ゴースト / ニューヨークの幻

1990年
時間 128分
監督 ジェリー・ザッカー

銀行員のサムは恋人モリーと家に帰る途中、暴漢に襲われて死んでしまう。だがサムは天上に行かずゴーストになりモリーを見守るのだが、自分を襲った暴漢を見つけたことで驚くべき真実を知る。モリーに危険が迫っていることを伝えたいが、サムの姿は誰にも見えず、生者の世界に干渉も出来ない。頼みの綱は霊能者だが、モリーには信じてもらえない。サムはモリーを守ることが出来るのか、サムの心はモリーに届くのか!?

これ、面白いです。素敵なラブストーリーであり、ファンタジーであり、コメディ要素&サスペンス要素も入ってて楽しめる。しかも全体のバランスがいい。なおホラー要素はほとんどありません。基本ラブストーリーなので、怖いのが苦手な人でも安心して楽しめます。

今作の世界では死ぬとお迎えが来て昇天するようですが、サムはお迎えの光に入らずそのままこの世に留まり続け、その状態がゴーストということらしい。でもゴーストは生きてる人には見えない。声も聞こえない。触れることも出来ない(触れても通り過ぎてしまう。もちろん相手は気付かない)。モリーの側に寄り添って語りかけてもモリーには聞こえないし、気付いてももらえない状態、さてどうするかというところですが…。

ここで活躍?するのがインチキ霊能者のオダ=メイ。彼女のキャラが面白くて、ゴースト系ながらも楽しく愉快に見られる作品になってます。サムと関わったことで、オダ=メイもサムの死にまつわる"事件"に巻き込まれていくのですが、絶妙な存在感でストーリーを盛り上げるのに貢献してくれてます。

"事件"部分もサムと観客だけが真相を知っていることで生じるサスペンス感がハラハラドキドキさせてくれる。ゴースト設定がしっかりしているので、サムと真犯人の"戦い"も納得して見ていられる。

でも今作の柱はやっぱりサムとモリーのラブストーリーの行方。切なくて、でも心温まる愛の物語をどうぞ。

<ネタバレ>

最初の方でサムが銀行の金の動きに疑問を持ったのが伏線になってました。実は同僚の友人カールが不正をやってて、自分の悪事のためにチンピラにサムを襲わせたのが真相。親友だと思っていた人間が自分を裏切っていたなんて、そりゃショックだわ…。サムは霊能者のオダ=メイに協力させて、カールが悪事のために作った架空名義を解約させる。が、ちょっと調子づいちゃったかな…カールにサムの仕業だと気付かれてしまう。

ゴースト設定がかなりしっかりしてるのも今作の面白いところ。死ぬとお迎えが来るのですが、お迎えには2コースあって、天国コースと地獄コースがあるようです。自分ではコースを選べないようなので、心がけをよくしておかなくちゃいけませんねー。この世に未練があるのか、成仏せずゴーストになってウロウロしてる人もけっこういるらしく、サムは地下鉄で地縛霊らしきゴーストに出会う。その地下鉄ゴーストが、物に触れないはずなのにガラスを割る。サムはゴーストでも精神を集中させれば念力で物を動かせると知り(これがポルターガイスト!?)、練習して自分も物を動かせるようになります。でもさすがにカールにキーボードでサムと名乗るのはやり過ぎだったかも(^^;。気持ちは分かるけど。

オダ=メイはツボでした(笑。詐欺の前科者でインチキ霊能者をやってたのだけど、サムの声が聞こえて狼狽える。彼女の母や祖母は本物の霊能者だったらしいが、オダ=メイ自身にはこれまで霊能力はなく、サムの声で初めて能力開花したわけです。だが素直にはサムの訴えを聞かず、サムも彼女を動かすのに四苦八苦。ヘンリー8世の歌は笑えた。でもオダ=メイをモリーに差し向けてもなかなか信じてもらえない。どうやってモリーにサムだと分かってもらえるか、この辺のやりとりも見所でした。

カールとチンピラは解約で消えた400万ドルを取り返そうと、モリーとオダ=メイを襲うけど、サムのポルターガイストに阻まれて、天罰が下ったような形でお亡くなりに。が、2人ともゴーストになるが否や、下から黒い影が湧いて出て速攻連れ去られました。あれは地獄コースだな、きっと。

全ての心残りが去ったサムの前に再びお迎えの光がやってきて、その瞬間だけモリーは光に包まれたサムの姿を見ることが出来ました。泣くわ、ここ。サムが「愛してる」と言えてよかった。お別れは悲しい、でもゴーストがこの世に残り続けたら地下鉄ゴーストのようになってしまうのかもしれない(サムを忘れてしまった)。だからこれでよかったのだと思います。いい作品でした。