IT/イット THE END "それ" が見えたら、終わり。

2019年
時間 169分
監督 アンディ・ムスキエティ

前作から27年後。デリーの町に再び"それ"の兆候が現れた。ルーサーズ・クラブでただ1人町に残っていたマイクは仲間を呼び戻す。"それ"を倒す方法をずっと研究していたマイクの提案はかつて"それ"を倒したと伝えられる「チュードの儀式」を行うことだった。そのためには27年前の記憶を完全に取り戻す必要がある。恐怖を食べる"それ"と大人になったルーサーズ・クラブとの戦いが始まる──。

前作「IT/イット "それ" が見えたら、終わり。」の後編です。前作の続きから話が始まるので、前作を鑑賞済みなのは必須条件。でないと話が分からなくなります。後編という性質上、このレビューでは前編のネタバレは避けられないので、前編未視聴の方はまずは前編を見てからどうぞ。

今回は最初から敵が27年周期で町に現れ人々を襲うモンスターだと分かっているので、ホラーと言うよりはもはやヴィラン退治ヒーローアクションものみたいになってる気が。ホラーの怖さって「得体の知れなさ」にあると思うので、もう正体の分かっている相手だと怖さよりどうやって敵をやっつけるか!の方に気が行っちゃう。前作にはジュブナイルの要素もありましたが、今回はもうみんな大人だしね。ただ前編の積み残しみたいなものが実を結ぶところもあって、そこは後編の楽しみどころだと思います。

メンバーをきちんと覚えていないと話についていけなくなるので、ちょっとおさらいを。

ビル
前編の主人公で吃音だった。小説家になっていて結婚済み。

リッチー
メガネの少年。大人になってもメガネでコメディアンになっている。

エディ
喘息の少年。リスク分析の仕事をしていて結婚済み。

スタンリー
ユダヤ系でラビの息子。結婚済み。

ベン
転校生の太っちょの少年。会社社長。

ベバリー
メンバー唯一の少女だった。夫婦でファッションブランドを立ち上げている。ということで結婚済み。

マイク
アフリカ系の少年。メンバーを招集した後編の牽引役。

皆さんけっこうイメージ通りの大人になってますが、ベンの大変身には驚き! かつての太め体質はどこへやら、引き締まった肉体を持つイケメンになってて会社社長で成功者って、何があったのよー。エディとベバリーの結婚相手にも注意。

"それ"ことペニーワイズはメンバーが戻ったのを喜んで?さっそく心理攻撃開始。子どもの時、どうやってペニーワイズを倒したのか、それを思い出すことが鍵になるようですが…ペニーワイズVSルーサーズの戦いの結末は如何にッ!?

<ネタバレ>

デリーの町を離れると"それ"と戦った記憶が消えるようです。戻る誓いを立てたビル本人ですらマイクから連絡が来るまでそのことを忘れていた。そしてベバリーとエディがそれぞれ虐待父親・拘束母親と似たタイプと結婚しているのも興味深い。せっかく虐待や拘束から離れられたはずなのに、そのことも忘れちゃってたのでしょうか。マイクが見つけたペニーワイズ撃退方法はまず仲間が集まること、そして過去の記憶を完全に取り戻すことだった。でもペニーワイズの心理攻撃、彼らが過去を思い出す手伝いにもなってない? こいつらが思い出したところで自分はやられないぜ!という自信でもあったのかしら。

実はスタンリーが既にやられてました。おかげでメンバーは6人で"それ"に立ち向かわなくてはならなくなる。ビバリーはペニーワイズに捕まった時、死の光を見て自分たちの未来を見てしまっていた。今"それ"を倒さないと全員スタンリーのように恐怖に負けて死ぬと。ここで"それ"を逃したら自分たちに次の27年後は来ない。

ベンたちの「チュードの儀式」は失敗するけど、最後はペニーワイズを弱くすることで撃退。この辺はちょっと分かりにくいかな。「倒せると信じたら弾切れの鉄砲でもダメージを与えられる」ことは前編でも示されているので、後編では「信じる力」をより強くメインにしたみたい。私は前編の倒し方のが好きですけどね…。

個人的によかったのはペニーワイズの心理攻撃を受けている時に、ベバリーが詩をくれた人がベンだったことに気付き、ベンの27年越しの恋が実るところ。私はこういうのに弱い、感動で涙出そうになった(笑。前編のラストでいい感じのビルとベバリーをそっと見て去っていったベンのこと、忘れてないよ。あれからずっと心の底にベバリーへの愛を持ち続けていたんだろうね。ベバリーもDV夫から逃れてベンと共に生きることになっただろう…と夢想させていただきたい。

ビルも弟への罪悪感を乗り越えることが出来て、最初に脱落したスタンリーもラストで脱落したエディもそれぞれに救いがあったのに、ヘンリーは最後まで悪役でしたね…。彼にも何らかの救いがあればよかったのに残念。

ホラージャンルの作品だとは思うけど、7人のメンバーの成長物語でもあったなと思います。

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