ドクター・スリープ

ドクター・スリープ BD

2019年
時間 152分
監督 マイク・フラナガン

展望ホテルの事件の後、ダニーは自分の能力"シャイニング"を隠してひっそりと暮らしていた。だが"シャイニング"を持つのはダニーだけではない。ダニーが大人になった時、"シャイニング"を食べる邪悪な連中が1人の少女を狙っていた。彼女の"シャイニング"はとても強く邪悪な連中を一度は退けるほどだったが、それで諦める連中ではない。少女のテレパシーを受信したダニー(ダン)は彼女の元に向かうが…。

「シャイニング」の続編ということで見てみた作品。以下、「シャイニング」のネタバレも含みますのでご注意。大人になったダニーはダンと名乗ってました(ということで以下、ダンと呼びます)。前作ではほとんど意味なしに思えた特殊能力の"シャイニング"ですが、今作ではそちらに焦点を当てた作品構成になってました。よかったな、シャイニング、やっと日の目を見られて(笑。前作でお亡くなりになった料理人ディックはダンの背後霊?になって師匠としてダンを導いてくれてたようです(それも多分シャイニングの能力のおかげと思われる)。

ホテルの残党(237号室のゾンビとか双子の少女とか)は片付いたが、今回新たな邪悪な連中が登場。生気(シャイニング)を食べて長い年月を生き続ける、ヴァンパイアみたいな連中です。この連中も色々な能力を持っているようで、中でもリーダーのローズ・ザ・ハットは派手な超能力を披露してくれて見応えある。今回登場のシャイニング少女アブラも強い超能力を持っていて、両者が惜しみなく能力全開でぶつかり合う様は、もうほとんど超能力バトルものですね。一応ホラージャンルなのだろうけど、SFでも行けそう。

さてここに今までシャイニングを隠すことで生きてきたダンがどう絡むのか。アブラは若いので血気盛んで行け行けシャイニング!みたいなところがあるので、おじさん化したダンはついていくのが大変そうに思えましたが、しかし!?

でも超能力バトルだけではどの辺に前作の続編要素があるの?になりそうですが、前作ではっきりしなかったことが「やっぱりそうだったのか」と分かるところもあるので、ダンを中心に見れば確かに続編なんだなと思えます。

<ネタバレ>

ダンは少年時代にディックに教えられて展望ホテルに取り憑いていた亡霊たちを全員"箱"に封印する。ってあれ、封印できるものだったんですかー。でもこの封印した亡霊たちがラストバトルの切り札になるので、ここ重要。その後はシャイニングを隠して暮らすために(その反動か)酒浸りになってあっちこっち放浪してニューハンプシャーに落ち着く。ここで病院の手伝いをすることになり、ドクター・スリープの愛称が生まれる。

アブラがローズ・ザ・ハットの悪事に気付き、ローズもアブラの強い輝きに気付き、アブラVSローズの超能力バトルスタート。隠れて生きてきたダンはアブラにも力を隠すよう助言するけど、ディックの助言もありアブラを守るためについに立ち上がる。この辺のバトルのやり取りは見応えあって面白い。地球を回るローズもローズを罠にかけるアブラも、アブラに憑依して敵をやっつけるダンも、どれも凄くてかっこいいわー。

いったんはローズを退けるもこのままではまた狙われる。そこで最終決戦地に選ばれたのがあの展望ホテル。ここでジャックがバーテン姿で登場するので、やっぱりジャックはホテルに取り込まれてたんだなと分かります。ローズの到着に合わせてダンが封印していた亡霊たちを解き放つ。亡霊たちは敵の区別などしないのでローズにとっても脅威となる。これはなるほど!と思いました。

ダンがアブラを逃がすためにホテルと共に燃えてしまったのは残念…。せっかくホテルでジャックと再会して自分の傷を乗り越えられたのだから、ここは生きてアブラと一緒に脱出してほしかったな…と思っていたら、今度はダンがディックのようにアブラの"師匠"となってアブラを見守る存在に。そうきましたか…。これはこれでシャイニングらしいのかもな。ホラージャンルにしては怖くなかったけど、超能力バトルの描写は素晴らしかったです。