イエスタデイ

2019年
時間 116分
監督 ダニー・ボイル

世界規模で12秒間の停電が発生し、その最中に事故に遭って意識を失ったジャック。しかし目が覚めてみたら、世の中は「ビートルズが存在しない世界」になっていた!? 誰もビートルズの曲を知らない!? ビートルズを知っているのはジャックだけ!? 売れないミュージシャンだったジャックはビートルズの曲を自分の曲と偽って発表し、ヒットミュージシャンになるが…。

映画館の予告を見て興味を引き、ムービープラスで流してくれたので見てみました。音楽には疎い方ですが、さすがにビートルズなら少しは聴いたことがあるし、SF好きとしていわゆる平行世界(ビートルズのいない世界線)に入っちゃったみたいな設定に気を引かれたからです。ただ内容としてはSFではなくファンタジーという感じで、もしビートルズがいなかったら?を素直にやってみた感じでしたね。

映画のあちこちで流れるビートルズの曲はビートルズファンにはやっぱり嬉しいのかな? 私は半分も分からなかったけど(^^;、久しぶりにCD聴いてみようかなという気分になりました(疎いけど何故かビートルズのCDは1枚持っている…つまり疎い人でもCD買うくらいには有名ということ)。ビートルズを知らなかった人もこの映画をきっかけに聴いてみようと思う人が出てくるかもしれないし、そうなったらそれもいいことじゃないでしょうか。

と言うことで、音楽疎い人の関心はすぐに「他人の曲を自分の曲と偽ってヒットしちゃって、これどうなるの!?」な方向へ。でもこの場合、パクリ元が存在しないわけだから、説明ややこしいですね。と言うか、説明のしようがないですね。元が存在しないのでジャックも自分の記憶だけを頼りにメロディや歌詞を思い出して曲に書き起こしてる状態だし、黙ってれば誰にもバレない。こうなると、自分だけが知ってる真実とどう向き合うかが課題になってくると思うのですが、ジャックのとった行動とは…?

もし○○がなかったら…のIfの世界はその設定だけでも十分面白い。この世界にはビートルズだけでなく他にもいくつかのIfがあるようです。自分だったらどうする?を考えながら見るのも楽しいです。

<ネタバレ>

ジャックはスターミュージシャンになるが、売れない時に自分を支えてくれたエリーとは離れ離れになる羽目に。ミュージシャンとして成功するのはジャックの夢。でもそれはエリーと別れてまでやることなのか。その時、2人の人間がジャックの元へ訪れる。ビートルズを覚えていたのはジャックだけではなかった! しかし2人はビートルズのいない世界はつまらないので、ビートルズの曲を世に出してくれたジャックに感謝する。そして2人から受け取ったメモでジャックは嬉しい出会いを果たす。ジョン・レノンが生きていた!

ビートルズというグループはなくても、ビートルズのメンバーは存在していたらしい。彼らはミュージシャンではない人生を送っていたのだろう。そう、もしもビートルズがミュージシャンでなかったら…という世界で。ジョン・レノンは愛する人と平凡だが幸せな人生を送っていた。78歳のジョン・レノン…これもビートルズファンが見たかった夢の世界の1つだろうと思う。

ジャックは嘘をつくのをやめた。真実を告白し、エリーとの平凡だが幸せな生活を選ぶ。やっぱり嘘は駄目ですよね。自分が苦しくなるだけだから。これでよかったと思ってます。

ところでこの世界、ビートルズの他にコカコーラもタバコもハリー・ポッターも存在しないようです。私にはコーラもタバコもなくても問題にならないけど、ハリー・ポッターがないのはつまらないですよ! ジャックに感謝した2人の気持ちが分かる。ハリー・ポッターがないなら私が書いてやる!て気になったかもしれない。ただ小説は記憶だけで正確に再現するのは難しいと思うので、結局アイデアだけ借りた別物になっちゃいそうですが(^^;。この辺、自分の好き(必要)なものがなかったら…?を入れて、音楽ファンでない人にも共感できるように作ってあるのは上手い。もしあなたがこの世界に来たら、コーラやタバコを開発しますか? ハリー・ポッター書きますか? そんなことを考えながら見るのも楽しいものです。