キングスマン: ゴールデン・サークル

キングスマン:ゴールデン・サークル BD

2017年
時間 141分
監督 マシュー・ヴォーン

キングスマンがハッキングされ本部と全ての支部が破壊された。エグジーとマーリーは緊急時の指令に従い、アメリカのステイツマンに飛ぶ。そこには死んだはずのハリーが…? ステイツマンも独立諜報組織で、キングスマンを壊滅させた敵ゴールデン・サークルとの戦いに協力。ゴールデン・サークルは多くの人命を人質にドラッグの合法化を大統領に迫る。エグジーたちは敵の野望を阻止し人々の命を救えるのか!?

「キングスマン」の続編です。話は前作から1年後。相変わらずのキレッキレアクションでスパイアクションものとしては一級品。ステイツマンはアメリカのケンタッキーが本拠地でエージェントたちはカウボーイふう。ハイテク投げ縄や鞭が二丁拳銃がキレッキレに大活躍。話にも捻りがあり、途中で視聴者を惑わせたり、アクションも二転三転し、終盤で逆転劇があったり、その辺は練られた作りになってます。

ただ。ハリーが生きていたのは嬉しいけど、そのために前作のキャラが犠牲になった感はあります。エグジーもあの結末はハッピーエンドと言えるのかどうか、ちょっと微妙…。前作キャラに思い入れのある人には厳しい展開になるかも。ハリーの復活を話の中心に置くための措置だったのかもしれないけど、他の展開はできなかったのかなあ…。あと、エグジーの妹はどこ行った!?

今回の敵はドラッグ密売業者ですが、メカの斬新さという点では前作ほどのパンチはないかも。前作で落第したチャーリーが敵にまわりますが、昔からよくあるタイプのメカ義手で、ガゼルの義足ほどの衝撃はない。ロボット犬はターミネーターのロボット版みたいだし、少女ロボットも「アイ、ロボット」のサニーを連想させて新鮮味は薄く、どれも既存の発想の域を超えていない。ガゼルの義足以上の斬新さを期待してしまったので、そこがちょっと物足りなかった。とは言え、アクションのキレ具合は十二分なので、キングスマンらしい面白さは十分ですが。

<ネタバレ>

前作のスウェーデン王女が続投、しかもエグジーの恋人でメインキャラになるとは予想外でした。あれっきりの関係じゃなかったの!? 意外に真面目だったエグジー…(汗。今回のエグジーは作戦の中心になって、ステイツマンに助けられ記憶を失っていたハリーを見つけ、一緒に戦って元のハリーに戻し、ゴールデン・サークルのボスとアジトをやっつけ、王女の命も救う大活躍ですが、最後は王女と結婚してキングスマンを去ったも同然に。チンピラ青年が紳士になり王女に見初められついには王族になる、シンデレラの男性バージョンでめでたしめでたし!なんですが、キングスマンとしてはこれでよかったのか…? 結婚して幸せになるエグジーを見たかったんじゃない、これからもキングスマンとして活躍し続けるエグジーを見たかった私としては複雑。

ロキシーも序盤の襲撃であっという間にいなくなり、マーリーも終盤で仲間のために犠牲に、結局残ったのはハリーだけ。ロキシーの活躍も見たかったしエグジーとのコンビにも期待してたのに、マーリーまでもいなくなるなんて思わなかった。いくら地雷シーンが感動的であろうと、見たかったのはこれじゃないと思ったのも正直なところ。アクションとストーリー構成の面白さが前作キャラへの思い入れに勝るかどうかで評価が別れそうな展開でした。

ポピー(ゴールデン・サークルのボス)を倒した後、ウイスキーとのラストバトルになるが、彼はゴールデン・サークルの仲間ではなく、解毒剤を壊したのは個人的な理由からだった。だからと言って邪魔していい理由にはならないけど、この辺は真面目に考えすぎると重くなるので、もう今作は余計なことは考えずただアクションを楽しめば、それでいいのかな。