三大怪獣 地球最大の決戦
年 | 1964年 |
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時間 | 93分 |
監督 | 本多猪四郎 |
流星群が飛来し、隕石の1つが黒部渓谷に墜落。そして「金星人」と名乗る謎の女予言者が現れ、地球の危機を警告する。警告の通り、ラドンとゴジラが現れるが、真の警告はそれだけではなかった…! 隕石から宇宙怪獣キングギドラが登場。このままでは地球は滅ぼされてしまう…? キングギドラを倒すためにゴジラとラドンに協力を呼びかけるモスラだが…。
子どもの時に見た懐かしのゴジラ。公開年に見たのか、東宝チャンピオンまつりで見たのか、その辺はよく分からないのですが、面白くて記憶に残る作品だったのは確か。ラドンがゴジラと初共演し、宿敵キングギドラが初登場し、それまで単独やせいぜいVSだった怪獣たちが全員集合して、当時の怪獣集大成みたいな趣があります。
怪獣たちのキャラ立ちも進み、モスラだけでなくゴジラもラドンもただ暴れ回るだけの存在からそれぞれの個性を確立した存在になってきてますね。ゴジラが初めてラドンを見た時の反応が面白い(笑。「何だコイツ!?」て感じで速攻ケンカを挑みに行きます。ラドンもゴジラと同じレベルで応戦、着ぐるみの中の人や操演者の方々も表情豊かに演じてくれており、ちょっとした仕草まで生き生きしていて、怪獣たちの会話まで聞こえてきそう。おかげでモスラの説得シーンが語り草!?になるわけです。
怪獣バトルはコミカルなところがありつつも見応えあります。4つの怪獣それぞれの個性が生きてて楽しい。金星人も面白いアイデア。登場人物たちの「ハァ!?」な反応に見る側も同調できて話の中に入って行ける。しかし小美人たち…いつの間にあんなに普通にテレビ出演とか出来るようになってたんだ…。小美人より金星人の方に突飛さを感じるようになるとは、慣れって恐ろしい!?
キングギドラ
今作でデビュー。以降、ゴジラの宿敵となっていくのであります。宇宙から飛来した隕石から誕生、炎の中からキングギドラが現れるシーンは子ども心にも印象的でした。金星の文明を滅ぼしたらしい。
ゴジラ
前作の悪役一辺倒から表情豊かな個性あふれるヤツに成長!? ラドンとも今作が初顔合わせですね。最初はケンカなのに、だんだん遊んでるふうにも見えてくるのが可笑しい。モスラとの応答ではすっかりラドンとお友だち状態ではありませんか~(笑。
ラドン
今作でゴジラと初共演。ラドンの方もゴジラを「こいつ、何だ?」と思ったのか、ケンカ相手になる。そしてモスラとの応答ではゴジラの返答に「そうだ、そうだ」と相づちを打つ役回りに。ラドン…。
モスラ
今作で登場するのは幼虫で、「モスラ対ゴジラ」で生まれた1匹です。親の意思を継いでか、相変わらず崇高なお方。懸命にゴジラとモスラを説得、1匹でもキングギドラに立ち向かっていく健気さ。モスラがいるから地球は救われる…。
<ネタバレ>
金星人の正体はセルジナ公国のサルノ王女。その昔キングギドラに滅ぼされた金星から逃げてきた金星人の血が流れており、飛行機事故で覚醒したというもの。王女暗殺を狙う輩も絡んできて、怪獣バトルの合間にスパイ映画みたいなガンアクションも入ります。王女が元に戻った時、金星人の記憶は消えても、護衛役の刑事のことだけは覚えていたのがミソ。こういうさりげないロマンスが入るだけで余韻が残りますよね。
今作のゴジラはお馴染みの放射熱線よりも力業の方が多かったですね。岩石投げたり、組んで倒したり、チームプレイしたり。そしてゴジラ・ラドン・モスラの共同戦線に敗れた(逃げ出した?)キングギドラは宇宙へと去って行き、次作「怪獣大戦争」に続くのであった…。
ゴジラがヒーロー化する走りとなった作品ですが、私はこのゴジラで育ったので、私にとっては原点ゴジラの1つです。