ホビット 竜に奪われた王国
年 | 2013年 |
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時間 | 161分 |
監督 | ピーター・ジャクソン |
オークの襲撃をかわしながらエレボールを目指すビルボたちだが、ガンダルフは世界に忍び寄る闇の予感を確かめるため一行と別れて単身ドル・グルドゥアへ向かう。ガンダルフなしで闇の森を進むビルボたちは森のエルフと遭遇。ドワーフを追うオークを追って森のエルフ・レゴラスとタウリエルもビルボたち一行の後を追うことに。ビルボたちは地図の示す期限の日時までにエレボールの秘密の扉にたどり着けるのか!?
ホビット3部作2作目。つなぎの回なので、途中経過ぶりは1作目を上回っております。道中次から次へと現れる危機また危機!は果てしなく「続く」感に溢れてますが、それもファンタジー冒険の楽しさかな。すっかり一行の一員になったビルボが機転を利かしてトーリンたちの助けになるのがなかなか爽快。1作目で得た指輪の力も上手く活用するのでそこも楽しみどころ。
しかし今作の一番の目玉!は(かなり個人的な目玉ですが^^;)、レゴラス様の登場でありましょう~。レゴラス様を拝めるだけでも私には史上の宝(笑。時系列的には「ロード・オブ・ザ・リング」の前なので、レゴラスのドワーフに対する態度がけっこう横柄。これを頭に入れて「ロード・オブ・ザ・リング」を見直すと、レゴラスとギムリの関係にさらに感動できそう。今作ではレゴラスの故郷の森や暮らしぶりも詳しく分かって、レゴラスファンには嬉しいです。
今回はガンダルフが別行動を取るので話も二手に別れて進行。ドワーフ一行の旅は「取り戻せエレボール!」の続きですが、ガンダルフパートは「ロード・オブ・ザ・リング」へ続く前振りにもなっていく。ガンダルフの冒険も最後はビルボやトーリンたちの冒険に交わっていくのだろうけど、今作ではまだ先は見えない感じ。
まだ物語の決着は着かないものの、エルフたちが加わることで画面に華やかさが出てきて、お話の方にもちょっと潤いが出てきて、より深みも感じられるようになった2作目でした。
<ネタバレ>
冒頭で1作目の捕捉みたいなシーンがあったけど、仲間にホビットを加えたのはアーケン石を見つけてもらうためだったのですね。でもビルボの果たした役割はそれだけではなくて、大クモから皆を救う一助になったり、樽のアイデアでエルフの森からドワーフたちを逃したり、エレボールの扉が開かなくてすぐ諦めようとしたドワーフたちを引き留めたり、機転と勇気で一行の力になりました。2作目ではもうすっかり冒険を自分のものに出来ていたビルボ、よかったよ。
今作ではエルフだけでなく人間や人間の町も舞台に上がってきたので、ホビットとドワーフだけでまとまっていた世界がより大きく広がった感じ。またそれぞれのキャラにドラマが内包され、湖の町のバルドの思い、ドワーフのキーリとエルフのタウリエルのほのかなロマンス、父王の命に従わず森を出てきたレゴラスの思い、それらが世界を構築していくことで群像劇にスケール感も出てきました。こうなると彼らの行き着く先を見たくなります。いいところでラストがちょん切られるので、待たれよ次号!て気分になっちゃう。
今回のクリーチャーの見どころはやっぱり火竜スマウグかな。金貨の海(私も埋もれてみたい…)で眠ってたけど結局目覚めちゃって、あの巨体で坑道の中を器用に暴れ回る。大クモもよかったですが、あの手のはファンタジーではけっこうお馴染みになってるので、1作目の岩の巨人のように意表を突くようなのも欲しかったなーと思いました。
新手のクリーチャーは不足気味でしたが、物語は3作目に向けて膨らんでくれた。出てきたキャラがちゃんと物語に絡むと面白くなりますね。1作目のエルフたちは顔見せで終わっちゃったので(サービス?)、レゴラスやバルドたちの活躍に期待です。