ガメラ 大怪獣空中決戦

1995年
時間 95分
監督 金子修介

太平洋上を漂流する謎の環礁による事故が相次ぐ中、五島列島の姫神島に巨大な謎の鳥が出現。古代の碑文より環礁から現れた怪獣はガメラ、怪鳥はギャオスと名付けられた。ガメラはギャオスを追って日本上陸。そして何故かガメラと通じるようになる女子高生・浅黄。ガメラは人間の味方なのか!? 平成に蘇った2大怪獣のバトルが日本列島を横断して繰り広げられる!

私は昭和ガメラで育った世代です。昭和ガメラは子どもの味方。ガメラは子どもの言うことなら聞いてくれる。私にとってもこれはガメラの外せない大切なポイント。だから平成にガメラが作られる!と聞いて真っ先に期待したのも、ガメラの子どもの味方ぶりをどうやって再現してくれるか!でした。ところが…。

子どもっぽくない出だし。これはよい。おお、ギャオスがグレードアップしているぞ! 矢尻みたいな平らな頭は踏襲しながらも、その下はリアルさを醸しだし、怪獣らしい重厚さも備わっている。糞による演出なんかギャオスの怖さをリアルに感じさせてくれて凄い!と思いましたね。ガメラの登場のしかたもよい。昭和のチープさからは抜け出して、本格的な迫力ある怪獣バトルをやってくれている! しかし子どもは? 子どもはいつ話に絡んで来るの? ガメラは子どもの味方なんだから子どもが出て来なきゃいけないはずなんだけど…。

女子高生なら出てきた。子どもと呼ぶには歳いきすぎではあるけど、確かに大人ではない。この子がガメラと通じ始めるので、えっ今作ではその辺もグレードアップというか年齢アップさせたのかな…と思い始める。浅黄がガメラとシンクロするシーンはよかった。終盤では私もすっかり「いっけええ、浅黄ガメラー!」状態になってたし、とっても楽しめたんだけど、でもやっぱり見たかったのはこれじゃなくて「ガメラは子ども(小学生)の味方」だったんだよな…という思いは残ったのでした。

見終わって分かったのは、これは昭和のガメラとは全く別物のガメラだったということ。昭和ガメラ目線を外せば、大人の鑑賞に耐えるリアル路線の優れた怪獣映画であり、特撮ファンに高い評価を受けたのも分かります。ゴジラじゃないからこそ出来た大胆なリブートや新解釈はガメラに新しい命を吹き込んでくれたと思います。

<ネタバレ>

ガメラを子ども路線から大人路線にするに当たって、チープだった設定を説得力あるものに変える工夫などはよく出来ていたと思います。ガメラは熱線吐くし、ジェット噴射して空飛ぶし、ギャオスも超音波の光線みたいなの出して何でもスッパスパに切断しちゃうし、真面目に考えたら説明つかない。そこで超古代文明が人工的に造ったことにして、生物として不自然なところに説明をつけた。ギャオスの染色体が完璧な一対のみというところがよく考えられていてよい。

超古代文明がギャオスの制御に失敗し、ギャオスを倒すために設計したのがガメラ。だからガメラは本能的にギャオスに向かう。勾玉でガメラと意思疎通が可能。ただし誰でも可能というわけではなく、適正があるようです。今作では浅黄がガメラとの仲介役(巫女みたいな感じ)を担う。ガメラが傷を受けると浅黄も同じところに傷を受ける演出がたまらない。でも自衛隊の攻撃などは平気だった様子なので、ギャオスから受けた攻撃だけに反応するのかな。

ガメラは陸海空オールマイティに動けるので、行動範囲が広くてアクション向きな怪獣だったんだなと今作を見て改めて思えたのはよかった。ギャオスも飛ぶので、宇宙まで飛び出してスケールの大きいバトルを見せてくれました。子どもは出てこなかったけど、ガメラの魅力を再発見させてくれたのは大きかったです。

ギャオスファンに捧ぐ!?

ギャオスはガメラの好敵手だったはずなのに、だんだん雑魚化する悲哀を味わった者としては、今作のギャオスはとってもよかったです。フォルムも新たに生まれ変わり「オレってこんなに怖いんだぞー」と恐怖を煽り、堂々の大復活。ギャオスの超音波メスはますます鋭利に、音波収束時には空気が振動するような描写があって芸も細かい。大きくなるし卵は産むし、ギャオス頑張れー、あっいや、ええと、ガメラ頑張れー(汗、と応援先を間違えそうになるくらい大活躍でした。やっぱり敵は強くて怖くなくては。ギャオスの面目躍如をやってくれた作品でもありましたね。^^

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