ルパン三世 ルパンVS複製人間

1978年
時間 102分
監督 吉川惣司

ルパン三世が処刑された。だが、ルパンは生きていた。では処刑されたルパンとは? 峰不二子と取引してピラミッドから「賢者の石」を盗み出したルパンだが、不二子の裏にはマモーと名乗る謎の人物がいた。「賢者の石」を巡りルパン一味とマモーの攻防戦が始まり、そこにルパンを追い続ける銭形警部も加わり、かつてない大きなスケールでルパンの大冒険が幕を開ける。

ルパン三世大好きです。まずキャラたちがとてもいい。ルパンの孫で稀代の大泥棒のルパン三世、祖父譲りの切れる頭で堅牢な防備も奇想天外な作戦で楽々突破、だが女好きで時々失敗することも。ルパンの相棒・次元大介、13代目石川五右衛門、敵か味方か分からない謎の美女・峰不二子、そしてルパンを追い続ける銭形平次の子孫・銭形警部、皆さん魅力あふれるメンバーですが、一番のポイントは全員が「大人」ってところでしょう。

今作はルパン三世の初めての映画化作品。そのため大人度もテレビシリーズより上がってます。キャラが大人であるメリットは成熟した男と女の大人のドラマも楽しませてもらえること。登場人物が大人だけだからこそ出来る会話、ジョーク、駆け引き、それらを存分に楽しませてくれるのが今作。それは大人の世界を垣間見たい少年少女たちにとってもワクワクできる世界なのです。

それだけではなく夢とロマンと冒険も忘れていないのが今作のいいところ。全キャラ中で一番年上のはずのマモーが(悟りを開くどころか)一番子どもっぽい大望を抱いてるのが可笑しいですが、マモーの企みのスケールが大きくなるほどルパンのシニカルさも引き立つわけで、それが今作を子どもも大人も楽しめる贅沢な冒険活劇に仕立て上げてます。なお、「またつまらぬものを切ったか」の五右衛門の名台詞が誕生したのもこの作品。

実は峰不二子が好き

不二子は経歴も謎に包まれた女泥棒ですが、颯爽として素敵な女性。私は強くてかっこいいお姉さんが好きなのですが、最初に好きになったのは峰不二子だったかもしれない。彼女はルパンの仲間になることもあるけど、基本は単独行動なんですよね。常に自分に忠実で、自分が自分であるために生きている自立した女性。必要とあらばルパンを利用し騙し裏切ることも厭わない。ルパンを愛することがあっても感情に溺れることなくクールに動くことが出来る。かっこいいですよ、憧れちゃいますよー。今作でもそんな大人の女の魅力を存分に見せてくれています。

カリオストロかマモーか

ルパン三世と言えば「カリオストロの城」を思い浮かべる人が多いかもしれないけど、私はマモー派です。今作には私が見たかったルパンがいる。ルパン作品に関する私の基準は、作品としてどうかではなくて、ルパンとしてどうか、なんですよね。ルパン作品はたくさんありますが、どれか1つを選べと言われたら私には迷いなく今作。ルパン好きになった原点です。

<ネタバレ>

この手の作品にはネタバレも何もないと思うけど(クローンを扱ってるのはタイトルでバレてるし、お約束で最後は大団円になるのも分かってるし^^;)、ルパンと不二子の本音が一瞬つながるところが個人的に好きです。ルパンと不二子ってお互い好き合っているようでなかなか「まともな一緒」にはならないでしょ。それをやったらルパンがルパンでなくなるし、不二子も不二子でなくなるので出来ないというお約束があるからだと思いますが、マモーのおかげで「その一瞬」を見せてもらえた。それだけでも今作は私には意味のある作品でした。

ちなみに冒頭の処刑されたルパンはマモーが作ったクローン。マモーはクローンで不老不死を目指していたがクローンにも限界があった。マモーは限界を超えるために世界中のありとあらゆる伝説・伝承をも収集していた。「賢者の石」もその1つ。盗まれたものの中にはクローンルパンが盗んだものも含まれてたんでしょうね。

映画も二時間スペシャルも全てはここから始まったのだから、カリオストロや他の作品でルパンのイメージを抱いた人にもぜひ見てもらえたら嬉しい一作です。

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