む陰謀が渦巻いていた。犯人逮捕に乗り出すロボコップと真犯人との攻防が続き、危機に陥いるロボコップだが──。

昔テレビで見たことがあり、もう一度見たいと探し回ってやっとDVDで再会できた作品。映画3作には該当する作品がないし、探して探して、実はテレビシリーズのために作られたパイロット版だと言うことが分かりました。自分の記憶では「ニューバトル」の副題だったと思いますが、「新たなる挑戦」の副題で放送されたこともあったようです。入手したDVDでは「THE FUTURE OF LAW ENFORCEMENT」の副題になっています。

テレビシリーズを想定して作られた作品なのでグロさはなくアクションも大人しく画質もいいとは言えませんが、ロボコップの活躍をもっと見たい人には嬉しい作品。3作目から数年後の設定みたいで、オムニ社は公営企業になってるので市に組み込まれる形になったのかな。ロボコップの相棒は映画シリーズのルイスに代わってマディガンが勤めます。

今作で面白いと思ったのが、コンピュータと人間の脳の融合という設定ですね。両方のいいとこ取りをして最高のコンピューターを作ろう!ということらしいですが、映画シリーズでも思ったけど、何で人間の脳を入れたマシンが命令に従うと思うかな…。人の意識が入ってる時点でそれは人間ですよ。今作ではロボコップにマディガンの他にも素晴らしい"相棒"が誕生します。テレビシリーズは見てないのですが、新しい相棒がよきパートナーとして活躍してくれるようです。

今作に関してはあまり情報がないようなので、押さえておきたい登場人物などをここで覚え書き。

デトロイト市警

ロボコップ:本名アレックス・マーフィ。サイボーグの警察官。
リサ・マディガン:警察官。マーフィの相棒。刑事になるのが夢。
巡査部長:マディガンの上司。孤児のガジェットに手を焼いている。

オムニ社

社長:市の機能を自動化するメトロネットを提案。
チップ・チェイキン:重役。メトロネットを動かすニューロブレインを提案。
クレイ・マラード博士:ニューロブレインの開発者。
ダイアナ:チェイキンの秘書。
ファニー・ラムーア:オムニ社運営のファミリー孤児センター所長。

市民

ガジェット:ファミリー孤児センターにいる孤児。
ナンシー・マーフィ:マーフィの妻。夫は死んだと思っている。
ジミー・マーフィ:マーフィの息子。
ハンク:ホームレス。
バドフェイス・モーガン:ロボコップに恨みを持つ犯罪者。
ドッグタウンボーイズ:ドッグタウンの不良たち。

<ネタバレ>

オムニ社は未来博に向けてメトロネットを構築しようとし、チェイキンとマラード博士が中心になってニューロブレインを開発。だが人間の脳がないと完成しないのでホームレスを捕まえては試すが、なかなか適合する脳がない。ホームレス失踪事件を追っていたロボコップは犠牲者の1人、ハンクの網膜に焼き付いた映像からマラード博士が犯人と推理する。ガジェットもチェイキンがハンクを捕まえるのを目撃していた。

しかしマラードからロボコップが捜査していることを知らされたチェイキンはモーガンを使ってロボコップを襲撃。オムニ社(チェイキン)に修理を拒否されたロボコップは凍結されたままになる。マラード博士のニューロブレインは秘書のダイアナを犠牲にして完成するが、ダイアナはニューロブレインの中で覚醒し、自分が市を管理するシステムを掌握していることを知る。ダイアナの描写はきれいです。私は気に入ってます。もっといい画質なら印象も大分変わるだろうになあ。

マラード博士は本性を現し、ニューロブレインでオムニ社のシステムも乗っ取り、社長を追い落としてオムニ社を手中に収めようとする。追い詰められた社長はロボコップにすがる。オムニ社長がロボコップに「君だけが頼りだ」と言う日が来るとは…。1作目から続けて見るとなかなか溜飲が下がるシーンです。が、ロボコップは修理中に忍び込んできたチェイキンに記憶を消されてしまう。それにしても悪役なのに小物感の抜けないチェイキン…。

ここでダイアナ大活躍! マラードたちの悪事が許せなかったダイアナはロボコップの中に入り、消された記憶を復旧させます。マラードはウイルスでダイアナを除去しようとするも復活したロボコップに阻止され、ついにお縄に。チェイキンもガジェットの証言が生きてお縄に。ダイアナは気の毒でしたが、ロボコップにとっては自分と似た境遇の力強いパートナーとなることでしょう。ロボコップの機動力に都市と一体となったダイアナの頭脳が加われば最強な気がする。

ところで今作、マーフィの息子のジミーも出てくるんですね。ジミーはチェイキンに孤児センターから不良集団に送られたのですが、マディガンに保護されて無事母親の元へ。それを名乗らず影から見守るマーフィ。巡査部長はガジェットの父になれるが、ロボコップに同じことは出来ない。でも妻と息子がマーフィにとって家族であることは代わらない。「だから2人を守る」の台詞にマーフィの心が滲んでます。テレビ前提の作品で映画からはスケールダウンしたとしても、やっぱりロボコップはロボコップです。

エンドロールに後日談あり。孤児センターのその後とマディガンの夢は!?

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