ネバーエンディング・ストーリー

1984年
時間 97分
監督 ウォルフガング・ペーターゼン

いじめられっ子だったバスチアンはとある本屋で見かけた本に夢中になって読みふける。それはファンタージェンという架空の世界に"無"の危機が迫ってくるお話だった。バスチアンは物語の主人公アトレーユに感情移入し、彼と一緒に物語の中で冒険の旅をする。アトレーユはファンタージェンを救えるのか!? だが、女王がアトレーユに語ったファンタージェンを救える本当の救世主とは…。

公開時に映画館で見ている…はず。アトレーユの美少年ぶりにうっとりしてました(笑。音楽もお気に入りでレコードを買って繰り返し聴いてました。レコード→カセットテープ→MD→CDと渡り歩いて今でもよくかけます。CSのシネフィルWOWOWで流してくれたので録画して久しぶりに鑑賞。

当時はこの手の特撮ファンタジーが大好きで映像を見てるだけでも満足出来ていた記憶が。この作品にはCGは使われてないと思います。白い龍ファルコンで空を飛ぶシーンは爽快なんですが、ファルコンの顔のデザインだけは当時からもうちょっと何とかならんかったのか…とは思ってました(^^;。なぜ垂れ耳…しかも毛ふさふさ…龍というより犬…。今回よく見たら上部には一応ウロコみたいなのが付いてたので、あれでも制作スタッフは龍のつもりだったのかなあ。

岩の巨人とか異星人ふうのカタツムリとかは今見るといかにも特撮ぽいですが、それを補って余りあるのがアトレーユ少年の美しさ。彼の美しさの前では犬ファルコンも80年代の特撮も全てひれ伏す。今作の魅力はアトレーユに全てかかっていると言っても過言ではないですね。バスチアンでなくてもアトレーユの頑張る姿には自然と気持ちが入ってどんどん応援したくなる。アトレーユへの感情移入=アトレーユに感情移入してるバスチアンとも同化=いつしか視聴者自身が主人公になっている──というのがこの作品が仕掛けてくるマジック。

<ネタバレ>

最初は夢中で本を読んでいるだけのバスチアンですが、アトレーユが旅の試練の1つ「真実を映す鏡」で鏡の中にバスチアンを見るところから、だんだん読み手と物語が一体化し始める。ファンタージェンの真の救い主は人間の子ども。アトレーユに感情移入し彼と共に女王を訪れる人間の子ども──人間の純真な心が持つ夢と希望──が必要だったのですね。何故なら物語は人間の夢が生み出すものだから。人間が夢や希望を失うと物語は消えて"無"になってしまうから。バスチアンは女王に新しい名前を授けることで消えかけたファンタージェンを救う。

夢や希望を失わなければ物語はいつでも復活する。
夢や希望ある限り物語はどこまでも続く。果てしなく続く。物語とは私たち自身が生み出すものだから。
それが果てしない物語。
ネバーエンディング・ストーリー。

夢や希望を見失った人たちにも見てもらいたい作品。ラストのいじめっ子への仕返しはご愛敬~;てことで。

余談ですが、ファンタージェンの女王も少女でアトレーユに負けず劣らず美しいのです。彼らのこの世の者とも思われぬ美しさには、もうそれだけでノックダウンされたものですが、今回見てもやっぱりノックダウンされました(笑。キャストの重要性を改めて感じさせてくれる作品でもあります。