IT/イット "それ" が見えたら、終わり。

IT/イット "それ" が見えたら、終わり。BD

2017年
時間 135分
監督 アンディ・ムスキエティ

雨の日にビルの弟ジョージーが行方不明になった。その後も子どもの行方不明事件が続き、ビルや友だちたちの前にも謎のピエロが姿を現すようになる。大人には見えない恐怖に襲われる子どもたち。ジョージーの行方不明と"それ(謎のピエロ?)"は何か関係があるのか? ジョージーの行方を捜すビルは仲間と一緒に"それ"に立ち向かおうとするが…。

ホラー映画。話題になってたので見てみたのですが、スティーヴン・キングが原作だったと知ったのは見た後でした(^^;。しかもラストで「第1章」と出て「えっ!?」となり、調べてみたら今作は前編(少年時代編)でまだ後編(大人編)があることを知る(今作を見た時点では後編はまだ公開前)。そ、そーだったのか…。しかも映像化は今作が2回目で、1回目は1990年辺りにテレビで放映されていたみたいです。

ジョージーがピエロに襲われるところから始まるので、視聴者にはピエロが犯人だ!と分かってるのですが、主人公のビルはまだそれを知らない。ビルと仲間たちはいじめっ子グループに目を付けられていて、自分たちを「ルーサーズ・クラブ」と呼んでます。そこへいじめっ子グループに虐められていたベンやマイク、やはり虐めを受けていた少女ベバリーが加わり、総勢7人がメインキャストとなり、謎のピエロ、ペニーワイズに翻弄される恐怖が描かれる。

ホラーなのでペニーワイズの巻き起こす恐怖は超常的。それが何故か大人には見えない。親の問題を抱える子どももいるのですが、親に見えない恐怖はそのまま親に理解されない辛さにもつながっていそう。ホラー描写はホラー耐性のない人には十分怖いのですが、個人的にはいじめっ子たちの虐めぶりもホラーに負けず劣らず怖かったよ~~。

<ネタバレ>

ルーサーズ・クラブに加わった転校生のベンが調べたところによると、ビルたちの町では27年ごとに大きな事件が起きている。"それ"が町に巣くって27年ごとに犠牲者を求めているのではないか…? 今回"それ"が求めたのが子どもたちなのではないか。"それ"ことピエロのペニーワイズは狙った獲物の前にチラチラと姿を見て、相手が最も怖がるものを見せる。だから"それ"が見えたら終わり、なのですね。"それ"はターゲットにしか姿を見せないから。

子どもたちの調査で廃屋となった「井戸の家」が怪しいと分かり、ビルたちはその家に乗りこむ。しかしペニーワイズの恐怖に襲われて一度はバラバラになるビルたちだけど、ベバリーがさらわれたことがきっかけで再び集結。ペニーワイズは心の傷をえぐり出して恐怖を引き起こす。逆に言うと相手が恐怖を克服すると無力になる。恐怖に打ち勝つことで"恐怖を食べるもの"を追い払うのは王道的ですが、私は好きです。

ホラー描写もいいけど、見終わってみると子どもたち一人一人が自分が抱えている心の傷に立ち向かっていくのが印象に残る。ヘンリーがいじめっ子だったのも警官の父親のせいだった。総じてこの話の親たちは抑圧的な人が多いんですよね。ビルの気持ちを分かろうとしない父親、子どもを虐待する親、病気でもない子を病気だと思い込ませて縛り付けようとする親…。これでは"それ"が見えなくてもしかたない。子どもが見ているものが見える大人になりたいと思いました。

ラストでルーサーズ・クラブの皆は"それ"がまた現れたらこの町に戻る誓いを立てて別れる。27年ごとに"それ"が現れるのなら、今度は大人になって対決ということになる。それが後編、第2章ということですか。この子たちがどんな大人になって今度はどう"それ"に立ち向かうのか、次はどんな物語になるのか、ホラーだから怖いけど、そこは楽しみになりました。

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