緯度0大作戦

1969年
時間 89分
監督 本多猪四郎

田代博士、マッソン博士、ロートン記者の3人は船水球で海中調査を行っていたが海底火山の爆発に巻き込まれ、謎の潜水艇に助けられる。負傷したマッソン博士を治療するため潜水艇は海底都市「緯度0」に向かう。緯度0の住人は長寿で、地上では死んだり行方不明になったはずの科学者も大勢暮らしていた。緯度0に来る予定だった岡田博士が拉致され、田代たち3人も岡田博士救出に協力することにする。

子どもの時、親と一緒に見た映画。懐かしの東宝特撮映画です。海の中に誰も知らないユートピアがある!というだけで子どもには十二分過ぎるほどのワクワク大作でした。日米合作なので、俳優陣も日本人だけでなく豪華。緯度0の潜水艇アルファ号の金髪美女ドクターが露出度高すぎるご衣装で登場したり、敵の大将に愛人がいて子どもから見たらドキドキするような迫り方してたり、なかなか当時の私には刺激も強かったです(笑。

1969年の特撮なので潜水艇などに模型感はありますが、そこは本多猪四郎と円谷英二のタッグ&伊福部昭の音楽で補完して楽しむべし。SFらしい「こんなのあったらいいな」的ガジェットも豊富。1日で完治する医療技術やジェット噴射で飛び上がれるのはまだしも、敵の弾をはじき返せる体になれる免疫風呂ってどんなのだよ! モンスターもいっぱい。着ぐるみ感はありますが、そこは本多猪四郎と円谷英…(以下略。

敵の大将マリクはアルファ号艦長マッケンジーと旧知で積年の恨みがあるらしく、打倒マッケンジー!に執念を燃やしているようす。緯度0には住まず、無人島に秘密基地を築いて自分の一派を従えているようです。岡田博士を拉致したのも、博士の研究が欲しかったのも本当だと思うけど、マッケンジーをおびき寄せるためでもあったしね。しかしマリク閣下、敵打倒作戦は相手が来襲してくる前に完了させておいた方がいいと思うぞ…。

マリクの秘密基地も色々な仕掛けがあって楽しませてくれます。基地に乗り込んだマッケンジー、田代たちは無事岡田博士を救出することが出来るのか!?

<ネタバレ>

マリクの敗因は女心を見くびったせいだと私は思っている…。マリクの部下で黒鮫号艦長の「黒い蛾」はマリクの女になりたがっていた。アルファ号とやりあったのもマリクのためなのよ! でもマリクったらこんなにあなたを愛してるアタシをグリフォンに改造しちゃうなんて酷いわ! マリク許せない、アタシを裏切ったマリクに復讐してやるわ! マリク閣下、「黒い蛾」の脳を移植したモンスターが自分の命令を聞くなんてどうして思った…聞くわけないだろう、中身は愛の恨みに燃える「黒い蛾」だもん。女性は大切にしてあげて下さい。

岡田博士とお嬢さんを無事助け出したマッケンジーたち。その関係で田代は岡田博士のお嬢さんと恋仲に。マッソンも看護してくれた美女ドクターと恋仲に。かくして田代とマッソンは緯度0に残り、ロートンだけが地上へ戻ることになるのですが、ここで妙なことになる。緯度0から持ち帰ったダイヤモンドは土くれになり、撮った写真にも何も写っていなかった。そんな夢のユートピアなんてあるわけないだろと誰もロートンの話を信じない。

ここで一緒に見ていた親に聞く。
私「どうしてダイヤモンド土になっちゃったの?どうして写真に何も写ってないの?」
親「そりゃ漂流中に見た夢だったからだろ。記者だけが助かって後の2人は死んだんだよ」
私「ハッ!?」
あの時の親の大人な返しに「何もそんな夢のない回答してくれなくても…」と不満だったのが今でも忘れられない。

ラストの解釈は色々あるようですが、緯度0が本当に存在して欲しかった子ども心にしてみれば、「緯度0の秘密を守るために消えるようになっていたんだよ~」みたいに思いたかったんですよね。「緯度0存在する派」には、誰かがロートンにダイヤモンドを送ったという知らせにやっぱりと思いたいところなのです。