ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅

2014年
時間 105分
脚本 J・K・ローリング
監督 デヴィッド・イェーツ

1926年のアメリカ。イギリスから来た魔法使いニュート・スキャマンダーのトランクが人間のトランクと入れ代わってしまい、トランクの中の魔法生物がNYに逃げ出して騒ぎに。ニュートは巻き込まれた人間コワルスキーと共に魔法生物の回収に走り回るが、騒ぎを起こしていたのは逃げた魔法生物だけではなかった…? ハリー・ポッターが使った教科書「幻の動物とその生息地」の著者を主人公にした、ハリー・ポッター世界の新しいシリーズ。

ハリー・ポッターは子どもが大好きで、本も全巻揃えてるし映画も全て見てるしBDボックスも持ってるし、今作の元となる「幻の動物とその生息地」も、「クィディッチ今昔」も、更には裏話本やファンがまとめた本までも揃えて完璧状態なのですが、さすがにもうファンタスティック・ビーストまで追いかける気力はなくて、映画館へは行っていませんでした。たまたまスター・チャンネルの無料期間でやっていたので、それじゃあと軽い気持ちで見てみたのですが、これが意外に面白かった。原作者が脚本を書いてるだけあって、J・K・ローリングらしい捻りもあり、やっぱりこの人の作品は面白いわ…となりました。

舞台はハリー・ポッターの時代から遡ること70年、1926年のアメリカ。当時のNYが再現されていて、レトロな街並みや服装がいい雰囲気を出しており、"魔法"にもしっくり合っていい感じ。トランクの入れ替わりが発端で珍騒動が起きるのですが、巻き込まれた人間ジェイコブ・コワルスキーもなかなか好人物。ニュートに協力して魔法使いと観客のいいつなぎ役になってくれてます。

ニュートのトランクの中は不思議空間になっていて(ちょっとした研究室?)、不思議な生物がいっぱい。アメリカでは闇の魔法使いグリンデルバルドのせいで魔法を人間にひた隠しにしているので、魔法生物が人間世界をウロチョロするのはとてもまずいのです。騒ぎに気付いたティナは闇払いに戻りたくてニュートを捕まえようとするけど、ティナの妹のクイニーもいいキャラで、ジェイコブに好感を持ってニュートやティナの助けになって活躍してくれます。

魔法とCGは相性いいですね。魔法シーン見てるだけで楽しめるし、魔法生物捕り物劇も見せ場なんですが、それだけで終わらないのがJ・K・ローリング。初めて見た時は私も引っかかってしまったミスリードや、冒頭のグリンデルバルドがどう関わってくるのか、そこも醍醐味。

<ネタバレ>
ローリングらしい引っかけの1つがオブスキュラスの正体。抑圧された魔法使いの中に発生する闇の力で、破壊的なパワーを持つ。ニュートの魔法生物たちも色々やらかしていたけど、人を殺したりはしない。オブスキュラスを巣くわせてる魔法使いがNYのどこかにいる──それは誰か? 魔法保安局長のグレイブスもオブスキュラスを探していましたが、彼も勘違いするほどだったので、私なんぞは見事にあっと言わせていただきました~。後からふり返ったら、義母に一番虐待されていたのは誰だったかという情報はちゃんと出てたのに、いかにも怪しそうな義妹の描写や10才以下の子どもという情報に騙されてましたね。彼は10才を越えてオブスキュラスに耐えたので、そりゃあ凄いパワーになるわな…。

そして更にもう一捻りあるのがローリング。あんたがグリンデルバルドかー! ハリポタの世界では誰かが誰かに成りすますのはけっこうあることなのに、すっかり忘れていたわ…。グレイブスがオブスキュラスを探していたのは局長として取り締まるためではなくて、グリンデルバルドとして利用するためだったのね。クリーデンスは可哀相だった…。一番苦しんでいただろうに。

ラスト、ニュートたちとの記憶を消し、念願のパン屋を開いたジェイコブですが、無意識下に記憶は潜んでいたのかな。誰も思いつかない発想が出来る人は、もしかしたら異世界や魔法使いと接したことがある人かも!? そう思ったら自分も突飛な発想が出来た時はもしかして!?なんて想像できて楽しい。再会したジェイコブとクイニーがそこからまた交流を育んでいけたら嬉しいなと思いました。