ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女

ザ・マミー / 呪われた砂漠の王女 BD

2017年
時間 110分
監督 アレックス・カーツマン

ロンドンの地下で十字軍の墓所が発見された。その頃、イラクで任務に当たっていたニックは村の地面下でエジプトのミイラを発見。それは邪神セトに魂を売ったアマネット王女のミイラで、ニックはアマネットの呪いを受けてしまう。蘇ったアマネットは人々を襲って肉体を復活させ、ニックを追う。ニックはアマネットの呪いから逃れられるのか、そしてジキル博士が率いる謎の組織プロディジウムの目的とは──。

原題が「THE MUMMY」でハムナプトラと同じなので、ミイラ男がミイラ女になったハムナプトラの男女逆バージョン?と思いながら見てました。しかしミイラ王女の強さと怖さが今一つ足りない感じで、アマネットがニックを選んだ理由もよく分からないし、ミイラに気持ちが入りきらないうちに何故かジキルとハイドのジキル博士も出て来るし、しかもラストはあの展開…。

どういうことだろうと思っていたら、どうやらダーク・ユニバースシリーズの構想があったようです。そういえば映画が始まる前に「DARK UNIVRESE」の文字が出てたっけ…。ミイラとかフランケンシュタインとか古典恐怖キャラでアベンジャーズやろうみたいな感じだったんですかね。そう思って見ればジキル博士がフューリー長官みたいな立ち位置で、プロディジウム(対モンスター組織)がシールドみたいなものだったのかも。

でも見る方はミイラ映画を期待してたのだから、そこはやっぱりミイラにもっと怖い魅力が欲しかったところ。全体にキャラがちょっと弱かった感じなので、キャラたちがもっと立ち上がっていれば同じ構想でも印象がかなり違ってきたのではないでしょうか。個人的にはニックの相棒ヴェイルが面白かった。あの姿でニックを招くのは怖いはずなのに、妙な愛嬌があって(笑。

<ネタバレ>

アマネットの目的はニックにセトを憑依させ、2人で世界を支配すること。しかしセトに憑依されてもニックはアマネットの言いなりにはならず、逆にアマネットを撃退。セトの力を得たニックは自分に巻き込まれて死んだジェニーを生き返らせ、セト神の力を持つモンスターヒーロー、ここに誕生! って、これヒーロー誕生物語だったんですか!??

ちなみにジキル博士はニックならセトの邪悪に勝ってヒーローになれると踏んで、最初からその予定で動いていたようす。プロディジウムメンバーを動員してロンドンの地下墓所からオシリスの石を持ちだし、アマネットを捕らえ、ジェニーにニックを連れてこさせたのもジキル博士だしね。途中でハイドが出て来てきて少々計算が狂いはしたけど結果オーライだったのかしら。

モンスターヒーローになったニックはジェニーたちから去り、相棒と砂漠の旅に出る。って、ヴェイル!! アマネットに真っ先にやられて序盤でリタイアの雑魚キャラかと思わせて、しかし以降もゾンビ幽霊になってニックを導き続け、最後はちゃんと生き返ってるじゃないですかー(笑。ニックとヴェイルの砂漠コンビから始まって、同じく2人の砂漠コンビで締めるという構成は悪くなかったので、ミイラ恐怖の物足りなさが惜しい作品でした。

なお、ダーク・ユニバース計画は頓挫したもようで、モンスターヒーロー・ニックの次なる活躍は見られないようです…。