ゴジラvsビオランテ

1989年
時間 105分
監督 大森一樹

三原山で再活動の兆しを見せたゴジラに対抗するため、ゴジラ細胞を使った抗核エネルギーバクテリアの開発が行われる。だが開発に携わった白神博士はゴジラ細胞を自分の個人的な目的に流用してしまう。その結果、ゴジラの再生能力を持った植物怪獣ビオランテが誕生。ゴジラは自分の細胞が入ったビオランテに反応し、ゴジラとビオランテの壮絶な戦いが始まる。

1984年のゴジラから5年。その間、プライベートにも大きな変化があり、結婚して生まれた男の子が怪獣に興味を示すようになり、このVSシリーズから「親子2代でゴジラ鑑賞」という第2のステージに入りました。ただビオランテの頃は子どももまだ小さく、親子で映画館へ行けるようになるのはデストロイア辺りからですが、ビデオという手がありましたからね…。息子たちにとっては映画館・ビデオの区別なく繰り返し見て楽しんだ平成シリーズがゴジラ原体験となったのです。

今作はストーリーを一般公募しただけあって、バイオテクノロジーと科学への警鐘を含んだ一味違うゴジラになっています。物語は1984年版ゴジラの直接の続きになっており、ゴジラ被災後の後始末シーンから始まり、ゴジラ細胞の争奪戦を経て今作の舞台となる5年後(今作公開の1989年)へ。1984年に怖いゴジラを復活させた流れで、今作のゴジラも私の子ども時代のヒーローゴジラとは違って怖くてシリアスな存在。話もシリアスで、人間側の作戦も本物の自衛隊が多数登場し、子ども騙しを抜けた重厚な存在感を放ってくれていて見応えがあります。なお、前作のスーパーXはスーパーX2になって登場。こういうメカ類は男の子たちにはたまらなかっただろうなあ。

VSシリーズのレギュラーキャラになる三枝未希の登場も今作から。彼女が超能力者なのはビオランテの心を感じ取れる人間が必要だったからかな。ビオランテは白神博士の想いが作り上げた哀しき存在でもあります。こういう設定、好きです。

ビオランテ

人間のDNAとバラとゴジラ細胞が融合して生まれた植物怪獣。形態変化する。
第1形態:巨大なバラの花を咲かせた植物状の形態。根は触手となり相手を攻撃できる。
第2形態:牙の生えた大きな頭部を持ち、根や触手で移動する。巨体。

ゴジラ

前作で三原山の火口に落ちるが、5年後(今作)に復活。ビオランテに反応してバトル。

<ネタバレ>

発端は白神博士のマッドサイエンティスト化ですね。博士は5年前、ゴジラ細胞の争奪戦に巻き込まれて娘の英理加を失う。娘の死を認めたくなかったのか、博士は英理加の細胞とバラの細胞を融合させて育てると言うとんでもないことをしていた。ところが地震で英理加のバラが倒れ、瀕死状態になってしまう。英理加に永遠の命を与えようと、博士は英理加のバラにゴジラ細胞を融合させてしまった。いやちょっと、バラに融合されて無理矢理生かされてるだけでもまともじゃないのに、さらにゴジラ化させられるって嫌過ぎでしょ、女性として耐えられんわ~~。

ゴジラ細胞はなかなか強力なようで、未希が英理加のバラから感じ取っていた英理加の意識は浸食され消えてしまう。身も心も怪獣に成り果てたビオランテはゴジラと対戦することに。でも最後の最後に英理加の意識が戻ったのでしょうか、ビオランテは英理加として昇天できたようです。彼女は宇宙でバラを咲かせながら地球を見守っていくのでしょうか…。

怪獣バトル、自衛隊のゴジラ作戦だけでも十分見応えあるのに(男の子はそこで満足できるみたい?)、そこに英理加の哀しい運命も組み込まれて、複雑な味わいのある満足感が得られた映画でした。手元に置いて何回でも見たくなってきます。