ハッピー・デス・デイ U2

2019年
時間 100分
監督 クリストファー・B・ランドン

前作で恐怖のタイムループから抜け出したツリーだが、カーターのルームメイトがタイムループに遭遇したことから、再び「18日の月曜日」のループに戻ってしまう。だが何か様子がおかしい…? ツリーの戻った18日は前回の18日とは違っていた。どうやら平行世界の違う18日に入ってしまったらしい。そこでは前作とは違う何者かがベビーフェイスのお面をつけて襲ってくる。お面の犯人は誰なのか、ツリーは元の世界に戻れるのか!?

「ハッピー・デス・デイ」の続編です。前作が面白かったので見てみたのですが、タイムループが柱になっているのは同じだけど、前作の焼き直しになっていなかったのはお見事。今作では前作では説明のなかったタイムループの理由が明らかに。そこはきっちりとSF説明が入ってきて、これはもう完全にSFの領域ではないですか。ベビーフェイス面はおまけみたいな感じで、いかにしてタイムループから抜け出すか!がメインのSFコメディになってます。前作と続編で作品ジャンルが変わる(ホラー→SF)映画も初めて見たわ…(笑。

今回はタイムループから抜け出すのが目的でツリーはループを繰り返すわけですが、失敗したら殺されるのを待たずに自殺してやり直すというのは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」ふうでもあります。ただ前作同様、リセットを繰り返すと体が弱ってくるのは変わらないので、ツリーには無限の時間があるわけではない。しかも平行世界にはツリーを悩ませる元の世界との大きな違いが…。それがツリーにある選択を迫ることになり、タイムSFらしい葛藤が見られるのもいいところ。

ホラーとミステリー要素は弱まりましたが、SF青春コメディとしてはいい出来。前作のチョイ役がまさかのメインキャストに大出世するのも意表を突いて面白い。平行世界なので前作とは運命の変わる人もいて、そこも面白いところです。ただ、今作だけでは話がちょっと分かり難いかも。一応序盤でツリーが前作のあらすじをダイジェスト紹介してくれてますが、前作から続けて見るのがお勧めです。

<ネタバレ>

カーターのルームメイトのライアン。単なる脇役かと思っていたら、なんとタイムループの原因は彼の研究でした。量子力学研究室で量子反応炉「シシー」を作っていたのだけど、こいつが原因で時間にループが生じていた。最初のベビーフェイスは平行世界から来たもう1人のライアンだった。彼は自分がシシーを起動させるのを止めに来たのだけど、結局シシーは起動、その影響でツリーは元の世界から平行世界の18日にループすることになってしまう。そこでツリーはループの記憶を貯めてライアンの研究をループ内で完成させてループを閉じようと頑張るわけですね。

平行世界で一番嬉しかったのはロリの運命が大きく変わっていたこと。この世界ではバトラー先生の不倫相手はツリーではなくロリだった。だからロリはツリーに恨みはないし、ベビフェースの犯人でもなかった。元の世界ではお面の犯人で死んじゃったけど、別の世界では犯人ではなく生き続けてくれることが救いになりますからね。

今作ではツリーの成長度も大きかった。母の死を引きずっていたツリーにとって母が生きている世界はどれだけ嬉しかったろう。しかしこの世界ではカーターは別の女性(ダニエル)の恋人。元の世界に戻ればカーターは自分の恋人に戻るけど、母はいない。母のいない世界に戻るか、このまま母の生きてる世界に残るか!? SFならではの葛藤ですね。母のいる世界を選びたかったツリーだけど、平行世界の母は自分の記憶の母ではないことに気付き、母の亡くなった世界に戻る決意をする。その決心が出来たことで、ツリーも母の死から逃げずに向き合えるようになるでしょう。乱れた生活を正していい人になるだけでは根本的な解決にはならない。母の死を乗り越えることこそがツリーが真にループから抜け出す道だったと思えます。

ところで今作の2人目のベビーフェイス。バトラー先生でしたか…。どうりで病院にしか現れなかったわけだ。この辺は前作同様、考えてみればそうだよなーと思える状況をちゃんと作っててくれてて、ミステリー度は低かったとは言え、なるほどと思わせてくれるところは健在でしたね。

ラストの締めもSFらしくまとめてくれてSF好きには嬉しいジャンル変更でした。ライアンの研究も認められてよかった。ツリーは無事元の世界に戻れたので、あのダニエルは前作のダニエルですよね(^^;。