ガメラ3 邪神〈イリス〉覚醒

1999年
時間 108分
監督 金子修介

ガメラとレギオンの戦いから3年後。世界には再びギャオスが現れだし、ガメラもギャオスを追って渋谷で大乱闘に。その頃、4年前のギャオス戦で両親を巻き添えにされガメラを憎んでいた少女が封印された謎の生物を呼び覚ましていた──。イリスと名付けられた生物は少女と交流し巨大になりガメラに立ち向かう。ガメラはイリスと少女の憎しみを葬り去ることが出来るのか──?

平成ガメラシリーズ3作目。以下、1・2作目のネタバレも含んでいるのでご注意。

時系列は公開年と一致してます。1作目の長峰真弓が復帰。彼女はギャオスが世界に卵を残した可能性を追っていたようですね。1作目ラストの危惧が現実のものとなり、赤道でギャオスが発見されるところから物語スタート。ギャオスが現れれば必然的にギャオスの天敵設計のガメラも現れることになる。けど、1作目で得たはずのガメラの情報って政府や自衛隊で共有されてないの? 相変わらずギャオスよりガメラを敵視しようとする人たちは前2作を見てる観客にはバカなの!?と思えちゃうぞ(^^;。でも確かに上層部はともかく一般庶民にまではガメラの正しい情報は伝わりにくいですよね。

てことで、今作はいくらガメラの戦いが(地球にとっては)正義だったとしても、それによって被害を受けた人たちにはどうなんだ──というところに焦点を当ててます。その中心になるのが奈良の親戚宅へ引き取られていた少女・綾奈。イリスには綾奈の憎悪が入っているところが他の怪獣とは一味違う。造形にもそれを感じます。成長と共に変化していくイリスの形態も見どころ。

浅黄も登場しますが、前作で勾玉が砕けてしまったので、ガメラとの交流は出来なくなっている様子。けどガメラを信じる存在として、作品の柱みたいなところは変わらない。おかげでガメラの見方を一変させかねない描写があっても、観客のガメラへの気持ちはブレることなく楽しめたのではという気がします。

<ネタバレ>

今作では地球のエネルギー「マナ」が新設定として登場。ガメラの力の源もマナらしい。レギオン戦で体に集めた光もマナだったもよう。マナが弱まる(減る)とギャオスが出現するらしく、2でレギオンを倒すためにマナを大量に消費したことが今作のギャオス復活につながったようです。なるほど。ガメラとギャオスの超古代文明との関係については作中で倉田真也が仮説という形で詳しく語りますが、こういう場合の「仮説」は作劇の手法として観客に正解を示していると見なしてよいと思います。それによるとガメラはもはや地球の分身とも言える存在だねー。このシリーズはSFとしてもちゃんと作られているのがいいです。

綾奈の憎悪に反応して成長するイリスは怪獣としてはちょっと異質な雰囲気も漂わせていて独自の存在感ですね。最初は鳥っぽかったけど(ギャオスの変異体?とも言われた)、変化を繰り返し、最後は人型へ。飛ぶ姿なんて神秘的でさえありますが、ガメラ敵役の伝統?"痛い攻撃"も忘れておらず、こいつもブスブスと刺してくれます、痛い、痛いよー。出血率の高い怪獣だよな、ガメラって。

それでも3作最高?の痛さを越えて、イリスに取り込まれた綾奈を助け出すガメラ。綾奈も憎しみは更なる悲劇を生み出すだけと分かったようです。人間との交流を絶っても、人より地球を選んでも、やっぱりガメラはゴジラよりずっと人間に近いところにいる。どんなに怖くリブートしてみても、ガメラはガメラなんだよな、良くも悪くもそれがガメラなんだよな、平成ガメラにも「ガメラは子どもの友だち」の心は残っていたんだなと思わせてくれたラストバトルでした。

登場人物が増えて描写の足りなさを感じたところもあったけど(朝倉美都と倉田真也なんてほぼ説明要員だった気も^^;)、怪獣特撮としては間違いなく最高峰。精巧に作られたミニチュアは"本物"ゆえCGとは違う迫力が出せる。CG慣れした人にも見て欲しい平成ガメラ3部作です。

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