サウンド・オブ・ミュージック

サウンド・オブ・ミュージック BD

1965年
時間 174分
監督 ロバート・ワイズ

1930年代のオーストリア。修道女を目指すマリアは歌が好きでお転婆。修道院長に勧められてトラップ家の家庭教師に行くことになる。ところがトラップ家には子どもが7人もいて父親のトラップ大佐は笛で子どもたちをしつける有様だった。マリアは歌を教えて子どもたちと打ち解けていく。子どもたちに慕われるマリアに大佐の心もほぐれていく。だが時代はオーストリアにもナチスの影を落とすのだった…。

子どもの時に親と一緒に見た映画。初公開は1965年ですが、手元のパンフレットの発行が昭和45年になっており、パンフの解説にも5年ぶりに東京から上映再スタートとあるので、私が見たのは1970年のリバイバル上映と思われます。長いので途中休憩あります。トラップ家には実在のモデルがいますが、ブロードウェイミュージカルになった時点で史実からはかなり脚色が行われていたようです。

親が音楽好きで、子どもにもいい音楽を聴かせたいという親心もあったようで、映画の後も家でサウンドトラックをどっさり聴かされました(^^;。更にはカセットテープにサントラを録音して「自分でも聴きなさい」と宿題まで渡されたほどの気合いの入れようでした。親、きっとこの映画大好きだったんだろうな。今は自分で買った新しいサントラCDで聴いてますが、当時の親心を思い出して懐かしくなります。

ところで私が親の期待に添えたかと言うと、確かに音楽もよかったのだけど、子どもには物語の方が印象に残ったかな。修道院のマリアのお転婆ぶりも面白かったし、トラップ家の子どもたちが制服でずらっと並んで笛でピッピーと動くのが受けた。序盤の子どもたちやマリアと大佐のやりとりも面白くて、そこから作品の中の世界へ自然に入って行けたようです。

個人的に気になったのがドレミの歌。「ドレミファソラシド」ではなくて「ドレミファソラチド」って歌うんですよね。「シ」が「チ」に聞こえて、実際そう発音している。外国では「シ」じゃなくて「チ」なのかーと妙に感心した覚えがあります。「サウンド・オブ・ミュージック」の歌はどれも分かりやすくて子どもでとっつきやすかったです。

後年BDを購入しましたが、大人になって見返してみると、子どもの時にはそこまで分からなかったドラマの細かい部分にも気付けて、改めてマリアとトラップ一家の物語に心が温まるのでした。

<ネタバレ>

序盤はトラップ家の家庭教師が長続きしなくてマリアで12人目だとか、前の人は2時間しかもたなかったとか、マリアが笛で大佐をやり返したり、子どもたちがイタズラをしかけたりとか、子ども受けするシーンが多くて私もいちいち反応して喜んでいたのを思い出します。長女のリーズルと電報係のロルフが恋仲だったのに、何故終盤でリーズルたちに味方しなかったのか不思議だったけど、大人になって見返してみるとそういう時代だったのね…と分かる。

大佐が留守にしてる間、マリアは子どもたちを連れて屋敷の外へ出るけど、この間かかっているドレミの歌の間にマリアと子どもたちの衣装がどんどん替わるんです。1曲終わる間に何日も経過したことが分かる仕組みになっていて、これは上手い演出だなと思いました。マリアは戻ってきた大佐に子どもたちが父を求めていることを伝えて、亡き妻の思い出(歌、館、子どもたち)から目を背けていた大佐も子どもたちの方を向くようになる。男爵夫人はマリアが現れた時からもう勝てないと本当は分かっていた気がする。

互いの愛を確かめ合いゴールインするマリアと大佐ですが、オーストリアにもナチスの手が迫っていた。ナチスに従いたくないトラップ大佐は亡命を決意。音楽祭ばかり気にしてるように見えたマックスは大佐の亡命に協力してくれる友情厚い人でした。マリアのいた修道院の修道女たちもトラップ一家を粋な助け方しましたね。車の件、バレなかったのだろうか(笑。

ミュージカルだけど、歌はドラマを表現するだけではなくて、歌を忘れた家に歌を取り戻すと言う、歌そのものがテーマにもなっていた作品でした。それが音楽祭で大佐も参加して一家全員での合唱に結実します。親が子どもに見せたかったのも分かる家族のドラマです。

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