大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス

大怪獣空中戦 ガメラ対ギャオス BD

1967年
時間 87分
監督 湯浅憲明

三宅島から始まった富士火山帯の噴火はついに富士山に達し、その影響で二子山から怪獣ギャオスが出現。村の少年英一はギャオスに襲われるがガメラに助けられる。だがギャオスの鋭利な超音波メスにガメラは苦戦。名古屋に飛んだギャオスは町を破壊し人々を襲う。ガメラを信じる英一に大人たちも動かされ、ガメラ対ギャオスの世紀の決戦がここに幕を開ける!

昭和ガメラ3作目。WOWOWプラスで鑑賞。今作からは私も記憶にあります。子どもの時映画館で見た懐かしのガメラ! 家のテレビで再び見られる日がやってくるとはスカパーに感謝! しかし記憶にあるとは言え、見直してみたら覚えていたのはガメラとギャオスだけだったことも分かりました(笑。道路公団と立ち退き反対の対立も描かれていたのですが、見事に記憶にない…。子どもってやっぱり"怪獣"なんですねー。

3作目で再び子どもが登場、それも子ども目線では英一くんが主人公と言ってもいい扱い。正面から子ども向けに舵を切った昭和ガメラの始まりです。富士山の噴火で姿を現したガメラですが、今作では最初から「子どもの味方・子どもの友だち・ぼくらのガメラ」ぶりを遺憾なく発揮。ガメラは英一を助けたあと、彼を甲羅に乗せて飛ぶんです。ガメラに乗って空を飛ぶ! こんな楽しいこと、子どもが興奮しないわけがない。あれで私も含めて見に来た子どもたちの心もみなガメラに乗ったでしょう。2作目の大人のドラマもよかったですが、子どもの夢を正面から描いてくれるガメラも素晴らしい。

そしてギャオス! こいつの鋭利な超音波メスの破壊力が半端ない。これが実写にアニメで描いたかのような超鋭利な光線で、スッパスッパ何でもかんでも切る、切る、切る! 車も真ん中からきれいに真っ二つ! 大人から見たらコントみたいなシーンだけど、これが面白いのよ、子どもには。ガメラの痛いシリーズも炸裂、切られたガメラから緑の血が噴出! 痛い、痛い、痛いよー。子どもの時も痛かったけど、大人になってもやっぱり痛いわ~。ちなみにギャオスの血は紫っぽいピンク。血が出ることで緊張感も高まり「切られちゃダメー、ガメラよけてーっ」と応援にも身が入り、子どもたちはますますガメラの世界に入り込んでいくのです。

大人のドラマは縮小されガメラVSギャオスの怪獣バトルは全編に渡って存分に繰り広げられ、怪獣ファンにも嬉しい展開。ギャオス退治作戦は子どもが理解できる範囲で行われるので大人から見たら物足りないかも知れないけれど、そこがいいんです。

<ネタバレ>

大人側の主人公は道路公団の堤。反対運動の中心になっているのが英一の祖父。反対の理由が保証金のつり上げと言う「大人の欲」を描いてるところが、前作の大人ドラマの名残になってますね。子ども向けに舵を切っても、大人も見られる部分も少しは残すことで大人→子どもへの移行をスムーズにしたかったのかなと思います。今作のおじいちゃんは前作の小野寺ほどの悪者ではなく、ガメラを信じる孫の大胆な意見を聞き入れて己の欲を捨て、自分の山林を犠牲にする英断を行います。今作では大人が子どもの言うことを聞いてくれるシーンが多く、英一の観察やアイデアが作戦に取り入れられるのは、子どもには嬉しいだろう。大人にちゃんと耳を傾けてもらえるのも子どもにとっては大切なことだから。さりげなく大人も学ばされる作品です。

ギャオスの魅力も大きい。コウモリを連想させる造形は先鋭でかっこいい。特徴が掴みやすくて分かりやすいのもいいです。ガメラと並んで見劣りしないのは敵怪獣として大事なポイント。超音波メスの強烈さも一度見たら忘れられない。人もバリバリ食っちゃうし(恐。空を飛べるので、同じく飛べるガメラとは空中戦が可能になり、空の対戦は燃えさせてくれます。首の2本の骨が音叉になってる(故に後ろが弱点)とか紫外線に弱いとか、子どもの好奇心を満たす説明も丁寧で興味をひかせる、ちなみに名付け親は英一。

名古屋で大バトルした後、ギャオスを日の光に晒そう作戦の失敗を経て、最終決戦は再び二子山。英一の提案で山林を燃やしギャオスをおびき出しガメラを呼ぶ。ギャオスが弱ると頭が光るのは今でも覚えていて、「このシーンだったんだー」と詳しく再確認させていただきました。太陽が出てガメラがギャオスの後ろを取り富士山に引き込んで決着。

思い出の映画を見直せるっていいですね。あらためて昭和ガメラは子どもに夢と勇気をくれる作品だったのだなと再認識。子どもの時ガメラに出会えて幸せだったなと思います。