シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション

2019年
時間 93分
監督 フィリップ・ラショー

シティハンターこと危ない仕事を請け負うプロ掃除屋(スイーパー)の冴羽獠(ニッキー)は惚れ薬「キューピッドの香水」の警護を依頼される。だが香水は何者かに奪われ、獠は相棒の香(ローラ)と共に香水の行方を追うのだが…。日本の漫画をフランスで実写化した傑作。

シティハンターはアニメでも見ていて面白くて大好き。これをなんとフランスで実写化したと言うのだから、もうずっと見たくてたまらなかったのですが、ムービープラスで流してくれて念願叶いました! それも日本語吹き替えと字幕版の両方流してくれたので、どちらも見て大満足。ふだん洋画は字幕派なのですが、今作ばっかりは日本語吹き替えが超ハマる。声は獠と香がアニメの声優とは違うのですが違和感なし。他のメインキャラはアニメ声優が声を当てているので、俳優フランス人なのに見事にシティハンターの世界そのまんま。

話の中身はいつものシティーハンター。いつも過ぎて実写かアニメかフラン人役者かなんて気にならないほどのいつものシティーハンターですが、よく考えてみればこれは凄いことですよ…。相当な原作愛がないとこうはならないです。ファルコン(海坊主)はそのまんま過ぎだし、細かいギャグも下品度(笑)も「おお、これこれ!」なのばかりで、ファンならニヤリとするシーンも多い。香のハンマーも出てくるし、カラスも要所要所でさりげに登場。状況背景にさりげなく日本のアニメネタを仕込んでるのもポイント。しかもアクションだけでなく獠と香の関係もしっかり描かれているので、シティーハンターファンならこれは見なくては!な再現度になってます。

日本語吹き替え版

フランス映画だけど、主要キャラの名前は獠、香、冴子など日本の漫画・アニメと統一されてます。作品世界の再現度が半端ないおかげで、フラン人顔で「獠」なのにもすぐ慣れる。どころか、だんだん普通にいつものアニメを見てる感覚になって、いつの間にか違和感なくシティーハンターの世界に浸っている自分がいます。エンドロールではアニメのエンディングテーマが日本語で流れてくれるのも嬉しい。

字幕スーパー版

こちらではキャラの名前はフランスで放映されたアニメ版を踏襲しており、獠はニッキー・ラーソン、香はローラ、香の兄・秀幸はトミー、冴子はエレーヌになっており、字幕でもニッキー、ローラで訳されてます。ちなみにフランスでのシティーハンターのタイトルは「ニッキー・ラーソン」で、フランス版獠の名前になってます。フランス人がフランス語をしゃべるのも当たり前だし自然なので(役と表情・芝居もマッチするし)、これはこれで楽しめる。エンディングのテーマソングは最初ちょっとだけ日本語になります。

<ネタバレ>

惚れ薬の争奪戦でドタバタとなるのもシティーハンターらしいですが、それに絡めて獠と香の関係がちゃんと描かれるところがいい。もしかして今作のターゲットが香水なのは、ローラ(香)の日本語名と引っかけたのかな?と思ったりもする。ラスト、獠はそこまで気付いてないようだけど、香は香水のおかげで密かに獠の本心が知れて嬉しそう。香水の設定が秀逸。

ストーリーもどんでん返しがあって小気味よくまとまっている。93分と短い中で香の兄のエピソードも盛り込み、ラストできちんと収束させている。依頼人が黒幕だったんですね。嵌めたつもりで嵌められて、この駆け引きもシティーハンターらしくていい。フランス版でも獠はやっぱりかっこいいです。下ネタギャグ(笑)も忘れず、しかし決めるところでは決めてくれる。ドレス姿の香と獠が共闘するシーンは見せ場で文句なくかっこいい。

ところで、「もっこり」が「モッコリー」と人名で生かされてたのはフランス版ならではの技ですね(笑。こういう所にも細かい原作愛を感じます。そういった制作者の姿勢と心配りが全体に渡って作品世界の完成度を高めてくれているのだろうと思います。