パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々 / 魔の海

パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々:魔の海 BD

2013年
時間 107分
監督 トール・フロイデンタール

デミゴッドの訓練所を守っていたタレイアの樹が枯れ、結界が破られた。タレイアの結界を復活させるためには"黄金の羊毛"が要る。パーシーは仲間と"魔の海"に向かい、黄金の羊毛を探すが、神々に反逆するルークも黄金の羊毛を狙っていた。もしルークに羊毛が渡ったら世界に危機が訪れる。パーシーは羊毛を手に入れ訓練所と世界を守れるのか!?

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」の続編です。以下は「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」のネタバレも含むので前作未見の人はご注意下さい。

神話と現代がミックスした軽快な作風がポイントのパーシー・ジャクソンシリーズですが、今作では現代舞台のシーンが少なくてややファンタジー寄りになりましたかね。それでも"地獄の四輪"がNYのタクシーだったり、ルークの父のヘルメス(オリンポス十二神の1人)が宅急便屋をやってたり、前作のセンスは受け継がれてます。今作ではヘルメス自ら役立つアイテムを提供してくれますが、世界の平和のためにまずはあなたがルークの望む父親になってあげて下さいよー。

前作でパーシーに負けたルークはしっかり復活してて、今作では最初から敵役として登場。父ちゃんを嫌うルークは(父ちゃん憎ければ神々も憎いというパターン)懲りずにまた何やら企んでいる様子。今作でもパーシーの目的はタレイアの樹の復活なのだけど、それがルークの野望と絡むことで世界を救う大スペクタクルに発展する構図。この辺は最初から敵役が明白なこと、パーシーに関係する預言などのおかげで前作よりは話の芯は分かりやすかったかな。

前作のメンバーに加えて、アレスの娘クラリサと、パーシーの兄弟(ポセイドンとニンフの子どもで一つ目のキュプロクス)タイソンが参戦。友人や兄弟との関係を通してパーシーの心の成長も盛り込まれてますが、盛り込みすぎでそこはどれかに絞った方がよかったんじゃないかな。それでもモンスターは色々出てくるし、パーシーの大技も楽しめるので、気軽に見られる娯楽作品としては十分かなと思います。

<ネタバレ>

ルークくん、今度はクロノスを復活させて神々をやっつけてもらおうという魂胆ですか…。そのために黄金の羊毛をパーシーと取り合うことになりますが、クロノスを利用するにはルークくんではまだ若輩すぎる気がする。案の定、そーゆーことに。ところで若輩と言えば、「予言」は3神(ゼウス、ポセイドン、ハデス)の子が20歳になった時…だった気がするけど、パーシーまだ20歳になってないよね?と思ってたら、その件ラストでちゃんと回収されましたね。

今作では黄金の羊毛探しと妥当クロノスが縦軸なら、クラリサとタイソンの件が横軸ですね。タイソンには何か裏でもあるのか…と思ってたら、本当にただの兄弟だった。ただ、タイソンを兄弟として受け入れる話が冒険話から浮いてる感があり、クラリサもパーシーが自信を取り戻すための登場だったとしても機能し切れてなかった感が。パーシーの心の成長を描きたかったのだろうけど、ここはエピソードを絞った方がよかった気がします。

私の個人的お気に入りのグローバーくんはキュプロスの女の子に変装して難を切り抜けたりとか、お茶目さを披露してくれて、今作も楽しませてくれました。クロノスに食べられた時はああっと思ったけど、無事生還してくれて嬉しい。しかしクロノスって神なのに魔王(&怪獣)扱いされることが多いな。

モンスターやCGは今回も楽しめました。コルキスの牛って機械仕掛けなの!? 海馬も独特でしかも美しかった。魔の海ことバミューダトライアングルに巣くうシーモンスターは巨大すぎて全貌が分からなかったけど、大量の牙の群だけでも迫力あったわー。クロノスはどこかで見たような感じでしたが、ルークを喰らう非情さを見せてくれたので、まあいいか(^^;。この手の作品は難しいことは考えないと割り切って楽しめればそれでよし。