ウエストワールド シーズン2 [第9話]

ウエストワールド 2ndシーズン ブルーレイ コンプリート・ボックス(1-10話/3枚組)

2018年
話数 全10話
制作 ブライアン・バーク、J・J・エイブラムス他

ウエストワールド シーズン2 第9話の覚え書きと感想です。以下全てネタバレですのでご注意。

主な登場人物
[ホスト]
ドロレス・アバナシー:農場の娘だったが反旗を翻す。
テディ:ドロレスの恋人。
クレメンタイン:元娼婦役。
メイヴ:元娼館の女主人。娘を探している。
バーナード・ロウ:パークのプログラム責任者だった。
[人間]
ウィリアム:ウエストワールドの親会社デロスの経営者。
シャーロット・ヘイル:デロス社の取締役。
エルシー:パークのプログラマー。
エミリー:ウィリアムの娘。
ロバート・フォード:ウエストワールド創設者。シーズン1で死亡。

第9話「VANISHING POINT」

バーナードは自分の中からフォードを追い出し、エルシーを置いて1人で「谷」を目指す。メイヴの力はクレメンタインに移され、デロス側は事態収拾にクレメンタインを使おうとしていた。フォードのゲームに取り込まれていたウィリアムは娘や救援隊をホストと思い込んでしまう。「谷」へ向かう途中で先住民らと出会ったドロレスは彼らを退けて前へ進むが、全ての記憶が蘇ったテディが予想外の行動を起こす──。

衝撃の9話でしたが、その前に情報を整理。「彼方の谷」の正体がついに判明。全来園客のデータを保存した巨大なサーバー。それは人間が不死を得るための計画でした。記録や記憶だけでは人間は再現出来ない。行動や反応のデータも必要。それを収集してたのがウエストワールドだったのですね。これまでも何回か「客を監視している」「客のデータを取っている」という台詞は出て来たけど、やっと意味が分かった。来園者たちの心のコピーを取って保存していたのですね。ホストたちはそのための手段に過ぎなかったのです。

ドロレスはそれを知っていた。ただ、客のコピーをどう利用しようと考えていたのかはまだ分かりませんが(武器にすると言ってたけど、サーバーのデータがどう武器になるの?)。アキチタはそこまでは知らない。彼は「谷」は新世界への扉だと思っている。そのアキチタの考えを受けた先住民たちとドロレスたちが「谷」を目指す道中で激突。ここで先住民たちとドロレス・テディ以外の者がリタイア。これが1話でストランドたちが先住民の記録で見た「11日前の出来事」だったのですね。

バーナードも「揺りかご」にアクセスして「谷」の正体を知る。しかしバーナードに憑いたフォードがいちいち干渉してくる。フォード、もはや生き霊から悪霊になってますぞ…。ついにバーナードは自分の中からフォードを削除して追い出すことに成功!! 偉い! よくやった! ずっとフォードに好き勝手に動かされるバーナードが可哀相だと思ってました。これでやっとバーナードも本当に自由になれたのね。彼はエルシーを巻き込まないために1人で「谷」を目指します。ドロレスが全てを破壊する前に。

しかしフォードは削除される前に本部(メサ)でメイヴに中枢へのアクセス権を与える。メイヴに「脱出」を仕込んだのはフォードでした。彼はメイヴがお気に入りだったようで、パークから逃してあげるつもりだったんですね。フォードはこうも言ってました。私の世界観をホストたちにも植え付けた、と。それでか、ドロレスが「弱くては生き残れない」と思っていたのは。それはフォードの価値観なのね。でもそれなら、フォードの価値観から抜け出ないとフォードの支配下のままよ、ドロレス。

なお、シャーロットたちはメイヴの力をクレメンタインに移植して、彼女を使ってホストを自滅させる作戦を考えたようす。メイヴもフォードに権限復活してもらったようだし、シャーロットの作戦は上手く行くのか!?

そしてウィリアム…。フォードのゲームにすっかり取り込まれてしまっていて、娘をホストだと思い込んでしまってます。それで娘が呼んだ救助隊もろとも娘を撃ってしまう…あああああ!! その後で本当に本物の娘だと知ってショックを受けるウィリアム…(涙。酷いよ、フォード、ウィリアムをこんな目にあわせなくてもいいじゃん…。私はウィリアム推しですから!!

ウィリアムは自分の本性は最初から自分の中にあったと言っていた。でもそんなの人間なら当たり前のことだと思う。悪い部分のない人間なんていないと思う。大事なのは悪いことを実行するかどうかだから。偽善者でいいじゃない、偽善が出来るならウィリアムは真っ当です。ウィリアムが悪者やってたのはパークの中だけでしょ、相手は人形だと分かった上での行為だし、外の世界で悪いことしてないならそれも立派な偽悪者よ。奥さんが気付いて辛かったのはむしろ夫の心が自分にないことだったのではと思う。ウィリアムはドロレスを愛していた。彼の愛したドロレスは消えてしまったけど、ウィリアムの心は常にパークにあった。ドロレスのいるパークに。やっぱり私にはこのお話はウィリアムの物語です!

ドロレスにも悲劇が。先住民との戦いの時、テディに優しさが戻った?と思う場面があったけど、気のせいではなかったみたい。2人だけになって「谷」を目指すドロレスですが、その途中でテディが完全に覚醒。元々テディは優しい性格。ドロレスはそれを強引に冷酷な性格に変えたけど、全ての記憶が蘇ったテディにはそれが耐えられなかったようです。彼は自殺してしまう…。予想外の展開に慟哭するドロレス。彼女はこれからどうするのか…。