ゴジラ×メカゴジラ

ゴジラ×メカゴジラ [東宝Blu-ray名作セレクション]

2002年
時間 88分
監督 手塚昌明

特殊生物の度々の出現を受けて、1966年に対特殊生物自衛隊(特生自衛隊)が組織された。だが1999年に1954年以来のゴジラが現れ、ゴジラにはメーサー砲も効かない。そこで1954年のゴジラの骨から新しい対ゴジラ兵器、3式機龍(メカゴジラ)が開発され2003年に完成。それを待つかのようにゴジラが出現、メカゴジラは初陣を迎える。機龍はゴジラを撃退できるのか!?

ミレニアムシリーズではパラレルが定番となり、今作のゴジラ世界もこれまでのどのゴジラとも違う世界。1954年を起点にしてますが、ゴジラがデストロイヤーで倒されたところまでは同じだけど、骨は溶けずに残っていたと言う設定。最初のゴジラは退治されているので、今作のゴジラは仲間の1頭という感じでしょうか。ゴジラの造形は2000・メガギラスに似た先鋭なスタイルが復活。黒目も復活しました。個人的にはこのゴジラ造形が好み。首都は東京のままのようです(手塚監督、メガギラスで首都を大阪にしちゃったからなあ^^;)。

上の子が機龍大好きだったのですが、その気持ち分かる気がする。メカゴジラも今作で3代目になると思うのですが、もう文句なしにかっこいいもん! メカデザインが洗練されてるだけでなく、「ああっこれは惚れるわー!!」な痺れるシーンがあり、心を持っていかれます。しかも今作のバトルにはゴジラ以外の怪獣が登場しないので、余計なものに邪魔されることなく、ゴジラVSメカゴジラに集中できる。これだけ真正面から「人間」と「ゴジラ」の戦いを描いてくれた作品もあるようでなかったと思う。自衛隊も存分に見せてくれます。

人間ドラマもゴジラ作品には珍しく(失礼)、ちゃんと機能している。メガギラスの桐子は肩に力が入りすぎでしたが、今作の茜はそこまでではなく、彼女を取り巻く人々、茜と沙羅の心境と変化もしっかり描かれており、物語とも無駄なく絡んでいる。88分と短い尺の割にはよくまとまった作品だと思います。怪獣バトルはゴジラとメカゴジラに絞られてますが、過去に出現した怪獣の記録という形でチラ見せサービスがあるのも嬉しい。

モスラ

記録映像でチラ見せ。1961年に南太平洋から飛来。この世界にはモスラがいるんですね!

ガイラ

記録映像でチラ見せ。1966年に来襲。メーサー砲で撃退されたらしい。

3式機龍(メカゴジラ)

メカゴジラは沙羅がつけた呼び名で、大人たちには機龍と呼ばれている。武器多数で動きもなかなか機敏。

ゴジラ

1954年に倒されたゴジラの仲間。1999年に日本を襲い、2003年に再び現れた。

<ネタバレ>

過去の確執を抱えつつ機龍のオペレーターに着任した茜は横浜に上陸したゴジラを迎え撃つために出陣。が、機龍はゴジラの咆哮に反応しコントロールが効かなくなり暴走してしまう。ゴジラの骨を使って作られた機龍は仲間の咆哮で自分がゴジラだったことを思い出したのだろうか──。この時ゴジラは機龍反応後はさっさと去っちゃうんですよね。まるで仲間を覚醒させるためにやってきたかのごとく。

機龍はゴジラに反応しないようシステムをやり直され再び出動。身寄りがなく孤独だった茜はゴジラだったのにゴジラではないものにされたもの──機龍に自分を重ねる。母の死で心に傷を抱えていた沙羅も大人とは違う目で機龍を見ていた。沙羅の「この子」って言い方がいい。沙羅の言葉に励まされて機龍と一体になって戦う茜。そんな彼女に反目していた機龍隊の仲間の心も解ける。そして戦う茜の姿は沙羅の心も解放していく。

人間ドラマもよかったですが、やっぱり今作の一番の魅力はメインはゴジラとメカゴジラのガチバトル、「機龍かっこいいー!!」「ゴジラかっこいい!!」に尽きると思います。そこをきっちり決めてくれればゴジラ出現理由とか細かいところはどうでもよくなる。ゴジラは行きたい時に行きたい所へ行くだけだけ。私はそう思ってるので。ワクワク出来て、サイボーグの切なさみたいなのもちょっぴりあって、面白かったです。