禁断の惑星

1956年
時間 98分
監督 フレッド・M・ウィルコックス

人類が宇宙へ進出した時代。20年前アルテア星系で消息を絶ったベレロフォン号救出のため、宇宙船C-57-Dは惑星アルテア4に向かっていた。アルテア4ではモービアス博士とその娘だけが生き残っており、C-57-Dは警告を受ける。だがC-57-Dはアルテア4に着陸し、博士たちを地球へ連れ帰ろうとするが、何者かの襲撃を受ける。アルテア4には何があるのか、20年前に何があったのか? 宇宙SF映画の祖と言われる作品。

1956年のSF映画。「十戒」と同じ年ですね。これは見たことがなくて、NHKBSで流してくれたので、この機会に見てみました。制作年を頭に入れて見ると、この時代にこの特撮、この発想!と驚きの連続。宇宙船が円盤型なのは当時の感覚ではそうだったのかしら? そして昭和のブリキのロボットでよく見かけるロビーがこの映画の登場キャラだったと知る。

ロビーはモービアス博士が造ったロボットだったのですね。すごい便利なロボットで、お料理から衣服、鉱石や金属まで何でも合成して作り出してくれます。一家に一台ロビー欲しい!

しかしそのモービアス博士はアルテア4は危険だから来るなと言う。自分たちは地球に戻るつもりはないから救助してくれなくていいと言う。でも博士の娘の若くて美しいアルタを見てしまったらC-57-Dの乗組員たち(全員男)は手ぶらでは引き返せませんわなー。もうさっそく皆でアタックかける、かける(笑。今まで父以外の人間を見たことがなかったアルタに、見てる方も「大丈夫かー」とハラハラ。

だが博士の警告通り、謎の襲撃が起こり、物語はアルタ4の謎に迫っていきます。これがなかなか含みのある展開で面白い。今時の映画と比べるとアクションはそれほどではないですが、SFとしては今でも十分楽しめる。アイデア、設定、舞台等、様々な要素が後の作品たちの祖ともなっているそうなので、SF好きとして見られてよかったです。

<ネタバレ>

冒頭から警告を発し、危険だから来るな、すぐに立ち去れと言うモービアス博士なのに、自身は先進的な豪邸で優雅にお暮らしなんですよね。何か矛盾してない?と最初から違和感に満ちてるモービアス博士。しかも仲間は全員謎の怪物にやられたのに、自分は大丈夫という自信あるいは確信を持っているように見える。多分博士は何かを知っている…。

博士が最初に明かしたのは先住民クレルの残した超古代文明。博士はクレルの半永久的に動く装置を使って自身のIQを2倍にし、ロビーを開発できる能力を得た。だがクレルはこれだけの文明を築いておきながら何故滅びたのか? 鍵はそこにありました。姿の見えない謎の怪物の正体は潜在意識に潜む恐怖や憎しみだった。恐怖や憎しみを克服したつもりだったクレル人も心の闇を完全には押さえ切れてなかったようで、それが装置で増幅して自滅することになった。

20年前の惨劇は、装置で頭を良くしたものの潜在意識も増幅させてしまったモービアス博士の仕業だった。仲間と意見が対立した博士は無意識のうちに仲間を襲う怪物(作中ではイドの怪物と呼ばれてました)を作り出してしまっていた。博士がこの20年間無事だったのは自分が犯人だったから。だが救助と称して地球から自分を邪魔する人たちがやってきて、娘もC-57-Dの艦長と恋仲になり親の言うことを聞かなくなるし、またモヤモヤし出して怪物出現という運びに。ここで艦長に「犯人はお前だ!(超意訳^^;)」と言われ、半信半疑だった博士に事実を突きつける役どころになったのがロビーの人間は襲えません設定。怪物の正体は博士自身(人間)だからロビーもやっつけることが出来ないのです。これは上手い展開でした。

そんな博士も最後はクレルの超古代文明が地球人の手に渡らぬようアルテア4と共に自爆し人類へ教訓を残す漢の道へ。避難するC-57-Dの中にアルタだけでなくロビーもいたのが和みました。もうすっかりR2-D2状態。さすがロボットの祖、存在感ありましたよー。

関連する記事

スターゲイト

映画 2019/07/22

アバター

映画 2020/11/19

デューン 砂の惑星

映画 2021/02/15