ガメラ2 レギオン襲来

1996年
時間 99分
監督 金子修介

世界各国に流星雨が降り注ぎ、北海道の支笏湖に隕石が落下。そこから大きな虫のような群体が発生、札幌のビルには謎の植物が取り付いて巨大な花を咲かせる。聖書の引用からレギオンと名付けられた群体怪獣はガメラと交戦するが、巨大レギオンが登場し、ガメラも苦戦を強いられる。地球は宇宙怪獣レギオンに浸食されてしまうのか、浅黄の祈りはガメラに届くのか!? 地球の命運をかけて壮絶な戦いが幕を開ける!

「ガメラ 大怪獣空中決戦」の続編です。前作で平成ガメラがどういうものか分かったので、今回は昭和ガメラは頭から追い払って、素直に新生ガメラを楽しみました。今回の敵レギオンは宇宙怪獣で、巨大植物と共生しながら1体の女王と多数の兵隊で活動する独自の生態を持つ連中。彼らの活動は地球の生態系を破壊する恐れがあるので、これはどうしてもやっつけねば!という次第。

怪獣バトルだけではない、それに伴う影響の描き方にも思い切った発想が投じられていて、仙台消滅は当時話題になった記憶があります。ここまでやってくれた怪獣映画もないじゃないか!と。もちろんメインの怪獣バトルも不足なく、大人の鑑賞に耐えるレベルを維持しながら巨大レギオンとガメラのガチバトルを堪能させてくれました。

今作ではメインのヒロインは前作の長峰真弓(鳥類学者)から穂波碧(札幌市青少年科学館の学芸員)に交代しますが、浅黄は前作に引き続いて登場しガメラを応援。ガメラとの一体ぶりは前作よりは大人しくなってますが、人間とガメラをつなぐ存在として、観客と映画をつなぐ役割も果たしてくれているという気がします。敵怪獣が複雑な分、人間側も組織と個の連携でいい動きを見せてくれたのもよかったな。

<ネタバレ>

レギオンの登場のしかたにはゾクゾクしました。暗闇と影を上手く使って簡単には姿を見せず、「何か得体の知れないものが忍び寄ってくる恐怖」を煽ってくれてました。巨大レギオン(女王)の造形もいい。しかしガメラの敵怪獣には痛そうなやつが多いですね。ギャオスの超音波メスも鋭利で痛そうですが、レギオンも先の尖った刃物みたいなのをいっぱい広げてくれて、刺さると痛い、痛い、赤い触手も突き刺してくるし痛い、痛い、バイラスまで思い出すわー。

レギオンの設定で面白かったのは、電磁波で会話し、電磁波を発するものを認知すること。だから自分たちの会話が通じない(波長が異なる)発信相手は敵と見なし攻撃するが、レギオンが認知するのはあくまでも「電磁波を発するもの」であって、人間ではない。つまりレギオンには人間(を含む生物)は"見えてない"ということですね。だからレギオンは人間を攻撃したり食べたりはしない(ただし携帯電話などの電磁波を発する物を持っているとそこをめがけて攻撃されるので注意)。その代わり電磁波の多い大都市などが攻撃対象になるので、住んでる人間としてはそれは困るわけです。レギオンと共生する巨大植物も都市丸ごと1つ消滅させるくらいのやっかいものだしね。

ところで。ガメラは前作ではギャオスの宿敵として設計されたという説明でしたが、今作で平成ガメラの立ち位置がより明確になったようです。ラストバトル、倒しても倒しても倒れないレギオンと苦闘している時、地球がガメラに力を与えるんですね。地球から光の輪がガメラの中に集まり、最終必殺技!?ウルティメイト・プラズマを発射。ガメラが戦うのは地球のため。地球を守るため。ガメラは地球の守護神という意味合いも持っていたのだなと。だから人間が地球にとって悪い存在になればガメラは人間の敵になるかもしれない。ガメラを敵にしないようにしなければというメッセージはなかなか含みがありました。

前作以上の迫力に加えて今でも通じる人類へのメッセージを内包した今作。大人が楽しめる怪獣映画としてもよく出来ており、話の構成的にも怪獣側も人間側も過不足なく描かれていて、個人的には平成3作の中では今作が一番バランスがよかったかなと思います。