ハッピー・デス・デイ

2017年
時間 96分
監督 クリストファー・B・ランドン

昨夜酔っ払って男子寮で目覚めた女子大生のツリー。今日は彼女の誕生日だったが、友人の祝いも父との約束も無視していつも通りに過ごしていた。その夜ツリーはベビーのお面をつけた謎の人物に殺されてしまうが、何故かまた男子寮で目覚めるのだった。そしてまた夜に殺される…! 死ぬたびに同じ1日をループしていると気付いたツリーは犯人を見つけてループから抜け出そうとするのだが…。

タイムループ要素がありますが、ジャンルとしてはホラーのようです。でも怖くないしグロ要素もほとんどないのでホラーが苦手な方でも大丈夫だと思います。同じ1日をループして謎の犯人に殺される続けるのはむしろミステリー。タイムループに関してはSF的な説明はないので、ホラー演出のために使ってますという感じですね。ミステリーとしては意外にしっかりしてて、ループの中に推理のヒントも隠れているのでご注視を。

最初の1日でツリーの普段の様子が描かれますが、まあ何と言うか…な女子大生ライフですね(^^;。「恋はデジャ・ブ」ふうに考えたらツリーが乱れた生活を改めればハッピーエンドになりそうな気がしますが、さすがにそう単純にはいかないですね。ただ同じ1日を繰り返すことでツリーにも何らかの変化は生じてくるし、攻略系の面白さもあるので、その辺はループものの楽しみどころの1つ。

ホラーとしてはあのベビーフェイスお面が怖い!に尽きる。かなりのインパクトがあるので、あのお面が出てくるだけでけっこう「ギャー」気分になれます。こいつがまた神出鬼没なので、思考力が奪われそうになる。何をしてもどこへ行っても現れる、殺される理由が分からないのも加わって、犯人の正体は人知を越えたところにあるような気になってくるのですが、果たして…?

タイムループをホラー要素に取り込んで今作ならではのサスペンス・ミステリーを楽しませてくれました。面白かったです。

<ネタバレ>

ホラーっぽい演出に騙されそうになるけど、なかなかよく出来たミステリーでした。犯人の神出鬼没ぶりには、こんなの人間には無理じゃん、タイムループもしてるし、これもう超常現象だろ?な気持ちになってしまうけど、犯人がオイルに火を放った時に「あれ?」と思った。なぜロウソクなの? 一瞬ロスのケーキを連想してしまった。ロウソクの色は違ったけれど、この時の連想が頭に引っかかって、いやこれ超常ではなく実はちゃんと説明のつく犯人がいるんじゃないか…と思うようになってきた。

殺人鬼のニュースが流れた時、ツリーはこいつが犯人だ!と思う。確かに彼はベビーフェイスのお面をつけてツリーを襲ってきた。だが彼はすぐお面を外して素顔をツリーの前にさらけ出す。襲ってくる怖さはあるけど、彼にはこれまで醸し出してきたホラーっぽさがない。違う。彼ではないのでは?と思った。それに彼が犯人なら大学の女子寮に潜むのは無理だと思う。学生のパーティに紛れ込むのも。

そういえばパーティの時、ロスは来なかったことになっていた…ですよね。でもロスなら欠席にしておいてこっそりパーティに紛れ込むのは簡単なはず。お面つければ誰かなんて分からないし。ツリーの部屋に潜むのも同室のロスならあまりにも簡単なことではないか。ということで"やっぱり"犯人はロスでした! 決め手はロスがケーキに仕込んでいた毒。殺されなかったのにループしたツリーは昨夜自分が食べたロスのバースディケーキに気付く。「私の手作りよ」も伏線でしたか…。

ラストのひっかけは楽しめたです。またループか!?と一瞬思わせてハッピーエンド。ツリーの乱れた生活は自分と誕生日が同じだった母の死がこたえていたからではと思う。ツリーがカーターと出会えてよかったと思います。真面目に相談に乗ってくれるいい青年。ループを繰り返していくうちにカーターが失いたくない大切な存在になっていくツリー。最初の邪険さからの変化は見てる者も嬉しくなる。本当に好きな人が出来ると人は変われるものなのね…と思わせてくれました。

ところでカーターくん、「恋はデジャ・ブ」も「ゴーストバスターズ」も知ってるとは…。現代の設定(米公開時の2017年辺り)だと思うので、若いのに立派だぞ!

余談:カッパ会とは?
ツリーの女子寮に「ΚⅡΛ」の文字があったので、あれはソロリティですね。アメリカの大学によくあるメンバー制のクラブみたいなものです。Κはギリシャ語のカッパ。だから自分たちのソロリティをカッパ会と言っていたのか。序盤でダニエルが「シスター」と言ってたのはソロリティではメンバー同士を"姉妹"と呼び合って結束を高める風習があるらしいので、そのことだろうと思います。なお、ソロリティの男子版がフラタニティです。ちなみに情報源はWikipediaと昔読んだ少女漫画^^;。